やっぱり読書  おいのこぶみ

やっぱり読書 おいのこぶみ

2018年01月06日
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カテゴリ: 読書メモ
​​​​​新春一回目の読書メモは 『利休の闇』
読了したのは去年大忙し大晦日の夜、寝床の中でした。

作者の加藤廣さん、初めから作家ではなく実社会で活躍の後、75歳から書き初め 『信長の棺』 での堂々たるデビュー、歴史小説家となられた由。

読んではいませんがニュースは知っておりまして、ある政治家が愛読書とおっしゃっていましたね。

つまり、退職後作家で 藤沢周平の 『三屋清左衛門残日録』 の清左衛門の仕事を彷彿させます。
しかも、この 『利休の闇』 お書きになったときは84歳になっていらした。


さて、「利休」はいろいろ小説に登場したり、たくさんの伝や論が書かれています。
わたしも 野上弥生子さんの『秀吉と利休』 を読んでいます。
ほとんど忘れていますから、比較ができないのが残念ですが・・・。

茶の湯の師匠と尊敬していた利休を秀吉が、なにゆえに切腹を命じてしまうのか?
これが作家の創作魂に火をつけるのでしょう。

この本には「茶道とはどんなものか」も描かれています。
茶道のたしなみのないわたしから見ると、七めんどくさい作法のような気がします。

道を究めるのにも気質や出自も影響しますね、秀吉がだんだん離れていくのも道理かなと思います。
それに利休が秀吉を嫌ったということもありそうです。嫌いは相手にすぐ響きます。

これが加藤廣さんのたどり着いた利休の闇です。

最初に自分を取り立ててくれた―自分と同じ長身で眉目秀麗な―信長に対する憧憬。
​その対極として短躯醜悪な秀吉への軽蔑がなかったとは言い切れまい。 (347ページ)​


人間臭ふんぷんのいやらしさです。本当は秀吉自身にこそそれがあるはずなのに。

「断捨離」の見本のような茶室、静謐な空間と簡素な美。到達した簡素美への驕り。

あの有名な


映像を思い描いても、人間臭さがいいのか、到達した清澄がいいのか、凡人は迷います。









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最終更新日  2018年01月07日 19時58分35秒 コメントを書く
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