まず、このカバー表紙をみてほしい
昭 田中角栄と生きた女/佐藤あつ子【RCP1209mara】
この可愛い女の子が著者、佐藤あつ子さんである言わずと知れた元総理大臣田中角栄とその秘書であり越山会の金庫番佐藤昭子さんとの娘なのだそうだ(そうだというのは認知されてはいないとご本人がおっしゃる)
普通ならこのような本は機会があっても拾い読み程度、ちゃんとは読まないだろうし、わたしは言いもしない(つまりミーハーな興味を恥じるからで)
しかし、どうだろう、一気に読んでしまい、しかも感動で涙が止まらなかった
良悪いろいろな意味で有名すぎる政治家の父、そのそばでのやり手秘書、女王のような母、その隠し子である本人の物語は、同情はしても感動を与えるものではない
いつにご本人の54年に渡る苦しい人生から得たものの真実があるからである
「どうしてわたしは生まれてきてしまったんだろう」
そりゃそうだろう、だれでも一度は悩む人生への目覚め
その立ち位置が異常な立場なのだ
それは「昭(あき)」さんという勝手な、奇態な母と娘における葛藤の物語を書いているようでいて、ある女性の身を挺した「わたしがここにいるアイデンティティを知りた」いという生き様が、そくそくと迫るように描かれているのである
それに、功罪は別にして、わたしは好きではなかった人物、あの田中角栄さんの別の顔「情に厚い、もろい」部分の噴出におどろく、この母にも娘にも他にも
副題「田中角栄と生きた女」の「女」は母ではなく娘のことなのだ
佐藤あつ子さんという女性にエールを贈りたい
父のブルトザー的猛進と母の執念的な情熱とを飲み込んで、すばらしい文筆活動をしてほしい
54歳はまだまだよ、いいものを持っていらっしゃるのだから
よみがえり 2023年12月21日
こういうエンタメが好き 2023年12月19日
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