「ミシマ」感想

2006年02月26日

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カテゴリ：本の話題

「春の雪」をしみじみと再読している。

今読み返せばなるほど、現代に通じる普遍性がある。
私が好きな作品だったのだと。

中高校生の頃、「潮騒」が映画になったりして流行った時、
「こんなこと」と思いつつ、新鮮な読後感があった。
「春の雪」はそれ以来のミーハー的な
（衝撃的な自殺の後、ブームだったのだ）
取り掛かりだからなにほどのことあろう、理解できるわけがない。

うのみにしていたところがあった。

私が再び「ミシマ」に出会ったのは「獣の戯れ」
熟年になっていた。
お恥ずかしいが、それも伊豆の黄金崎にドライヴして、
素晴らしい景観のなかに有名な三島の碑を見て、読む気になった。

読んで瞠目した。こんなに文章がうまかったのかと。
世が世ならノーベル賞作家と言われているのだもの当然、
いまさら私如きが何を言う、だけれど。

「金閣寺」「禁色」「仮面の告白」「花ざかりの森」と
三島ワールドに魅せられた。いまさらだが。

「美徳のよろめき」「宴のあと」「午後の曳航」「鏡子の家」

この少々形式美のような夢想的なところが、
現代に通じるところがあるのではないかと私は思う。
それとも私の中だけでかもしれない。
もっと専門的な素晴らしい文学論があるのは知っているが、
難しいことは私にはわからないし。

つい手を出し読みふけるというミーハーばあチャルでござった。

なお、ちょっと前に三島由紀夫がプロデュースしたという理由で、
江戸川乱歩の「黒蜥蜴」を読み、それ以来江戸川乱歩にもはまっている。

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