さくらが散ってます。
地面には花びらの山ができてます。
早朝。
ひとひらの花びらは川の中へ飛んでいきました。
川の流れに身をまかせ、流れ流されて旅をしました。
黄色一面の菜の花が「こんにちわ」「こんにちわ」
小鳥が空で歌い「どこいくのー」
昼どき。
野原で牛がのんびり「モーゥ」
子供が鏡で「ピカリ、キラリ」
夕ぐれ。
海が近づきごうごうと音が。
青ざめた花びらは「あ、」と一声、沈んでいきました。
小学校も低学年に読んだ童話。手元に本がないのでかなり創作したが。
最後のところで子供心に死をイメージしましたね。
印象深いさくらの花びらのイメージです。
日本のアンデルセンといわれた浜田廣介(ひろすけ)。他にも童話がある。いまでも読まれているのだろうか。
赤い太陽が、海のはてに、もえていました。海も、まぶしくもえているかとおもわれました。けれども、どれが海か、空か、花びらは、見わけることができませんでした。ただぼんやりと、ひろいところに出たことだけわかりました。そうして、そのまま、花びらは、目をとじたのであります。(84ページ)
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