ビストロフの橋

ビストロフの橋

November 18, 2005
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テーマ: 連載(82)
カテゴリ: カテゴリ未分類
 「それに、薬学の知識も、だね? そうは思うけど・・・好きになれそうにないなぁ」キャロルの言い分ももっともだと思いながらもウィルはスネイプ教授は尊敬できても、敬愛はできない相手だと決めてしまっていた。
 すぐ隣にいたピンクの頬の女の子が、授業の間中震えているのを見ていたのでは無理からぬことだろう。
 血色のいい頬がチャームポイントの、あの少女が青ざめ震えていた。まるで死人のような顔が目に浮かぶ。
 「あの・・・」突然、その少女が話しかけてきた。
 驚いて見直すと、それは死人のように青ざめた少女ではなく。生来の血色の良さをさらに上回る朱色の頬をした少女が立っていて、ウィルを見つめている。その後ろには男の子が一人、付き添っていた。
 「あの、私。ハッフルパフのアボット・ハンナです。さっきは助けてくれてありがとう」
 鍋を支えてあげたことに、わざわざ礼をいいに来たのだ。律儀なことだ、とウィルは思った。
 「運が良かったよ。ここ二カ月ぐらいひっくり返る鍋と格闘してたものだから、咄嗟に動けたんだ」オリバンダー翁のところで、何度重い大鍋を柚薬ごとひっくり返したか、ウィルは一度火傷してしまい、それ以来毎晩のように夢でうなされているのだ。
 それを思い出し、思わず顔が歪みそうになったことに気がつきウィルはそっと微笑んでみせた、緊張と申し訳なさに縮こまり、ただでさえ小さなハンナがとても儚げに見えたので、少しでも気持ちを和らげようと思ったのだ。

 この場合、さらになにか言ってやっても相手を恐縮させるだけ。ウィルは数秒、なんと言ってやったらいいかわからずに沈黙した。が、すぐにあることを思いつき破顔した。
 「二人とも、聞いて! 実は僕達、あることで困ってるんだ。手伝ってくれるとうれしいな」キャロルとルビーにチラッと視線を走らせ、ウィルはドリーなるものを捜していることを告げた。
 なぜ捜しているかは言わなかったが、20年くらい前からこの学校にいるドリーに会いたくて捜していることを説明したのだ。元々はレイブンクロー寮の近くにいたものと思えるが、もしかしたらハッフルパフの方に行ってるかも知れない。とくに、そのドリーがキャロルの言うように絵だったとしたら、掛け代えとかがあった可能性もある。
 内心、最悪の場合には処分されてしまっている、というのも考えられなくはないのだが、ウィルは口にしなかった。一瞬、絶望的な顔をしたことから、キャロルはそう言う事態もありうることに気付いたらしかったが。
 「その『ドリー』を捜せばいいのね?」さっきまでの意気消沈ぶりを払拭するような明るい声と表情でハンナが訊く。
 見つかるとは限らないけど。ウィルが答えるとハンナとジャスティンは早速自分たちの寮へと戻っていった。すぐにでも捜し始めるつもりのようだ。





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Last updated  November 18, 2005 09:25:49 AM
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