ビストロフの橋

ビストロフの橋

October 8, 2005
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テーマ: 連載(82)
カテゴリ: カテゴリ未分類
 外見同様、暗くてみすぼらしい店内。それに反比例してやたらと陽気な客が四、五人いる。なんとも風変わりな人たちだ揃いも揃ってローブを着ている。それも赤とかエメラルドグリーンとかとてつもなく派手な。シルクハットをかぶった人までいる。みんな口々にポッターさんが帰ってきた、握手してもらえるとはなんたる光栄、と興奮したように囁いている。バーテンらしいハゲて、歯の抜けたクルミのような顔のじいさんは泣いてさえいるようだ。
 「き、き、君は、ほ、ホグワーツの、し、新入生、か、かい?」
 いったい何があったのだろうと訝しみ、立ち尽くして様子を見つめていたウィルに神経質そうに声を掛けた人がいる。
 驚いて振り向くと、青白い顔をした若い男が片方の目をヒクヒク痙攣させてウィルを見ていた。
 「は、はい。そ、そうですが?」無意識に後退ろうとする足を引き留めながらウィルは慎重に応えた。
 「あの、ダイアゴン横町に行ってグリンゴッツへ行こうかと・・・」
 グリンゴッツ。その言葉にこの若い男は異様に怯えたようになって、身体を震わせた。目がさらに神経質に痙攣している。
 「わ、わ、わたし、がああ、案内して、あ、あげよう。わ、わ、わたしはき、吸血鬼の、あ、新しい、ほ、本をか、買いにい、行くと、と、ところでね」
 案内してもらえるのはありがたいことだけど・・・この人はいったい誰なのだろう?

 不審そうな表情が顔に出ていたらしい。クィレル教授が吃りながら言った。
 クィレル教授はパブを通り抜け、壁に囲まれた小さな中庭にウィルを連れ出した。ゴミ箱と雑草が二、三本生えているだけの庭だ。
 ウィルはドキドキして待った。いよいよ魔法を自分の目で確認できるような予感がしたのだ。クィレル教授はといえば、ゴミ箱の上の壁のレンガを神経質に数えている。
 この壁に囲まれた状態をどうやったらダイアゴン横町とやらに出れるのだろう?
 「さ、下がっていなさい」
 クィレル教授はローブのポケットから短い棒、多分魔法の杖、を取り出して壁を三度叩いた。すると叩いたレンガが震え、次にクネクネと揺れた。そして真中に小さな穴が開いたと思ったらそれはどんどん広がり、次の瞬間、目の前一杯にアーチ型の入り口ができた。その向こうには石畳の通りが曲がりくねって先が見えなくなるまで続いていた。
 「だ、ダイアゴン横町で、です」





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Last updated  October 8, 2005 10:00:00 PM
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