ビストロフの橋

ビストロフの橋

November 13, 2005
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テーマ: 連載(82)
カテゴリ: カテゴリ未分類
 ふと見ると、あの猫みたいのが一歩前をちょこちょこ歩いて、時々立ち止まっては辺りに気を配っている。
 そして、突然歩く方向を変えた。振り向いてウィルにも付いてくるように、というような仕種をした。ウィルは逆らわなかった、そのまま後を追う。
 しばらく歩くと、さっきまで歩いていた辺りから木をなにかで打ち付け、引き裂いて振り回す、そんな音とブーブーといううなり声が聞こえてきた。なにか大きな生き物がいるのだろう。
 鉢合わせ、なんてことにならなくて良かったと胸をなで下ろし、この猫のようなのが危険を回避してくれたことに気付いた。
 その後も、何度か方向を変えて歩く猫のようなのに付いていく。と、森の少し開けたところに人影が見えた。その人は馬に乗り、夜空を眺めて、何事かつぶやいていた。
 猫のようなのが、平然とその影に向かって歩くので、ウィルもその人のところへと歩き続けた。そして、自分が大きな間違いをしていたことを知った。その人影は馬になんか乗ってはいなかったのだ。
 プラチナブロンドの胴、淡い金茶色のパロミノ。蹄を持った四本足のそれは馬だっが、本来首があり頭のあるはずのところに人間の上半身が付いていた。
 明るい金髪が月明りでさらに明るくけぶるような雰囲気になり、ウィルは夢を見ているような気がした。
 この夜、この森でいくつかの生き物と会ったが、今ウィルは初めて正体のわかる生き物と対峙していた。本の中ではよく出会ったものだ。あくまでも空想上の生き物として。

 その目が、さらに下。猫のようなものを捕え、そのケンタウルスは静かに微笑んだ。
 「ニーズルが一緒なら、大丈夫。森の外へ安全につれていってくれるでしょう。行きなさい、じきに夜が明けます」
 その後、ウィルは自分がどうやって森を出たのかを知らない。ケンタウルスに会った、話しかけられたことに舞い上がって、なにも考えられなくなっていたのだ。
 気がついたとき、ウィルは森を出てハグリッドの小屋の前にいた。いつのまにか猫のような生き物、ケンタウルスによればニーズルという名の生き物らしいが、は姿を消していた。
 「・・・! そうだ」朝食の時間にはまだ間がある。ウィルは森で会った生き物たちのことを調べるために、図書館へ行ってみることにした。
 図書館には初日に道に迷ってたまたま行っただけだが、ウィルにとってはどこよりも身近に感じられる場所だったから、場所はしっかり覚えている。その場所まで行くための階段と扉を探すのには苦労したが、迷うことなくたどり着けた。





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Last updated  November 13, 2005 07:51:00 AM
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