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豪華ハード・バップの面々との吹込みによる名トロンボーン奏者の1枚 カーティス・フラー(Curtis Fuller)は、1934年にデトロイトで生まれたトロンボーン奏者で、2021年に86歳で没している(追悼過去記事(1) ・(2) )。ジャズ・トロンボーンと言えば、J.J.ジョンソンかカーティス・フラーかというくらい、この楽器の代表的なプレーヤーとして知られる。そんな彼がとりわけ素晴らしい作品を相次いで吹き込んだのが、1950年代後半から1960年代初頭にかけてであった。その中でも代表作とされる『ブルースエット』とほぼ同時期に吹き込まれた(厳密には2か月ほど前に録音された)のが、本盤『スライディング・イージー(Sliding Easy)』である。 本盤の特徴としては、何と言ってもまずは演奏メンバーの充実度である。ピアノがトミー・フラナガン、ベースがポール・チェンバース、ドラムスがエルヴィン・ジョーンズ。さらに、フロントは三管の編成で、トロンボーンのカーティス・フラーに加えて、トランペットのリー・モーガン、テナー・サックスのハンク・モブレイという面々である。もちろん、吹き込みの当時は若かったわけだけれど、後世から見れば、ハード・バップ・ジャズのレジェンドが居並ぶという、そんなメンツだったわけである。 そんな豪華な顔ぶれには、さらに続きがある。収められた6曲中、4曲(1.、3.、4.、5.)はベニー・ゴルソン、残る2曲(2.と6.)はジジ・グライスが編曲を担当している。とりわけ、三管を生かしたゴルソンのアレンジの美しさは、本盤の演奏を支える重要な要素となっていると思う。 いくつかの曲を個別に見ておきたい。1.「ビット・オブ・ヘヴン」は、フラーの自作曲で、三管のアンサンブルの美しさが光る。4.「ボンゴ・バップ」は、チャーリー・パーカーの曲で、表題からもわかるようにラテン風のリズムのナンバーだが、フラーをはじめフロント管楽器それぞれの軽妙な演奏が心地いい。リラックス感を醸し出す5.「ホエン・ライツ・アー・ロウ」の演奏は、個人的にはかなりおすすめ。そして、6.「C.T.A.」は、グライスの編曲によるもので、溌溂とした各奏者のソロ演奏が受け渡されていく展開が何とも言えないスリリングさを作り上げている。 そのようなわけで、これぞ代表的な1枚と言うような盤というわけではないかもしれない。けれども、カーティス・フラーのみならず、彼を含む当時のモダン・ジャズの雰囲気を体現した盤であると思う。そうした意味で、歴史的名盤ではないかもしれないが、もっともっとこれに親しむ人がいてもいいんじゃないかとも思っていたりする盤である。[収録曲]1. Bit of Heaven2. Down Home3. I Wonder Where Our Love Has Gone4. Bongo Bop5. When Lights Are Low6. C.T.A.[パーソネル、録音]Curtis Fuller (tb), Lee Morgan (tp), Hank Mobley (ts), Tommy Flanagan (p), Paul Chambers (b), Elvin Jones (ds), Benny Golson (arr), Gigi Gryce (arr)1959年3月9日録音。 【中古】 Curtis Fuller カーティスフラー / Sliding Easy 【CD】 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2023年10月29日
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トロンボーン奏者率いるクインテット演奏の代表盤 J・J・ジョンソン(J. J. Johnson,1924年生れ2001年没)は、モダン・ジャズを代表するトロンボーン奏者。彼の大評判として知られ、彼が率いたクインテットによる最高峰の演奏と言えるのが、1957年に録音された本盤『ダイアルJ.J.5(Dial J.J.5)』である。 クインテット(5人組)のメンバーは、トロンボーンのJ・J・ジョンソンに加えて、ボビー・ジャスパー(テナー、フルート)、トミー・フラナガン(ピアノ)、ウィルバー・リトル(ベース)、エルヴィン・ジョーンズ(ドラムス)という面々である。リズムセクションの3人は、本盤の録音後、この同じ年にトミー・フラナガンの名盤として知られる『オーヴァーシーズ』を録音しており、本盤でもこれら3人の演奏の安定感とよさが際立っている。テナー・サックスとフルートを使い分けているボビー・ジャスパーは、ベルギー出身で米国へ渡って活躍した人物で、本盤のほかにウィントン・ケリーの『ケリー・ブルー』でも知られる。 どれもスリリングで、このメンツだからこそ成し得たという演奏が並ぶ。個人的好みで何曲か挙げると、1.「ティー・ポット」、2.「バルバドス」、4.「セッテ・チョーズ」、9.「バード・ソング」といった具合になるだろうか。とは言うものの、このクインテットの本領は、本盤の別の部分でも発揮されているようにも思う。 それは、5人全員がそろうのではなく、3人や4人の演奏曲も含まれている点である。7.「ソー・ソーリー・プリーズ」と8.「イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー」では、リーダーのJ.J.が演奏していない。また、ボビー・ジャスパーは必要に応じてサックスまたはフルートを演奏し、時に彼が抜ける。結果、6.「ラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ」は、ジャスパー抜きのカルテット演奏。7.はJ.J.もジャスパーも抜けており、トリオでの演奏となっている(これがまた上述の『オーヴァーシーズ』を想起させる見事な演奏!)。8.はJ.J.が抜けてジャスパーのフルートをフィーチャーした、なおかつリーダー抜きでのカルテット演奏。この自在さというか臨機応変さがこのメンバーでの演奏のよさであるというのも実感できる作品というふうに思う。[収録曲]1. Tea Pot2. Barbados3. In a Little Provincial Town4. Cette Chose5. Blue Haze6. Love Is Here to Stay7. So Sorry Please8. It Could Happen to You9. Bird Song10. Old Devil Moon[パーソネル、録音]J. J. Johnson (tb)Bobby Jaspar (ts, fl)Tommy Flanagan (p)Wilbur Little (b)Elvin Jones (ds)1957年1月29日(5., 6., 8., 9.)、1月31日(2., 3., 4.)、5月14日(1., 7., 10.)録音。 ダイアルJ.J.5 [ J.J.ジョンソン ] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年10月25日
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不調和が調和する瞬間 ブルーノート、プレスティジ、リバーサイドと所属を変えていった後にセロニアス・モンク(Thelonious Monk)が行きついたのはコロンビア・レコードで、キャリア後期のかなりの期間・アルバム数をこのレーベルに残すことになった。そんなコロンビア期の最初の作品(1962年録音)がこの『モンクス・ドリーム(Monk’s Dream)』だった。 一般に言われるように、モンクの音楽はヘンテコである。言い換えると、通常の音楽理論と“調和”していない。突飛でもないことが起こる音楽である。結果、聴き手側が、予想を裏切られることを予想して聴くという状況がしばしば起きる。 ところが、本盤を聴くとさらに不思議な現象が起こっているように感じられる。ここで提示される音楽はそれ自体として“調和”したものになっている。話が少々ややこしいが、ここで披露されている音楽そのものは、一般的な音楽観や音楽理論と“調和”していない独特なものだ。けれども、演奏されている音楽だけに目を向けると、本盤の中では完結的に“調和”しているように見えるのである。 何とも小難しい話になってしまったけれど、これが筆者の正直な感想である。そんな風になっている主要因は、テナー・サックスのチャーリー・ラウズ(Charlie Rouse)の存在であろう。これ以前には『5・バイ・モンク・バイ・5』(1959年)にも参加しているが、その時よりもはるかにこの奏者自身が“モンク化”している。要するに、セロニアス・モンクの音楽に“調和”しているのだ。 その結果、意外な不協和音、予想外のぶつかり合いといった面でのミュージシャン間での緊張が少ないとも言える。なので、それらをこのモンク盤に求めるならば、期待は裏切られるかもしれない。けれども、“フツーじゃない音楽がフツーにまとまった形で提示されている”という本盤の演奏を、筆者はとても気に入っている。ラウズのサックスは、時にモンクらしいフレーズを吹き、また時にモンクの独自のピアノの間合いにぴったりとはまった演奏をしている。そんなわけで、繰り返し演奏を共にすることになるこの二人の関係性の確立が本盤のいちばんの聴きどころなのだと思う。 収録されているのは、ほとんどが既発表の楽曲で、初演は3.「ブライト・ミシシッピ」だけである。ただし、過去の発表時と表題が異なっている曲もあり、5.「ボリバルのブルース(Bolivar Blues)」は、「バルー・ボリバル・バルーズアー(Ba-Lue Bolivar Ba-Lues-Are)」というへんてこりんなタイトルで発表された曲(『ブリリアント・コーナーズ』に収録)。同様に、4.「ファイヴ・スポット・ブルース(Five Spot Blues)」は、「ブルース・ファイヴ・スポット(Blues Five Spot)」として『ミステリオーソ』で演奏されていたものである。[収録曲]1. Monk's Dream2. Body and Soul3. Bright Mississipp4. Five Spot Blues5. Bolivar Blues6. Just a Gigolo7. Bye-Ya8. Sweet and Lovely[パーソネル、録音]Thelonious Monk (p), Charlie Rouse (ts), John Ore (b), Frankie Dunlop (ds)1962年10月31日(5.と7.)、11月1日(2.と3.)、11月2日(1.、6.、8.)、11月6日(4.)録音。 Thelonious Monk セロニアスモンク / Monk's Dream + 4 【BLU-SPEC CD 2】 下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年10月20日
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ギター小僧のその先へ、幅が広がり始めた1枚 ニルス・ロフグレン(Nils Lofgren)は、グリンというバンドでメジャーデビューし、1970年代、地味ながら着実にソロ活動を繰り広げていった。この間の活動で、“ギター小僧”、“ギター・キッド”などといったイメージがついたけれど、1980年代を迎えると、音楽性を少し変えていった。ポップな方向を向いたというのは、コアなファンにとってはがっかりな部分もあったかもしれないが、数十年後の現在から見れば、彼の音楽性が広がっていく過程だったようにも思う。 そんな彼の傾向が見え始めたのが、1981年発表の本盤『ナイト・フェイズ・アウェイ(Night Fades Away)』である。1980年代にニルスは3枚のスタジオ作を残している(本盤のほかに、1983年の『ワンダーランド』、1985年の『フリップ』)が、いずれも、前後の作品に比べてポップ寄りのサウンドに仕上がっている。 本盤に収められた楽曲のうち、筆者のお気に入りナンバー1は、何といっても表題曲の1.「ナイト・フェイズ・アウェイ」。ソフトな曲調ながら、ヴォーカルもなかなかよくて、ハーモニクスを含むギタープレイの特色もうまく活かされている。全体に目を向けると、小気味よく聴きやすいロックナンバーが多く含まれているのも特徴。そうした曲の代表格としては、デル・シャノンで知られる2.「アイ・ゴー・トゥ・ピーシズ」、ビートルズのカバーである7.「エニータイム・アット・オール」。さらには、6.「セイラー・ボーイ」なんかもテンポのよさが目立つ。あと、8.「魔女の誘惑(エンシェント・ヒストリー)」は、グリン時代からの雰囲気を保っていて、これも何気に外せないナンバーだったりする。[収録曲]1. Night Fades Away2. I Go to Pieces3. Empty Heart4. Don't Touch Me5. Dirty Money6. Sailor Boy7. Anytime at All8. Ancient History9. Streets Again10. In Motion1981年リリース。 【中古】 Nils Lofgren ニルスロフグレン / ナイト・フェイズ・アウェイ 【LP】↓LP盤です↓ Nils Lofgren「Night Fades Away」 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年10月14日
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ロック色を強めた好盤 “100万ドルのギタリスト”と言われたジョニー・ウィンター(Johnny Winter)がコロンビアと契約してから、メジャーデビュー盤、セカンド作(過去記事)に続いて、3枚目のリリースとなったのが、この『ジョニー・ウィンター・アンド(Johnny Winter And)』である。 この“ジョニー・ウィンター・アンド”はバンドの呼称である(“アンド(そして)”で終わることの違和感を、筆者は何十年たっても払しょくできないでいるけれど)。メンバーは、リック・デリンジャー(ギター)、ランディ・ジョー・ホブス(ベース)、ランディ・Z (ドラムス)という面々で、特にデリンジャーは曲作りや共同プロデュースという役割を果たしている。 ジョニー・ウィンターのキャリアの中で見ると、本盤は、ブルースをベースにしつつも、どんどんとロック色を強めていった時期の作品である。注目のナンバーをいくつか見ておきたい。1.「ゲス・アイル・ゴー・アウェイ」は勢いのある曲調に乗せて展開されるギターのカッコよさとヴォーカルの激しさがいい。3.「ノー・タイム・トゥ・リヴ」は、トラフィックのカバー(原曲は1968年作の『トラフィック』に収録)。4.「ロックンロール・フーチー・クー」はデリンジャー作でこの曲の初出(後にデリンジャーは次作でセルフ・カバーも披露している)。 アルバム後半に目を向けると、ウィンターらしさが発揮された7.「プロディガル・サン」、デリンジャーのペンによる8.「オン・ザ・リム」や11.「ファンキー・ミュージック」などが光る。さらに、聴き逃がせないと思うのは、哀愁漂う曲調の9.「レット・ザ・ミュージック・プレイ」。ブルースに固執するのではなく、幅広い曲演奏を取り入れていることもよく分かる1曲だと言える。 残念なことに、本盤のセールスは振るわなかった。全米でのチャート順位は、前作(55位)、前々作(24位)に対して、本作は154位にとどまった。本盤よりも後に出されたライヴ盤(1971年)の方が注目度が高いため、そちらに目が行きがちである(若い頃、筆者が先に聴いたのも、実はそちらのライヴ盤だった)。けれども、こちらの盤も決して忘れてはならないお薦め盤であることを声を大にして言いたい。[収録曲]1. Guess I'll Go Away2. Ain't That a Kindness3. No Time to Live4. Rock and Roll, Hoochie Koo5. Am I Here?6. Look Up7. Prodigal Son8. On the Limb9. Let the Music Play10. Nothing Left11. Funky Music1970年リリース。 輸入盤 JOHNNY WINTER / JOHNNY WINTER AND-LIVE AT THE FILLMORE EAST [CD] ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年10月07日
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輝かしきバンドのデビュー盤 1970年代後半、デヴィッド・ペイチ(キーボード)とジェフ・ポーカロ(ドラム)を中心にスタジオ・ミュージシャンたちから成るバンドが動き始めた。これら2人以外のメンバーは、スティーヴ・ルカサー(ギター)、ボビー・キンボール(ヴォーカル)、デヴィッド・ハンゲイト(ベース)、スティーヴ・ポーカロ(キーボード)といった面々であった。彼らが1978年にリリースしたデビュー盤が、原盤ではセルフタイトルの『TOTO~宇宙の騎士(Toto)』だった。 名前のTOTO(以前、日本では4文字とも大文字で表記されていた)を見た日本人の多くは、便器で有名なメーカー(当時は東陶機器、以前の東洋陶器)を思い浮かべるかもしれない。けれども、アルバム・ジャケットは、宇宙をバックにしたエクスカリバー(中世イングランドのアーサー王伝説に出てくる魔法の力を持った剣)。そしてそのサウンドは、“産業ロック”とも呼ばれることになる、1980年代以降に向けた新たな方向性を既に示しているものだった。 セッション・ミュージシャンとして活躍していた人たちがバンドを組んだのだから、その演奏の実力はこのデビュー盤からもはや完成されている。それに加えて素晴らしかったのは、上記のジャケ写から連想されるコンセプトが楽曲の音にもぴったりとリンクしていた点だろう。1.「子供の凱歌(チャイルズ・アンセム)」という冒頭のインスト曲で、リスナーはあっという間に“アーサー王の剣が宇宙に浮かぶ世界”へと誘われる。1970年代のそれまでのロックとは次元の異なる世界とでも呼べるものが、当時の感覚では新鮮だったということになるのだろう。 1.に加え、筆者が気に入っているナンバーを少し見ておきたい。2.「愛する君に(アイル・サプライ・ザ・ラヴ)」は、1980~90年代のロック・ナンバーの雰囲気を先取りしている。3.「ジョージー・ポーギー」この少し後のTOTOの名曲の香りを既に持っている。さらに、7.「ふりだしの恋(テイキン・イット・バック)」と10.「アンジェラ」(個人的にはこちらが特にお気に入り)は、AOR的ロック/バラードというこの後の流れを先取りしているように思う。それから、9.「ホールド・ザ・ライン」は、TOTOにとっての最初のヒット曲となったシングルで、全米5位を記録している。[収録曲]1. Child's Anthem2. I'll Supply the Love3. Georgy Porgy4. Manuela Run5. You Are the Flower6. Girl Goodbye7. Takin' It Back8. Rockmaker9. Hold the Line10. Angela1978年リリース。 [期間限定][限定盤]宇宙の騎士/TOTO[CD]【返品種別A】 宇宙の騎士 [ TOTO ] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年10月02日
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2023年09月25日
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70年代ロック&ポップス名曲選~Part 8(その10) 今回の名曲選、最後は1970年代末のスティクス(Styx)のヒット・ナンバーです。1970年代後半に人気を獲得していき、1979年にシングル1位を獲得したのが、この「ベイブ(Babe)」という曲でした。 まずは、1970年代から80年代への橋を渡す役割を果たした(と個人的には思っています)この名バラードのスタジオ・ヴァージョンをお聴きください。 続いては、往時のスティクスの雄姿をご覧ください。トミー・ショウもデニス・デ・ヤングも、みんな若いです。1980年当時の映像とのことです。 最後にもう一本。2014年のロサンゼルスでのステージの様子です。35年の時の経過を感じさせない「ベイブ」をお聴きください。 [収録アルバム]Styx / Cornerstone(1979年) STYX スティックス / Cornerstone 【SHM-CD】 【輸入盤CD】Styx / Greatest Hits (スティクス) 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年09月22日
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70年代ロック&ポップス名曲選~Part 8(その9) 続いては、サンタナ(Santana)の1977年のシングル曲で、「シーズ・ノット・ゼア(She’s Not There)」です。イギリスで11位、アメリカではビルボード27位、キャッシュボックス20位となったナンバーです。 曲そのものも名曲だと思いますが、何と言ってもバンドを率いるカルロス・サンタナのギター演奏が圧倒的です。そんな圧倒ぶりはライヴ演奏で存分に発揮されています。1979年のサンタナのライヴ演奏をご覧ください。 ご存じの方も多いかと思いますが、この曲は、元々はゾンビーズ(The Zombies)のデビュー曲です。1964年、イギリスで12位、さらにはブリティッシュ・インヴェイジョンの波に乗りアメリカでも2位のヒットとなりました。ゾンビーズによるオリジナルの「シーズ・ノット・ゼア」をどうぞ。 今回は、さらについでにもう一つ。ゾンビーズによる後世の演奏で、ロックの殿堂での2019年の映像です。 [収録アルバム]Santana / Moonflower(1979年)The Zombies / The Zombies(1965年) 【送料無料】 Santana サンタナ / Moonflower 【CD】 【中古】 【輸入盤】The Zombies 1964−67/ザ・ゾンビーズ 【中古】afb ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年09月20日
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70年代ロック&ポップス名曲選~Part 8(その8) 今回は、これ抜きに1970年代を語ることはできないといった名曲です。10㏄(テン・シーシー)はイギリスのバンドで、1975年にレーベルを移籍してリリースしたアルバムからの大ヒット曲が、この「アイム・ノット・イン・ラヴ(I’m Not In Love)」でした。まずは、この美曲を堪能してください。 余談ながら、この曲はシングルでは短いヴァージョンに差し替えられました。本来のアルバム(およびイギリスでのシングル)は長い方のヴァージョンになっています。そんなわけで、長いヴァージョンの方もお試しください。 よく知られているように、この曲が収められたアルバム(『オリジナル・サウンドトラック』)は、コンセプト・アルバムで、“架空の映画のサウンドトラック”という位置づけで制作されたものでした。 さて、この曲のステージでの演奏の様子もご覧ください。1977年のライヴ演奏の模様です。 [収録アルバム]10cc / The Original Soundtrack(1975年) オリジナル・サウンドトラック +4/10CC[SHM-CD]【返品種別A】 オリジナル・サウンドトラック +4 [ 10cc ] 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年09月19日
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70年代ロック&ポップス名曲選~Part 8(その7) 一転して、ヒット・シングルとは一線を画す選曲です。ニール・ヤング(Neil Young)の1975年作『今宵その夜』は、筆者のお気に入りの盤の一つですが、今回はその表題曲「今宵その夜(Tonight’s the Night)」を取り上げようと思います。 アルバムを取り上げたところにも書いたように、ドラッグが原因で命を失ってしまった仲間たちに捧げた、ニール・ヤング渾身の演奏です。発売は1975年ですが、実際の録音は1973年時点になされたものです。テキーラをしこたま飲んで臨んだ演奏だったこともよく知られた事実です。 ちなみに、アルバムはこの曲で始まる(A面1曲目)のですが、アルバムの末尾(B面6曲目)もこの同じ曲名になっていて、“第2部(パートII)”とされています。こちらの演奏もお聴きください。 このままだと動く映像なしになりそうなので、ライヴでの演奏もご覧いただきたいと思います。2000年のライヴの模様です。 今回はもう一つ。ジャケ写だけで映像は動きませんが、お気に入りのライヴ演奏のテイクがあります。2018年にリリースされた『ロキシー:トゥナイツ・ザ・ナイト(今宵その夜)・ライヴ』に収められているもので、1973年のツアーの模様です。 [収録アルバム]Neil Young / Tonight’s the Night (今宵その夜)(1975年)Neil Young / Roxy: Tonight's the Night Live(2018年) 【輸入盤CD】Neil Young / Tonights The Night (ニール・ヤング) 【国内盤CD】ニール・ヤング / ロキシー:トゥナイツ・ザ・ナイト(今宵その夜)・ライヴ ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年09月18日
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70年代ロック&ポップス名曲選~Part 8(その6) リンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)は、1960年代からバンド活動をしていたものの、広く知られるようになったのは、1970年代にソロ・シンガーとしての成功を収めてからでした。1975年、彼女にとって初の全米No.1ヒットとなった「悪いあなた(You're No Good)」を今回は取り上げてみたいと思います。 まずは、収録されたアルバム(原題は『ハート・ライク・ア・ホイール』なのですが、日本盤では紛らわしいことにこの曲と同じく『悪いあなた』となっています)の歌唱をお聴きください。 1970年代から80年代にかけて、長らくトップ・アーティストでいた彼女のシンガーとしての実力は、この段階でもう十分に開花していました。往時のステージの様子もご覧ください。1976年の映像とのことです。 1990年代半ばには闘病していましたが、さらに後の2011年、地元紙のインタビューで引退していたことを明らかにしました。その2年後には、パーキンソン病を患っていることも公になりました。77歳の今、かつてのようなリンダの雄姿を見ることはもうないのでしょうが、どうか長生きしてほしいと願う次第です。[収録アルバム]Linda Ronstadt / Heart Like a Wheel(悪いあなた)(1974年) 悪いあなた [ リンダ・ロンシュタット ] 【中古】 【輸入盤】Original Album Series/リンダ・ロンシュタット 【中古】afb 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年09月17日
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70年代ロック&ポップス名曲選~Part 8(その5) 1970年代半ば、1976年のデュエット・ナンバーです。華々しいスター街道を歩んでいたエルトン・ジョン(Elton John)が、同じくイギリス出身の女性シンガー、キキ・ディー(Kiki Dee)と組んでヒットさせた「恋のデュエット(Don’t Go Breaking My Heart)」です。イギリスでは6週連続で1位、アメリカでも4週連続で1位という特大ヒット曲となりました。 続いては、ライヴでの歌唱もお楽しみください。ヒットから四半世紀近く、2000年のニューヨーク、マジソン・スクエア・ガーデンでのステージの様子です。 余談ながら、この曲はシングルとして発売され、70年代当時のどのアルバムにも収録されませんでした。エルトン・ジョン名義のアルバムに収められたのは、ずっと後の1993年のことでした。『デュエット・ソングス(原題:デュエッツ)』というのがそのアルバムなのですが、こちらの方には別のシンガーとのデュエットが収められています。そのようなわけで、最後に、同盤収録のル・ポール(RuPaul,有名なドラァグクイーン)と共演しているヴァージョンをお聴きください。いくつものパターンの衣装で登場しており、二人ともなかなかの弾けっぷりです。 [収録アルバム]Elton John / Duets(1993年) 【中古】 【輸入盤】DUETS/エルトン・ジョン 【中古】afb ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年09月15日
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70年代ロック&ポップス名曲選~Part 8(その4) 再び1970年代初頭のナンバーを取り上げます。ブレッド(Bread)というのは、デヴィッド・ゲイツ、ジェイムス・グリフィン、ロブ・ロイヤー(ロイヤーは1971年にラリー・ネクテルにメンバー交代)の3人が1960年代末に結成したバンド。1970年には、ドラムのマイク・ボッツも加入して、4人体制になっています。ゲイツとグリフィンの二人による美しいヴォーカル、ポップやソフトなロック調の演奏で人気を博しました。 そんな彼らのヒット曲の一つで、1972年のアルバム『ギター・マン(The Guitar Man)』に収録された同名曲が今回のナンバーです。シングルとして、ビル―ボード11位、キャッシュボックス10位という記録を残している楽曲です。 結局、この少し後にゲイツがバンドの解散を発表し、その歩みは止まってしまいました。1976年、1996年に期間限定で活動を再開したものの、本格的なバンド復活はありませんでした。解散時のメンバーのうち、グリフィンとボッツは2005年に、ネクテルは2009年に亡くなっており、ゲイツもこの前後に引退してしまっています。 ともあれ、以下の映像を見ながら、かつてのブレッドの雄姿を振り返ってみたいと思います。 [収録アルバム]Bread / The Guitar Man(1972年) 【輸入盤CD】Bread / Guitar Man: The Best Of【K2017/11/17発売】(ブレッド) 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年09月14日
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70年代ロック&ポップス名曲選~Part 8(その3) 今回は、クールな感じの美曲をと思い、有名アーティストによる少しマイナーなナンバーです。ビリー・ジョエル(Billy Joel)の代表的なアルバム『ストレンジャー』(1977年)に所収の1曲で、「ウィーン(Vienna)」というものです。 まずはアルバムに収録されたもの(映像は動かず、ジャケ写のみ)をお聴きください。 以下、ライヴでの演奏・歌唱もご覧いただこうと思います。最初は、1980年代、人気絶頂期が続いている頃のライヴでの「ウィーン」です。 もう一つは、だいぶ後になってからの映像をと思い、次のものにしてみました。2005年の演奏シーンです。ちなみに、さらに最近の映像もあるにはある(近年も歌い続けている)のですが、年齢(声)の面でも若い頃の歌に合わせていくのがたいへんなようで、キーを調整したりいろいろ工夫はしているものの、“なんだかなあ…”という部分もあったりします。ともあれ、2005年のものでも、2023年現在からするともはやだいぶ前のステージということになりますが、お楽しみください。 [収録アルバム]Billy Joel / The Stranger(1977年) ストレンジャー [ ビリー・ジョエル ] ストレンジャー/ビリー・ジョエル[Blu-specCD2]【返品種別A】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年09月12日
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70年代ロック&ポップス名曲選~Part 8(その2) ハート(Heart)は、1975年にデビュー盤『ドッグ&バタフライ』を発表した。同作には「マジック・マン」というヒット曲も含まれていましたが、同じくこのアルバム収録のシングル曲として発売されたのが、この「クレイジー・オン・ユー(Crazy On You)」でした。まずは、アルバム所収の元の演奏をお聴きください。 もともとよくできた曲で演奏もいいのですが、往時のライヴでの演奏も実に素晴らしいものでした。その素晴らしさがよく分かる1977年の演奏シーンをご覧ください(個人的には、この映像、なんともスリリングで、何度も見ているものです)。 時は流れ、2013年にハートはロックの殿堂入りを果たしています。年月を経てもナンシーのギターとアンのヴォーカル、いずれの魅力も色褪せていません。そのロックの殿堂入りの際のライヴ演奏をご堪能ください。 [収録アルバム]Heart / Dreamboat Annie(1975年) ドリームボート・アニー [ ハート ] ドリームボート・アニー/ハート[SHM-CD]【返品種別A】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年09月10日
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70年代ロック&ポップス名曲選~Part 8(その1) 少し前に1980年代名曲選をやりましたが、こちらはさらに久方ぶりです。1970年代のロックやポップの名曲選、たぶん2年ぶりくらい(?)なのですが、よろしければお付き合いください。第8弾となる今回も、10回を目安にして、当時のヒット曲やら個人的に思い入れのある曲やらを見ていきたいと思います。 初っ端は、ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の1970年代初めのお気に入り曲です。70年代に入ってストーンズが最初に発表したのは、『スティッキー・フィンガーズ』でしたが、その次のアルバムが『メイン・ストリートのならず者』でした。今回のナンバーは、2枚組だった同作のオープニング・ナンバーです。まずは、「ロックス・オフ(Rocks Off)」のアルバム所収のヴァージョンをお聴きください。 個人的にこの曲が気に入っているのは、その“オープニング感”とそれにともなう“ワクワク感”です。“これから始まるぞ”的な雰囲気に満ちているというのは、筆者の思い込みと言えばそれまでなのかもしれませんが、適度に軽妙な部分を残しながら、盛りだくさんな感じがとても気に入っています。 さて、続いては、この曲の後世のライヴ映像もご覧ください。一つめが1995年、そしてもう一つは2003年のライヴの様子です。 それにしても、ローリング・ストーンズは、デビューから50年どころか60年を過ぎても存続し続けています。ビートルズとはきわめて対照的な結果となったわけですが、ヴェンチャーズとともにどこまで続くのか、見続けたいと思ったりします。[収録アルバム]The Rolling Stones / Exile on Main St.(メイン・ストリートのならず者)(1972年) メイン・ストリートのならず者 [ ザ・ローリング・ストーンズ ] メイン・ストリートのならず者<デラックス・エディション> [ ザ・ローリング・ストーンズ ] ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年09月09日
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2023年09月06日
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デビュー当時の勢いと人気が高まる中でのライヴ演奏 ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’Roses)は、1986年にゲフィン・レコードと契約し、翌87年にデビュー盤『アペタイト・フォー・ディストラクション』を発表した。実は、彼らはこの間にゲフィン傘下のUZIスーサイドというレーベルから自主制作の4曲入りEPを発表していた。『Live ?!*@ Like a Suicide』というタイトルで、1万枚限定というものだったが、すぐに完売した。デビュー盤発表後、このEPの音源は改めて正式にリリースされた。1988年のライヴ音源と併せてミニアルバムとして発売されたのだが、それが本盤『GN’Rライズ(GN'R Lies)』であった。そのようなわけで、本ミニアルバムの前半は上記の4曲入りEP音源だが、これらは“疑似ライヴ”仕様である。つまりは、レコーディングした曲に歓声を被せてライヴっぽくしてあるというもので、実際のライヴ・レコーディングによるものではない。その一方、後半はデビュー盤発表後のライヴの音源で、同じように4曲が収められている。 8曲の収録曲の中から、前半・後半それぞれでお勧めのナンバーをいくつか簡単にピックアップしておこう。まず、前半の収録曲で特に注目なのは4.「ママ・キン」。言わずと知れたエアロスミスの楽曲である。個人的には、3.「ムーヴ・トゥ・ザ・シティ」もお気に入り。後半に移って、5.「ペイシェンス」は全米4位のヒットとなった名バラード曲。個人的な好みの曲も一つ挙げておくと、6.「ユーズド・トゥ・ラヴ・ハー」。ハード・ロック・バンドとしての過激な演奏だけでなく、こういう演奏も難なくこなせてしまう(しかもライヴ演奏としての完成度がこの当時の時点で非常に高い)というのが、本盤の魅力になっていると言ってもいいのかもしれない。[収録曲]1. Reckless Life2. Nice Boys3. Move to the City4. Mama Kin5. Patience6. Used to Love Her7. You're Crazy8. One in a Million1988年リリース。 GN'Rライズ [ ガンズ・アンド・ローゼズ ] 下記ランキングに参加しています。お時間のある方、応援くださる方は、 “ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2023年09月03日
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高い質を誇り、聴き続けられるに値する90年代の好盤 ソウル・アサイラム(Soul Asylum)は1980年代に米国ミネソタ州ミネアポリスで形成されたバンドで、1990年代に入ってからのヒットでスターダムにのし上がった。メンバーは、ヴォーカルのデヴィッド・パーナーを中心とする4人編成で、メンバー交代(特に2005年のベースのミュラー死去)を経ながらも活動を続けているバンドである。 一般にソウル・アサイラムは“オルタナティヴ・ロック”や“グランジ・ロック”とのラベルを貼られるけれども、あまり狭い枠にはめ込まない方がいいというのが筆者のかねてからの感想である。一般論としてもそうなのだけれど、このことは、特にこのソウル・アサイラムというバンドには当てはまるように思う。少し大袈裟に言うならば、1990年代は特に音楽ジャンルが細分化され、実際の中身よりもラベル付けでイメージが決まりがちな状況が進んでいったような気がする。けれども、実は、彼らがやっていたことは、単に新たなロックの王道を進んでいただけなのかもしれない、とも思ったりする。 そんなソウル・アサイラムのアルバムの中でも、筆者が特に当時よく聴いたのが、この『キャンディー・フロム・ア・ストレンジャー(Candy From A Stranger)』という1998年リリースの盤である。『グレイヴ・ダンサーズ・ユニオン』(1992年)、『レット・ユア・ディム・ライト・シャイン』(1995年)で既にその実力のほどは知られ、大きな人気も獲得していた。そんな中で貫禄と安定感がうまく表現された好盤であった。 冒頭の1.「クリーチャーズ・オブ・ハビット」は、筆者の特にお気に入りのナンバーで、トータルでは本盤中でいちばんの推奨曲。次いで、おすすめの収録曲としては、5.「ノー・タイム・フォー・ウェイティング」、9.「ニューヨーク・ブラックアウト」、11.「クレイドル・チェイン」といったところが挙げられる。 本作の売り上げに目を向けると、前作、前々作と比べて決してセールス面では成功したとはいいがたいものだった。けれども、バンドの着実なキャリアの積み重ねは、派手に売れることがないにせよ、聴き継がれてよい好盤を生み出すことにつながったんじゃないかと思っている。[収録曲]1. Creatures of Habit 2. I Will Still Be Laughing3. Close4. See You Later5. No Time for Waiting6. Blood into Wine7. Lies of Hate8. Draggin' the Lake9. New York Blackout10. The Game11. Cradle Chain12. Losin' It *日本盤ボーナス・トラック1998年リリース。 【中古】 キャンディー・フロム・ア・ストレンジャー/ソウル・アサイラム 【中古】afb 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2023年08月31日
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セールスは奮わずとも後に残る好盤 ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)は、1960年代、ルー・リードがウェールズ出身でニューヨークに来ていたジョン・ケイルと意気投合して形成されたバンド。1967年にレコードデビューを果たし、概ね毎年1枚程度のペースで5枚のスタジオ・アルバムを残した。 デビュー作の『ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』(1967年)からして、セールスに結びついたとは言い難かったものの、前衛色を深めた『ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート』(1968年)、その次の本作『ヴェルヴェット・アンダーグラウンドIII(The Velvet Underground)』(1969年)と売り上げは振るわず、本盤に至ってはチャートインすらしなかった(ただし、1985年のリイシュー時には全米197位になった)。 本盤『ヴェルヴェット・アンダーグラウンドⅢ』は、原題はセルフタイトル作になっているが、日本語タイトルが示すように、バンドの3枚目のアルバムに当たる。2作目の制作中にルー・リードとジョン・ケイルの関係が悪化し、結果的にケイルはバンドを去ることになった。したがって、この第3作は、新たに加わったメンバー(ダグ・ユール)を新メンバーに迎えての新ラインアップでの作品となった。 前作で高まった前衛的な雰囲気はやや抑え気味となり、叙情的な部分も増えたというのが本盤の印象である。いずれにしても、盤全体のトーンは“アンダーグラウンド”の名そのものといったところ。個人的な好みでは、叙情的な雰囲気をもち、ダグ・ユールがヴォーカルを担当する1.「キャンディ・セッズ」、VUらしさが漂う2.「ホワット・ゴーズ・オン」、演奏の完成度の高さが光る7.「アイム・セット・フリー」、モーリン・タッカーがヴォーカルを担当し、アコギ(リード)とベース(ユール)の演奏だけというシンプルで素朴な10.「アフター・アワーズ」なんかがいい。 なお、このアルバムには2種類のミックスが存在し、一般に知られているのがヴァル・ヴァレンティンによるもの。その一方、リードは後年になって「会社に勝手にミックスされた」と言っており、この公式ヴァージョンとは別に、リード自身がミックスを手掛けたヴァージョンがある(こちらはボックスセットに収録されているが、筆者は未聴)。[収録曲]1. キャンディ・セッズ2. ホワット・ゴーズ・オン3. サム・カインダ・ラブ4. ペイル・ブルー・アイズ5. ジーザス6. ビギニング・トゥ・シー・ザ・ライト7. アイム・セット・フリー8. ザッツ・ザ・ストーリー・オブ・マイ・ライフ9. 殺人ミステリー10. アフター・アワーズ1969年リリース。 ヴェルヴェット・アンダーグラウンド3 [ ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド ] 次のランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いします! ↓ ↓
2023年08月28日
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ブギー・ロックというスタイルの確立 1971年に結成され、『フォガット』(1972年)、『ロックン・ロール』(1973年)、『電撃のフォガット』(1974年)とアルバム・リリースを重ねていったフォガット(Foghat)の第4作が、この『ロックンロール・アウトロー(Rock and Roll Outlaws)』である(原題通りだと『ロックンロール・アウトローズ』のはずだが、邦盤では『ロックンロール・アウトロー』とされていた)。『電撃の~』は1974年初頭であったが、本盤は同年の秋にリリースされた。 バンドの結成・デビューからの数年間は、フォガットにとって音楽的方向性が定まっていくという期間だった。ブルース・ロック(結成時のメンバー4人のうち3人はイギリスのブルース・ロック・バンド、サヴォイ・ブラウンの元メンバーだった)からスタートし、他と同じではないサウンドを確立していく。そんな意味で、本作『ロックンロール・アウトロー』は、フォガットにとって重要なステップアップの盤だったと言えるのかもしれない。本盤では、前作に見られたハード・ブギーへの志向がより鮮明化し、彼ら独自のブギー・ロックというスタイルの確立に真っ向邁進している様子が明確に見てとられるという風に感じる。 冒頭の1.「エイト・デイズ・オン・ザ・ロード」からして、“これが自分たちの音楽だ”と言わんばかりのノリを披露する。アルバムを聴き進んでも、中途半端に甘いバラードを挟むようなまねはしない。せいぜい4.「トラブル・イン・マイ・ウェイ」のようなテンポを少し抑えつつもブルース的なスライド・ギターが大きくフィーチャーする演奏が登場するに過ぎない。 前半(LPのA面)1曲目の「エイト・デイズ~」と並んで、本盤でフォガット節が全開のナンバーとしては、後半最初(B面1曲目)の5.「ロック・アンド・ロール・アウトロー」がいい。とりわけこのアルバムの後半は、ブギー・ロックで押しまくるといった部分が最大のよさだと思うのだけれど、あえて1曲挙げるとすると、8.「シャトー・ラフィッテ・’59・ブギー」は必聴。この勢いに乗った疾走感はなんとも心地いい。[収録曲]1. Eight Days on the Road2. Hate to See You Go3. Dreamer4. Trouble in My Way5. Rock and Roll Outlaw6. Shirley Jean7. Blue Spruce Woman8. Chateau Lafitte '59 Boogie1974年リリース。 Foghat フォガット / Rock And Roll Outlaws 輸入盤 【CD】 【中古】 ロックン・ロール・アウトローズ(K2HD/紙ジャケット仕様)/フォガット 【中古】afb 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2023年08月25日
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半世紀以上前の音楽的胎動 “1966年×ブルース・ロック”と訊かれて、“ジョン・メイオールとエリック・クラプトン”と答えられるのは、よほどのブルース・ロック好きの人かもしれない。さらに前後を見れば、前年にはポール・バターフィールド率いる名盤『イースト・ウエスト』、翌年にはサヴォイ・ブラウンのデビュー盤など、ブルース・ロック史的には大きな胎動の時期だった。 そんな1966年の盤として、ぜひこれも忘れてはならぬと思うのが、ザ・ブルース・プロジェクト(The Blues Project)の『プロジェクションズ(Projections)』というアルバムである。このバンドは、1964年にエレクトラ・レーベルが企画したその名も“ザ・ブルース・プロジェクト”に端を発し、そこにあのアル・クーパーも合流していく。 実はこの盤は厳密な意味では、ザ・ブルース・プロジェクトのファースト作ではない。1965年末に録音され、66年になってから発売されたライヴ盤がデビュー作であった。その時点でメンバーだったトミー・フランダース(ヴォーカル)は脱退し、仕切り直しでアル・クーパー(Al Kooper)とダニー・カルブ(Danny Kalb)をヴォーカルとしてアルバム制作を行う。その結果が、最初のスタジオ録音作となる本盤だったというわけである(結局、アル・クーパーもその2年後には抜けていってしまうわけだけれど)。 全体的な印象としては、ムーディーなブルースを志向している曲が多めで、演奏面で決して“派手でない”。とはいえ、結果的にはそれがいいと言えるように思う。もう少し踏み込んで言えば、上記のメイオール盤やバターフィールド盤と比べて、それほどまでの“勢い”がない。ギター(ダニー・カルブに加え、スティーヴ・カッツ(Steve Katz)がギターとハーモニカを担当)が出しゃばり過ぎないないというのも、それを表していると言えるのかもしれない。“派手さがない”というのは、別に悪い意味で言っているわけではなくて、実のところは、意図的なものだったのではないかと感じている。つまりは、ノリで聴かせる部分を敢えて抑え、腰を据えて聴くタイプの、より“玄人”なリスナーを意図していたのではないだろうかと思ってみたりもする。 ぜひ注目してほしいナンバーとしては、まずは、1.「泣かずにいられない」。派手にならず地味な曲調でじっくり聴かせる点と、ハモンドオルガンのカッコよさが個人的には強く印象に残る。あとは、4.「二つの列車」に見られるような、まったりとした雰囲気が個人的には好みである。この“まったり感”というべきものは、表題通り大幅にフルートをフィーチャーした7.「フルート・シング」なんかでも面白い形で展開される。さらに、上記1.と並ぶスリリングさという点では、8.「やさしく抱いて」、同じく上述の“まったり感”という観点では、9.「フライ・アウェイ」もお勧めと言えるように思う。 [収録曲]1. I Can't Keep from Crying2. Steve's Song3. You Can't Catch Me4. Two Trains Running5. Wake Me, Shake Me6. Cheryl's Going Home7. Flute Thing8. Caress Me Baby9. Fly Away1966年リリース。 プロジェクション(モノ・ミックス) [ ザ・ブルース・プロジェクト ] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年08月22日
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個性の強さと時代の先取り リッキー・リー・ジョーンズ(Rickie Lee Jones)は、シカゴ生まれのシンガーソングライター。家出の末、19歳からロサンゼルスに暮らし、トム・ウェイツと同棲していたこともある(表の面ではないが、『ブルー・ヴァレンタイン』のジャケットの写真に登場する女性が彼女だとのことである)。いくつかの曲がレコード会社の関心をひき、ローウェル・ジョージが彼女の曲をソロ・アルバムで取り上げたこともあって、1979年のこのセルフ・タイトルのデビュー盤(日本版タイトルは『浪漫』となっているが、原題は彼女の名前そのまま)が生まれた。 本作は全米でアルバム・チャート3位を記録し、大きなヒットとなった。シングルの1.「恋するチャック(チャック・Eズ・イン・ラヴ)」も全米4位のヒットとなった。今風に言えば、ジャジーでブルージーな洗練された女性ヴォーカルがリスナーの心をつかんだということになるのだろう。けれども、その当時の音楽業界の中では、こうした音楽的な方向性そのものが斬新で、センセーショナルだったといえる。ドクター・ジョン、ジェフ・ポーカロ、マイケル・マクドナルド、スティーヴ・ガッドなどサポートのミュージシャンもなかなかの顔ぶれが並んでいる。 注目の曲をいくつか見ておきたい。シングル・ヒットした1.「恋するチャック(Chuck E.'s in Love)」は、トム・ウェイツとの共通の友人である実在の人物(チャック・E・ワイス)の実話にインスピレーションを受けて作られたナンバー。表題の“チャック・Eは恋してる”というのは、行方が知れなくなった彼からの電話を受けたトム・ウェイツの言葉だという。5.「イージー・マネー」は、上記の通り、ローウェル・ジョージが取り上げ、本デビュー盤の大きなきっかけとなったナンバー。あと、上記5.に加え、2.「1963年土曜日の午後」、3.「ナイト・トレイン」は特に外すことのできない好曲だと思う。[収録曲]1. Chuck E.'s in Love2. On Saturday Afternoons in 19633. Night Train4. Young Blood5. Easy Money6. The Last Chance Texaco7. Danny's All-Star Joint8. Coolsville9. Weasel and the White Boys Cool10. Company11. After Hours1979年リリース。 浪漫 [ リッキー・リー・ジョーンズ ] 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2023年08月19日
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全米で人気を獲得した飛躍の盤 ボブ・シーガー(Bob Seger)は、1945年デトロイト生まれのロック・ミュージシャン。ボブ・シーガー・システム、ソロ、さらにはバックバンドのシルヴァー・バレット・バンドとの活動を展開するが、長らく地元で人気のアーティストというポジションだった。 そんな彼が全米レベルでのステータスを築くことになったきっかけが、本盤『炎の叫び(Night Moves)』だった。アルバムはチャートで8位まで上昇し、彼にとって初のトップ10入りとなった。シングルも全米4位となった表題曲(2.「ナイト・ムーヴス」)を皮切りに複数がヒットした。トップ・アーティストとしてのボブ・シーガーの快進撃はこの盤から始まったと言える。 実際、本盤には好曲が並ぶ。冒頭の1.「ロックン・ロール(ロック・アンド・ロール・ネヴァー・フォーゲッツ)」は、ノリのいい、いかにもボブ・シーガーらしい王道のロック・ナンバー。シングルとしてもカットされた(最高位は全米41位)。2.「ナイト・ムーヴス」は、上記の通りシングルとしてヒットした。後の「アゲンスト・ザ・ウインド」や「ライク・ア・ロック」につながるあの雰囲気を、この曲は内包している。さらに、彼の代表曲の一つになった6.「メインストリート」も本盤に収められている。この曲もシングル化され、全米24位となった。シングルとなったこれら3曲が注目の曲ということになるのだろうけれど、そのほかにも注目したい曲を少し挙げておきたい。3.「ファイア・ダウン・ビロー」は、妙に筆者のツボにはまるいかにもアメリカン・ロック調のナンバー。ミディアム・テンポの4.「光の中へ(サンバースト)」と8.「シップ・オブ・フールズ」は、少し余裕を持たせたり、肩の力の抜けた落ち着いた雰囲気を出したりしているところがいい。一方で、アルバムを締めくくる9.「メリー・ルー」は、ボブ・シーガー独特のハイテンションのヴォーカルが聴きどころとなっている。[収録曲]1. Rock and Roll Never Forgets2. Night Moves3. The Fire Down Below4. Sunburst5. Sunspot Baby6. Mainstreet7. Come to Poppa8. Ship of Fools9. Mary Lou1976年リリース。 【輸入盤CD】Bob Seger & The Silver Bullet Band / Night Moves (ボブ・シーガー&シルヴァー・バレット・バンド) ↓こちらはベスト盤↓ 【輸入盤CD】Bob Seger & The Silver Bullet Band / Greatest Hits(ボブ・シーガー) 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年08月16日
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ソフトながら、ボブ・マーリーらしさに溢れた盤 ウェイラーズ時代も含めて、ボブ・マーリー(Bob Marley)にとって10枚目のアルバムとなったのが、1978年リリースの『カヤ(Kaya)』である。メジャーのアイランドからのリリースとしては、6枚目のアルバムであった。ジャマイカへの凱旋帰国(「ワン・ラブ・ピース・コンサート」への参加)のタイミングで発表され、世界各国で人気を獲得した。特に英チャートでは、ボブ・マーリーのアルバムとしては最高位の4位の記録を残した。 内容的には、前作である『エクソダス』と同時期に録音された楽曲から構成されている。音楽的にも、歌詞の面でも、“ソフト”、“リラックス”、“レイド・バック”といった形容がなされるが、それは決して悪い意味ではないように筆者には思われる。社会性が強く、その意味では“過激な”彼らの音楽も魅力的な一方、こうした柔らかめの傾向の作品もまた、彼らを代表するものと言っていいような気がしている。 収録曲の中で特に有名なのは、3.「イズ・ディス・ラヴ」。この曲はシングルとしてイギリスなどでヒットした(イギリス・チャートでの最高位は9位)。他に注目したい曲としては、表題曲の2.「カヤ」。このナンバーは、メジャー以前作の『ソウル・レヴォリューション』に収められていた曲の採録。個人的好みからこれら以外にあといくつか挙げるとすると、4.「サン・イズ・シャイニング」、6.「シーズ・ゴーン」、9.「ラニング・アウェイ」なんかがいい。全編にわたって、ゆったり、まったりめにボブ・マーリー節が広がっている。そんな部分が魅力のアルバム作品だと言える。[収録曲]1. Easy Skanking2. Kaya3. Is This Love4. Sun Is Shining5. Satisfy My Soul6. She's Gone7. Misty Morning8. Crisis9. Running Away10. Time Will Tell1978年リリース。 【輸入盤CD】Bob Marley & The Wailers / Kaya (Bonus Track) (リマスター盤) (ボブ・マーリー) カヤ<35周年記念 デラックス・エディション> [ ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ ] 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年08月13日
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ソロとしてゲストとの共演、エレキ・ギターへの回帰 ジョン・マクラフリン(John McLaughlin)は、1942年イギリス出身のギタリスト。1971年から自身のバンド、マハヴィシュヌ・オーケストラで活動し、解散後にはシャクティというバンドを数年間続けた。そして、シャクティ解散後に発表されたソロ作が、1978年の『エレクトリック・ギタリスト(Electric Guitarist)』だった。 本盤は、マクラフリンにとって、二重の意味での“回帰作”となった。一つは、シャクティ時代のアコースティック・ギターから、エレクトリック・ギターへの回帰。表題はこの点がそのままアルバム・タイトルになっている。そして、もう一つは、西洋音楽への回帰である。これをフュージョン音楽として結実させるために彼がとった方法は、多彩なゲスト・ミュージシャンたちとの共演だった。 本盤参加の演奏者には、マハヴィシュヌ・オーケストラのメンバーだったジェリー・グッドマン(1.,ヴァイオリン)、共演作もある盟友カルロス・サンタナ(2.,ギター)、ナラダ・マイケル・ウォルデン(2.,ドラムス)、デイヴィッド・サンボーン(3.,アルト・サックス)、チック・コリア(4.,ピアノ)、ジャック・ディジョネット(4.,ドラムス)、ジャック・ブルース(5.,ベース)、トニー・ウィリアムス(5.,ドラムス)らが含まれる。まさにマクラフリンの旧知のミュージシャンを一気に並べたような面々である。 いくつか注目したい曲をピックアップしておきたい。1.「ニューヨーク・オン・マイ・マインド」は、マハヴィシュヌ時代を思わせる演奏。2.「フレンドシップ」は、その表題が示すように、C・サンタナとの共演で、かつての共演作『魂の兄弟たち』を想起させる。4.「ドゥ・ユー・ヒア・ザ・ヴォイス・ザット・ユー・レフト」は、チック・コリア(さらには同じくRTFのスタンリー・クラーク)、ジャック・ディジョネットとのカルテット演奏の精度の高さに加え、敬愛するジョン・コルトレーンの「ジャイアント・ステップス」をベースにしたコード進行で演奏されている。さらに、7.「マイ・フーリッシュ・ハート」は、マクラフリンにとっては珍しいスタンダード曲のアルバム収録。しかも、エレキ・ギターによるソロ演奏となっている。[収録曲]1. New York on My Mind2. Friendship3. Every Tear from Every Eye4. Do You Hear the Voices That You Left Behind?5. Are You the One? Are You the One?6. Phenomenon: Compulsion7. My Foolish Heart1978年1 ~2月録音。 John Mclaughlin ジョンマクラフリン / Electric Guitarist 【CD】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年08月10日
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時代を超越した金字塔 デヴィッド・ボウイ(David Bowie,デビッド・ボウイーと表記されることも)は、イギリス出身のミュージシャン・俳優で、1996年にロックの殿堂入りをしている。1947年生まれで、2016年に闘病の末に69歳で癌で帰らぬ人となった。 デヴィッド・ボウイの代表作とされるのが、1972年にリリースされた5枚目のアルバム、『ジギー・スターダスト(The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars)』である。発売当時は、この長い原題の直訳で『屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群』と題されていた。表題のジギー・スターダストは、一種のコンセプト・アルバムとなっているこの作品の主人公の名で、ボウイ自身もこのジギーとしてパフォーマンスをしていた。 少し大袈裟に言うと、ボウイは予言者だったのかもしれない。資源枯渇の危機の地球にやってくる異星人の救世主、それもバイセクシュアルのスターという設定は、発表から半世紀を超えたとは思えないほどアクチュアルなテーマである。音楽的にも楽曲・演奏の完成度が高すぎて、批評するのも恐れ多い。かつては“グラム・ロック”とラベル付けされていた(その意味では、ある種“ゲテモノ”扱いされる部分もあった)ボウイだけれど、現代から見れば、メインストリームのロック史の中での名盤というふうに見なした方がしっくりくるのかもしれないと思う。 個人的におすすめのナンバーをいくつかだけでも挙げておきたい。1.「5年間」は、地球滅亡の危機まであと5年という、本盤のストーリーの前提となる事態を歌ったもので、切迫感が伝わってくる演奏とヴォーカルが印象的。4.「スターマン」は、言わずと知れたボウイの代表曲の一つ。このナンバーと並んで、曲の美しさが際立ったナンバーとして、6.「レディ・スターダスト」も外せない。アルバムを締めくくる11.「ロックン・ロールの自殺者」は、ジギーとしてのライヴ・パフォーマンスのクロージング・ナンバーとしても用いられた曲で、1974年になってからシングルとしてもリリースされた。[収録曲]1. Five Years2. Soul Love3. Moonage Daydream4. Starman5. It Ain't Easy6. Lady Stardust7. Star8. Hang Onto Yourself9. Ziggy Stardust10. Suffragette City11. Rock'N'Roll Suicide1972年リリース。 ジギー・スターダスト<2012リマスター> [ デヴィッド・ボウイ ] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年08月06日
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2023年07月30日
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気まぐれ80s~Chapter 13(その10) 気がつけば10回目です。最後は、この時代のスーパースター、マイケル・ジャクソンのナンバーで締めくくりたいと思います。1980年代前半には、『スリラー』(「今夜はビート・イット」などを含む)をヒットさせていますが、今回は1980年代後半のヒット作『BAD』に収録された表題曲「BAD」です。 この曲のビデオには短いヴァージョンと長いヴァージョンが存在します。前者は歌の部分のみですが、後者はこの曲のテーマに関する映像が前半部分を占めていて、強盗と間違えられて射殺された青年の実話が題材となっています。監督は、あのマーティン・スコセッシだったりします。まずはこれら二つをご覧ください(一つめが短いもの、二つめが長いヴァージョンです)。 続いては、当時のライヴでのマイケルの雄姿をご覧ください。1987年、横浜でのライヴのワンシーンです。 この曲は、プリンスとのデュエットという企画があったそうですが、プリンス曰く、デュエットにしなくても売れるとのことで、マイケル単独の作品になったと言われています。2009年、50歳で不審な死を遂げたマイケルですが、デュエット候補だったプリンスも2016年に57歳で亡くなってしまいました。残念なことに2人のデュエットどころか、個々の姿ももはや見ることはできないわけですが、天国で頻繁に共演していることを願いたいものです。[収録アルバム]Michael Jackson / Bad(1987年) BAD [ マイケル・ジャクソン ] 【輸入盤CD】Michael Jackson / Bad: 25th Anniversary Edition (w/DVD)(Deluxe Edition) (Box) (マイケル・ジャクソン) 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年07月28日
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気まぐれ80s~Chapter 13(その9) 今回は、ペット・ショップ・ボーイズ(Pet Shop Boys)による1987年のヒット曲です。彼らは1984年にデビューし、すぐさま「ウエスト・エンド・ガールズ」をヒットさせました。1987年のセカンド・アルバムの先行シングルがこの「哀しみの天使(It’s A Sin)」で、イギリスで1位のヒットとなりました。 ペット・ショップ・ボーイズは、イギリス史上で最も成功したデュオとされるニール・テナントとクリス・ロウの二人から成ります。彼らの抜きんでたところは、ただダンサブルな音楽というのではなく、歴史的に積み上げられてきたポップスやロックの要素をきちんと踏まえて独自の曲に表現している点にあるように感じます。 以下、ライヴの映像を二つ続けてご覧いただきたいと思います。一つめは、その当時の1987年のライヴ、そして、二つめは、2010年のライヴ映像です。 [収録アルバム]Pet Shop Boys / Actually (哀しみの天使)(1987年) Pet Shop Boys ペットショップボーイズ / Actually (180グラム重量盤レコード) 【LP】 【中古】 哀しみの天使 /ペット・ショップ・ボーイズ 【中古】afb ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年07月26日
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気まぐれ80s~Chapter 13(その8) さて、今回は、1980年代初頭にさかのぼり、1982年にヒットを記録したローラ・ブラニガン(Laura Branigan)の「グロリア(Gloria)」です。広い音域のパワフルなヴォーカルは、後世にさらに生かされていきますが、デビュー当時のこの曲でも十分に発揮されていました。この「グロリア」は彼女にとって最大のヒット曲です。全米(ビルボード)での最高位が2位(ホット100には36週連続チャートイン)、オーストラリアやカナダのチャートでは1位を記録したヒット作となりました。 残念なことに、彼女は2004年に脳動脈瘤が原因で52歳で亡くなっています。身体の不調を感知していたにもかかわらず、ご主人の死に関して医療への不信感を持っていたために受診することを拒んでいたとのことです。亡くなる以前も夫の看病や没後、骨折による活動休止があり、成熟した彼女の歌唱をもっとたくさん聴きたかったという気がしてなりません。 ともあれ、かつての姿をもう少しということで、往時のステージでの歌唱をお聴きください。 ついでながら、ご存じの方も多いかもしれませんが、この「グロリア」はイタリア人シンガーのナンバーのカバーでした。折角の機会ですので、1979年にウンベルト・トッツィがヒットさせたイタリア語での「グロリア」もお聴きください。 [収録アルバム]Laura Branigan / Branigan(1982年)Umberto Tozzi / Gloria(1979年) ↓ベスト盤です↓ 【中古】ベスト・オブ・ローラ・ブラニガン [CD] ↓LPです↓ LP/レコード 0107■LAURA BRANIGAN/BRANIGAN/SD19289 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年07月25日
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気まぐれ80s~Chapter 13(その7) デフ・レパード(Def Leppard)は1980年にデビューし、1980年代を通して活躍したイギリスのハード・ロック・バンド。1983年の『炎のターゲット』も人気を博しましたが、1987年の『ヒステリア』も大きな成功作となりました。今回は、後者の作品からのシングルとして、バンド初の全米1位となった「ラヴ・バイツ(Love Bites)」を取り上げたいと思います。 ハード・ロックやヘヴィ・メタルのバンドによくあるパワー・バラード曲と言えばそうなのかもしれません。時代がそういうものを求めており、バンドとしてもそうした曲をヒットさせることのできる環境があったのは確かです。にしても、この曲はなかなかよくできていたと、いまあらためて聴いても思わされます。 続いて、ライヴ演奏の映像もご覧ください。比較的最近のものをと思い、2020年の演奏ということのようです。ヒットした当時から30年以上が経過しているわけですが、ステージに立つメンバーの若々しさが目につきます。ヴォーカルのジョー・エリオットもきっと還暦ぐらいなのでしょうが、相変わらずなのが印象的です。 [収録アルバム]Def Leppard / Hysteria(1987年) ヒステリア [ デフ・レパード ] ヒステリア(30周年記念1CDスタンダード・エディション) [ デフ・レパード ] ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年07月23日
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気まぐれ80s~Chapter 13(その6) 再びロック・ナンバーです。1985年、デュラン・デュランのアンディ・テイラーがロバート・プラントと組んだバンド、パワー・ステーション(The Power Station)のファースト盤がリリースされました。話題の盤だったこともあり、当時、筆者も早速聴きましたが、それこそダビングしたテープが擦り切れそうなくらい聴いた記憶があります。 同盤の中でのお気に入りは、シングルとしてもヒットした2曲でした。一つは以前に紹介した「ゲット・イット・オン」(T. REXのカバー)、そして、もう一つが今回の「サム・ライク・イット・ホット(Some Like It Hot)」でした。 同時代を知る人にとっては、なんとも懐かしのビデオなのですが、現代の感覚では、少し古めかしく感じられるかもしれません。とはいえ、ジャケット・デザインの絵が動くというのは、なかなか斬新なアイデアだったと思います。 さて、ライヴでロバート・パーマーがこの渋い歌唱を披露している様子も少しご覧いただこうと思います。一つめは1988年、二つめは1997年のステージ上での姿です。 惜しむらくは、ロバート・パーマーは、2003年、54歳の時に心臓発作で急死してしまったことです。円熟を重ねて60歳代になったこの人のヴォーカルを聴いてみたかったと思っている人はきっと多いのではないかと思っています。[収録アルバム]The Power Station / The Power Station(1985年) Power Station パワーステーション / Power Station 輸入盤 【CD】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年07月22日
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気まぐれ80s~Chapter 13(その5) 今回は、趣向を大きく変えて、夏のビーチでも連想しそうなナンバーと行きたいと思います。1989年、ワールド・ミュージックのブームの火付け的役割を果たしたカオマ(Kaoma)の「ランバダ(Lambada)」です。日本ではオリコン12位を記録したナンバーです。 このカオマは、フランスから出てきたバンドで、実際にはフランス人以外にブラジル人やセネガル人を含む混成グループでした。時代が違ったと言えばそれまでなのかもしれませんが、南米のフォルクローレ(「泣きながら」、Llorando se fueまたはChorando se foi)を盗作したものでした。和解金を支払って解決したとのことですが、デザインの盗用で有名ブランドやファスト・ファッションが訴えられる世界的ご時世からすると、隔世の感がします。 日本でのワールド・ミュージック熱の高まりにより、この曲は日本人にもカバーされました。石井明美が歌う「ランバダ」(1990年)もお聴きください。往時を知る人にとっては、なんとも懐かしい映像です。 最後に、上のような事情で曲をパクられてしまったボリビアのフォルクローレ・グループ、ロス・カルカスによる「泣きながら(Llorando se fue)」のステージでの演奏の様子もご覧ください。途中で日本語で歌っている場面が出てくるところにも注目です。 [収録アルバム]Kaoma / Worldbeat(1989年)石井明美/『熱帯夜』(1990年) 【中古】 ワールド・ビート〜ランバダ /カオマ 【中古】afb 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年07月21日
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気まぐれ80s~Chapter 13(その4) アメリカン・ロックのナンバーが続きます。トム・ペティに続いて、今回はブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)です。今回の曲も、ずっと昔に動画なし(楽天ブログでYou Tubeが貼り付けられなかった頃)の過去記事があるものですが、1980年代を代表する大ヒット作『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』の中に収められた「ノー・サレンダー(No Surrender)」という曲です。 まずは、懐かしいジャケット(映像は動きません)とともに、アルバムに収められた演奏をお聴きください。 この曲には、当時からライヴで披露されていた“アコースティック・ヴァージョン”があります。1984年、トロントでのライヴ演奏をお聴きください。 ところで、この“アコースティック・ヴァージョン”には、後々テンポを早めたものもあって、やはりライヴで披露されています。その一方、元の“ロック・ヴァージョン”に該当する演奏もライヴで披露し続けています。最後に、その両方をご覧ください。一つめは、何年のものか不明ですが、このアレンジのライヴ・パフォーマンスは1990年代辺りからやっているようです。二つめは、2013年、ロンドンでのライヴの映像です。 [収録アルバム]Bruce Springsteen / Born in the U.S.A.(1984年)Bruce Springsteen & the E Street Band / Live: 1975-85(1986年) ←アコースティック・ヴァージョンを収録 ボーン・イン・ザ・U.S.A/ブルース・スプリングスティーン[CD]【返品種別A】 ボーン・イン・ザ・U.S.A. [ ブルース・スプリングスティーン ] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年07月19日
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気まぐれ80s~Chapter 13(その3) さて、今回は1980年代末のお気に入りナンバーです。トム・ペティ(Tom Petty)は、1970年代後半にデビューし、1979年の『破壊』で広く人気を得ました。1980年代後半に入るとトラヴェリング・ウィルベリーズの活動もありましたが、上記の『破壊』からちょうど10年、初のソロ名義作品を発表します。その作品(『フル・ムーン・フィーヴァー』)に収められた「フリー・フォーリン(Free Fallin')」です。この曲は、シングルとして全米7位にもなりました。 続いて、ライヴでの演奏の姿もご覧ください。2008年のハートブレイカーズとの演奏です。 さらにもう一つ。トム・ペティは2017年に66歳で逝去しました。以下の2019年の映像は、彼へのトリビュートということになります。スティーヴィー・ニックスが歌う、フリートウッド・マックによる「フリー・フォーリン」です。スティーヴィー・ニックスは、1996年にTVドラマのサントラでこの曲を歌っていたという縁があり、この追悼演奏では、トム・ペティの回想を映し出すという演出になっています。 [収録アルバム]Tom Petty / Full Moon Fever(1989年)Party of Five [original TV Soundtrack](1996年) ←スティーヴィー・ニックスによる「フリー・フォーリン」を収録。 フル・ムーン・フィーヴァー [ トム・ペティ ] ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年07月17日
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気まぐれ80s~Chapter 13(その2) 暑い夏の気候が続いていますが、あえてがっつりロックな80年代ナンバーを取り上げてみたいと思います。ヴァン・ヘイレン(Van Halen)による「ホワイ・キャント・ディス・・ビー・ラヴ(Why Can't This Be Love)」です。デイヴ・リー・ロス脱退後、ヴォーカリストをサミー・ヘイガーとした1986年のアルバム『5150』に収録のナンバーで、先行シングルとして全米3位のヒットとなりました。 映像は動きませんが、まずは元のアルバムの演奏をお聴きください。 続いては、ライヴでの演奏です。1989年、日本公演でのライヴの一コマです。サミー・ヘイガーが実に生き生きしているのが印象的なビデオです。個人的な感想としては、ヴァン・ヘイレンでのヴォーカルは、彼の“高音の魅力”がうまく生かされていることが多かったという気がします。 そのサミー・ヘイガーも現在では75歳。さすがにこの高音は年齢とともに苦しくなるといったところでしょうか。ヴァン・ヘイレンというバンド自体は、2000年代以降、メンバーの異動もあり、2020年にはバンドの要であったエディ・ヴァン・ヘイレンが亡くなってしまいました。もうかつての雄姿を見ることは叶わないわけですが、このころの輝いていたステージでの姿は本当に素敵だったと振り返ってみたりしています。[収録アルバム]Van Halen / 5150(1986年) Forever YOUNG::5150 [ ヴァン・ヘイレン ] 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年07月15日
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気まぐれ80s~Chapter 13(その1) 1年数か月ぶりになるかと思いますが、久しぶりに80年代曲選です。第13弾ということで、これまでと同様に、全10回を予定しています。 まず最初は、動画なしの過去記事で一度取り上げているTOTOの「アフリカ(Africa)」です。1983年のヒット曲で、前年発表のアルバム『聖なる剣』に収録されています。以下は、ビデオクリップの映像です。 ライヴでの演奏もご覧いただこうと思います。周知のように、TOTOのメンバーは死去や脱退によって入れ替わっていきました。ファンの中にはあの時のメンバーがいい、ヴォーカルはこの人でなくては、などの意見もあるでしょうが、少し落ち着いて考えてみると、メンバーが入れ替わってもTOTOらしい演奏を展開し続けているということ自体もすごいのではないか。そんなふうに思ってみたりもします。 以下、一つめは2003年、もう一つの方は2018年のライヴの様子です。 [収録アルバム]TOTO / TOTO IV(聖なる剣)(1982年) TOTO 4~聖なる剣 [ TOTO ] ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年07月14日
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こなれてきたとはいえ、今から見ればまだまだ若さいっぱいの好盤 ラウラ・パウジーニ(Laura Pausini)は、1974年、北イタリア出身の女性シンガー。1993年にイタリア語で歌った作品でメジャー・デビューしたが、翌年にスペイン語でアルバム(参考過去記事)を発表すると、一気に国際的アーティストとして受け入れられるようになった。 その後、イタリア語版とスペイン語版双方がリリースされた『ローラの休日(Le cose che vivi/Las cosas que vives)』を挟み、1998年に同じくイタリア語版とスぺイン語版の両方でリリースされたのが、本盤『私のこたえ(La mia risposta/Mi respuesta)』だった。ここではスペイン語版の方を取り上げたい。 リリース当時にこのアルバムを聴いたとき、個人的な感想としては、“ラウラも貫禄がついてこなれてきたのかな”と思った。でも、四半世紀ばかりたった今になってこのアルバムを聴くと、やはり若々しい。年齢にすれば、当時24歳。とはいえ、外国語であるスペイン語でのアルバムは既に3作目。そんなわけで、いくぶん余裕の出始めた、しかしまだ若々しさも残る歌唱というのが、この盤の印象と言える。 筆者の好みの曲をいくつかおすすめとして挙げておきたい。表題曲の1.「ミ・レスプエスタ(私のこたえ)」は、“私のこたえは、あなた一筋”といった内容の女性の心を歌ったナンバー。3.「アナ・ディメ・シー(愛しいアナへ)」は、本番収録曲中で個人的にはいちばんのおすすめで、スロウテンポでじっくり聞かせるタイプの曲。ついでバラード的な歌唱として気に入っているのは、8.「エン・アウセンシア・デ・ティ(寂しい日々)」と11.「素直な気持ち」の2曲。ついでながら、ボーナストラックの13.「ルッキング・フォー・アン・エンジェル」は、表題のとおり英語での歌唱となっている。[収録曲]1. Mi respuesta2. Quédate esta noche3. Emergencia de amor4. Ana dime sí5. Una historia seria6. Como una danza7. Me siento tan bien8. En ausencia de ti9. Sucede a veces10. ¿Tú con qué sueñas?11. Una gran verdad12. Felicidad13. Looking for an Angel1998年リリース。 ↓イタリア語版↓ 輸入盤 LAURA PAUSINI / LA MIA RISPOSTA [CD] 【中古】 La Mia Risposta ラウラ・パウジーニ / LAURA PAUSINI / EASTW [CD]【メール便送料無料】【あす楽対応】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年07月09日
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戦争と音楽 いきなり個人的な意見で恐縮だが、他の映画などのメディアと同様に、音楽はプロパガンダの手先になりかねない危険性がある。たとえば、アメリカでは大統領選などで盛り上がるたびに、政党や候補者の集会にミュージシャンが登場して大盛り上がりしている場面が映像で流れてくるが、ああいうのを見ると背筋が寒くなることすらある。 その意味で、筆者はロックが政治を語ることにはあまり賛同しないのだけれど、だからといってそうした作品を聴かないというわけではない。ニール・ヤングが2006年に発表した『リヴィング・ウィズ・ウォー(Living With War)』は、思い出したように最近聴くことが増えた盤の一つであったりする。 この盤はイラク戦争(2003~2011年)の最中に制作され、リリースされた。直接的には、戦争を続ける当時のブッシュ政権への批判であり、短期間のうちに作られたアルバムである(ニール・ヤング自身の語っているところでは、声を上げる若い人が出てこないので、自分自身がこういった作品を制作したとのこと)。昨今、ロシアによるウクライナ侵攻の、いつになっても止まない戦争のニュースを見る中で、本盤を思い出し、文脈はまったく違うものの、ニール・ヤングが現在進行形の戦争を音楽にしていたことを振り返りながら聴いていたりする。 特に印象に残るナンバーをいくつか見ておきたい。表題曲の2.「リヴィング・ウィズ・ウォー」は、“戦争とともに生きる”といった意味で、戦争よりも平和を、といったシンプルな詞の内容。実質的に戦争を仕掛けた当事者の国側でこういうメッセージが出され得たというのは、ロシアの状況を見るにつけ、複雑な気持ちにさせられる。4.「ショック・アンド・オウ」は、テンポのあるロックナンバーながら、悲壮感を漂わせるような曲調が印象的。7.「レッツ・インピーチ・ザ・プレジデント」は、“大統領を弾劾しよう”という、刺激的かつ扇動的なタイトルのナンバー。締めくくりが10.「美しきアメリカ」というのも注目ポイント。短期間での制作のため、作り込まれた作品という感じはしないものの、楽曲のよさはさすがニール・ヤングといった曲が並ぶし、100人の聖歌隊というのも、なかなか印象的と言えるように思う。[収録曲]1. After the Garden2. Living with War3. The Restless Consumer4. Shock and Awe5. Families6. Flags of Freedom7. Let's Impeach the President8. Lookin' for a Leader9. Roger and Out10. America the Beautiful2006年リリース。 【輸入盤CD】Neil Young / Living With War (ニール・ヤング) 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2023年07月04日
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しばらく間が空いてしまいましたが、INDEXページ(ジャンル別、アーティストのアルファベット順)を更新しました。INDEXページへは、下のリンク、もしくは本ブログのトップページ(フリーページ欄)からお入りください。 アーティスト別INDEX~ジャズ編(A-G)へ → つづき(H-M)・つづき(N-Z) アーティスト別INDEX~ロック・ポップス編(A-B)へ → つづき(C-D)・つづき(E-I)・つづき(J-K)・つづき(L-N)・つづき(O-S)・つづき(T-Z) アーティスト別INDEX~ラテン系ロック・ポップス編(A-I)へ → つづき(J-N)・つづき(O-Z) アーティスト別INDEX~邦ロック・ポップス編へ 下記ランキングに参加しています。応援くださる方は、各バナー(1つでもあり がたいです)をクリックお願いします! ↓ ↓
2023年06月29日
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サビーナ曲選(その5) スペインのシンガーソングライター、ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)の楽曲を5回に分けて取り上げてきました。今回はひとまず区切りの5回目です。 今回の曲は、「アオラ・ケ…(Ahora que…)」です。1999年の『19ディアス・500ノチェス』に収録されたナンバーです。この曲の表題は、スペイン語で“~なんだから”といったような意味合いで、同じ出だしの語句をもとにして様々なフレーズを紡いでいくというのは、ある意味、詩人サビーナとしての真骨頂と言えるのかもしれません。 さて、最後は2015年のライヴ映像です。アルゼンチンのブエノスアイレスのルナ・パークでのライヴ演奏で、アルバムとしてもリリースされた音源をお聴きください。 ホアキン・サビーナの名曲選、ひとまずはこれで一区切りとします。[収録アルバム]Joaquín Sabina / 19 días y 500 noches(1999年)Joaquín Sabina / 500 noches para una crisis(2015年) ホアキンサビーナ Joaquin Sabina - 19 Dias y 500 Noches CD アルバム 【輸入盤】 【輸入盤CD】Joaquin Sabina / 500 Noches Para Una Crisis (Bonus DVD) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年06月24日
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サビーナ曲選(その4) ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)は、スペインの首都マドリードについての感情を語ったナンバーを書いています。以前に取り上げた「ジョ・メ・バホ・エン・アトーチャ」はその一つです。今回は、それとは別の、「ポンガモス・ケ・アブロ・デ・マドリー(Pongamos que hablo de Madrid)」という曲を取り上げたいと思います。“マドリードの話をしてみようか”といった意味合いの表題です。 なんだか観光協会の映像みたいな雰囲気に仕上がっている映像ではあるのですが、まずは、実際のマドリード市内各地の場所や人の様子とともに、この曲をお聴きください。上下にスペイン語の詞とその英訳も表示されています。 サビーナはスペイン南部、アンダルシア州の出身です。首都であるマドリードに寄せる想いは、日本に置き換えると、東北などの地方から出てきた人が東京についての想いを歌ったり、詞に表現したりする(東京に限らず、九州から来た人が大阪について歌う、なんてパターンもあるかと思います)というのに似た感じなのかなと思ったりします。 続いての映像は、1986年のライヴ盤に収められた「ポンガモス・ケ・アブロ・デ・マドリー」の映像です。サビーナが30歳代後半だったころの姿です。 [収録アルバム]Joaquín Sabina / Malas compañías(1980年)Joaquín Sabina / Joaquín Sabina y Viceversa en directo(1986年) ホアキンサビーナ Joaquin Sabina - En Directo (Colored Vinyl) LP レコード 【輸入盤】 ホアキンサビーナ Joaquin Sabina - Malas Companias - Picture Disc LP レコード 【輸入盤】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年06月21日
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サビーナ曲選(その3) 今回のホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)のナンバーは、1996年リリースのアルバム『ジョ・ミ・メ・コンティーゴ』に収録された1曲です。 サビーナは詩人としても活動してきました。そういう意味で、この曲は彼の詩人らしさがよく表されている1曲ともいえるのかもしれません。 さて、続いての映像は、2007年のライヴのものです。この年、サビーナは同じくスペイン出身のシンガーソングライター、ジョアン・マヌエル・セラ―とのプロジェクトとして、二人の名義でのコンサート・ツアーを行いました。スペインだけでなく国外(メキシコ、ベネズエラ、チリ、アルゼンチンなど)もまわる大掛かりなもので、半年間で72公演をこなしたそうです。ライヴ作品化されたこのコンサートからの映像が次のものです。 [収録アルバム]Joaquín Sabina / Yo, mi, me, contigo(1996年)Joan Manuel Serrat y Joaquín Sabina / Dos pájaros de un tiro(2007年) 【輸入盤LPレコード】Joaquin Sabina / Yo Mi Me Contigo【LP2019/5/10発売】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年06月17日
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サビーナ曲選(その2) ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)の曲選の続きです。今回は、1999年に発表された「ア・ミス・クアレンタ・イ・ディエス(A mis cuarenta y diez)」という楽曲です。彼は、1949年の生まれですから、ちょうど50歳を迎える時に発表されたナンバーということになります。曲のタイトル(“40+10歳”)というのは、“永遠の40歳”であるサビーナが50歳を迎えたときの心情をつづったものということのようです。 まずは、1999年リリースの『19日と500夜』という盤に収録された演奏と歌唱をご覧ください。 続いては、同じくライヴでの演奏ですが、ずっと後の2015年のライヴ作に収録のものをご覧いただこうと思います。年齢で言うと、40+10どころか、40+20(60歳)をとっくに過ぎたタイミングでの映像ということになります。個人的には、この人は、21世紀に入って(つまりは40歳を超えて)、シンガーとしての円熟度をどんどんまして魅力が高まっていったというふうに感じています。 歳月が流れ、74歳になった今もサビーナは現役続行中です。まだまだ魅力ある歌をステージで聴かせてもらいたいものです。[収録アルバム]Joaquín Sabina / 19 días y 500 noches(1999年)Joaquín Sabina / 500 noches para una crisis(2015年) Joaquin, Sabina - 19 Dias y 500 Noches CD アルバム 【輸入盤】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年06月14日
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サビーナ曲選(その1) ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)は、1949年、スペイン南部のハエン県出身のアーティスト。シンガーソングライターとしてのみならず、詩人や画家としても活躍してきた人物です。彼の楽曲はこれまで何度か散発的に取り上げてきているのですが、今回は“サビーナ曲選”として数回にわたってまとめて取り上げたいと思います。 最初のナンバーは「アシー・エストイ・ジョ・シン・ティ(Así estoy yo sin ti)」です。1987年発表のアルバム『オテル・ドゥルセ・オテル』に収められたナンバーで、筆者のお気に入り曲の一つです。まずは、元のヴァージョン(ビデオクリップ)をご覧ください。 続いて映像をもう一つ。リリース当時の1987年のステージでの様子で、TV出演時の歌唱をご覧いただこうと思います。 本邦ではあまり馴染みのないアーティストですが、何回かにわたって、しばしお付き合いいただければと思っています。[収録アルバム]Joaquín Sabina / Hotel, dulce hotel(1987年) ホアキンサビーナ Sabina, Joaquin - Esencial Joaquin Sabina CD アルバム 【輸入盤】 Sabina, Joaquin - Puro Sabina CD アルバム 【輸入盤】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年06月12日
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有名な代表曲を含む出世作 ビリー・ジョエル(Billy Joel)は、1949年ニューヨーク生まれのシンガーソングライターでロック・アーティスト。バンドでの活動を経て1971年にデビュー盤(参考過去記事)を発表するものの、売れることなく不発に終わった。1973年に仕切り直して発表されたのが、2枚目となる本盤『ピアノ・マン(Piano Man)』だった。決して華々しい大ヒットというわけではないものの、アルバム、表題曲のシングルともに全米30位内のセールスを上げ、ビリー・ジョエルにとって出世作となった。 20歳代の若者の顔が“生首”のように浮かび上がるジャケットは、冷静な目で見れば少々怪しい感じだが、いかにもポップやロックというよりも、語り部的なシンガーソングライターのアルバムとしては、こういうものの方がしっくりくるという気もしなくはない。実際、アルバムの内容は、ソングライティングのよさ、ピアノを中心とした演奏のよさ、この二点が際立っているように感じる。 筆者の好みで注目の曲をいくつか挙げておきたい。1.「流れ者の祈り(トラヴェリング・プレイヤー)」は、派手さはないものの、これから繰り広げられるピアノ詩人の世界のイントロとしてはよくできたナンバー。2.「ピアノ・マン」は、言わずと知れた彼の代表曲。ハーモニカの前奏、詞の語り口、ヴォーカルの抑揚、どこをとっても申し分のない名曲である。5.「さすらいのビリー・ザ・キッド(ザ・バラッド・オブ・ビリー・ザ・キッド)」は、ストーリー性とそれに伴う演奏面での展開も非常に優れた1曲。後の大ヒット作『ストレンジャー』に発展していく原点は、こうしたところにあるのではないかと思ったりする。 アルバム後半(LP時代のB面)に目を向けると、7.「ネバダ・コネクション」も、9.「小雨降るパリ」も外せないのだけれど、とにかく圧倒的なのは、アルバムの締めくくりとなっている10.「キャプテン・ジャック」。上記の5.と並び、演奏の展開と精度、曲のストーリー性が際立っている。現在からみると、リリースから半世紀が経過した作品であり、21世紀の趣向とは明らかに違っているかもしれないが、それでも筆者には何度聴いてもしっくりくるし、実際、今でも通して聴く機会の多い作品だったりする。[収録曲]1. Travelin' Prayer2. Piano Man3. Ain't No Crime4. You're My Home5. The Ballad of Billy the Kid6. Worse Comes to Worst7. Stop in Nevada8. If I Only Had the Words (To Tell You)9. Somewhere Along the Line10. Captain Jack1973年リリース。 ピアノ・マン/ビリー・ジョエル[Blu-specCD2]【返品種別A】 【輸入盤CD】Billy Joel / Piano Man (ビリー・ジョエル) 輸入盤 BILLY JOEL / PIANO MAN : VERY BEST OF [CD] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年06月08日
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ソロ名義の名盤 1989年の『フル・ムーン・フィーヴァー』に続き、ソロ名義としては2枚目のアルバムとして1994年にリリースされたのが、トム・ペティ(Tom Petty)の本作『ワイルドフラワーズ(Wildflowers)』である。MCAからワーナーへ移籍後の最初の作品となった。いつものバンド(ハートブレイカーズ)ではなく、ソロ作として制作したのは、リック・ルービン(プロデューサー)とトム・ペティの2人で自由にやりたかったからとのこと。ただし、実際の演奏には、ハートブレイカーズの全メンバー(ドラムスについてはこれ以降に後任ドラマーとなったスティーヴ・フェローン)が参加している。 アルバム全体を通してトム・ペティ節が全開で、ファンの中にはこれを最高作とする意見もある。確かに、1970年代の『破壊』が若き勢いを持った彼の傑作だとするならば、この『ワイルドフラワーズ』の方は、キャリアを重ね、40歳を手前にしていい意味で円熟味を帯び始めた時期の傑作と言ってもいいかもしれない。 いくつか好みの曲を挙げておこうと思う。表題曲の1.「ワイルドフラワーズ」のしっとりと聴かせるこの加減は、上記のとおり、いい意味での余裕と円熟を感じさせる。テンポのよいトム・ペティらしさが前面に出たナンバーとしては、4.「ユー・レック・ミー」と12.「ハイヤー・プレイス」が個人的な好み。とはいえ、全編が早めのテンポや重厚な演奏のナンバーが並ぶと、きっと本盤は名作と呼ばれることになっていなかったんじゃないかと感じる。肩の力が抜けたゆったりな曲、メランコリックなナンバー、ヴォーカルをしっかりと聴かせるミディアムやスロー・テンポの曲…。こうしたヴァリエーションがあってのこのアルバムというふうに筆者は思う。そんなことを考えるにつけ、5.「イッツ・グッド・トゥ・ビー・キング」や14.「クローリング・バック・トゥ・ユー」なんかも聴きどころと言っていいような気がする。 十分にヴォリュームがあって聴きごたえのある15曲というのが本盤ではあるのだけれど、当初2枚組でのリリース(全25曲)という案もあったのだという。実際、多くのアウトテイク音源があり、1枚のアルバムに収めるためにカットされた10曲の音源は、2020年に蔵出しリリースされた。筆者は未聴だけれども、この際の豪華なエディションは、レコード9枚組、CDでは5枚組というヴォリュームで、上記10曲に加え、アウトテイクやライヴ音源などが収められているとのこと。[収録曲]1. Wildflowers2. You Don't Know How It Feels3. Time to Move On4. You Wreck Me5. It's Good to Be King6. Only a Broken Heart7. Honey Bee8. Don't Fade on Me9. Hard on Me10. Cabin Down Below11. To Find a Friend12. A Higher Place13. House in the Woods14. Crawling Back to You15. Wake Up Time1994年リリース。 輸入盤 TOM PETTY / WILDFLOWERS [CD] 【送料無料】WILDFLOWERS & ALL THE REST [3LP VINYL] 【輸入盤】【アナログ盤】▼/TOM PETTY[ETC]【返品種別A】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年06月01日
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“ロックンロールの女王”追悼 ティナ・ターナー(Tina Turner)が83歳で逝去とのニュースが報じられました。2023年5月24日、スイスの自宅で亡くなったとのことです。18歳での最初のレコーディングから65年、長いキャリアを持つ“ロックンロールの女王”について、振り返ってみたいと思います。 華々しいキャリアゆえ、どれがふさわしいのか迷うところですが、彼女の長いキャリアの映像をいくつか振り返ってみたいと思います。まずは、代名詞的なナンバーである「愛の魔力(What's Love Got to Do with It)」です。1984年に発表され、米・豪・加で1位のヒットを記録しました。映像は、1996年のライヴでの熱傷の様子です。 初期の活動では、1960年代から70年代にかけて、アイク&ティナ・ターナーというデュオ名義の活動がありました。夫アイクの家庭内暴力などの問題から、1978年に離婚が成立していますが、次はこのデュオ活動期のナンバーで、「プラウド・メアリー(Proud Mary)」をどうぞ。1971年の映像(つまり30歳代前半の頃)ですが、シンガーとしてのレベルの高さが際立っています。 続いては、1980年代の華々しき活躍の頃の映像です。1986年のシングル曲、「ホワット・ユー・ゲット・イズ・ホワット・ユー・シー(What You Get Is What You See)」です。ちょうど、自伝(『私、ティナ』)を出した時期に当たります。筆者的には、この風貌のティナ・ターナーが最も印象に残っています。 最後は、21世紀を迎えるあたりでのティナ・ターナーの歌唱をお聴きください。2000年のシングル、「ワットエヴァー・ユー・ニード(Whatever You Need)」です。歌唱力の高さは相変わらずですが、年齢に応じた貫禄も感じられます。還暦(60歳)を少し過ぎた頃のナンバーということになります。 長期にわたる闘病生活の末に亡くなられたとのことですが、心よりご冥福をお祈りします。R.I.P. 【輸入盤CD】Tina Turner / Simply The Best (ティナ・ターナー) ワーキン・トゥゲザー [ アイク&ティナ・ターナー ] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年05月25日
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