ここなつ家のフィリピン生活

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2003年11月06日
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かりんがアメーバ赤痢で入院した。

日本だったら法定伝染病に指定されている病気だ。

万聖節と学期休み明けの月曜日の朝、いきなり40度の発熱。
少し喉が赤かったので、咽頭炎だろうと思っていたら、吐き気、下痢が始まった。
翌日になれば、同居している小児科医の義妹が帰ってくるので、
それまで脱水症状が酷くならないように、水や電解質補給剤を溶かした
ジュースなどを飲ませていたが、
しばらくすると解熱剤も一緒に全部吐いてしまったので、


今から思えば、本当に不思議なことなのだが、
実はこの前日の日曜日、私は教会での礼拝中に、
今週神様は私に信仰の試練を与えられるだろうとふと感じたのだ。
それが何か私がとても大切にしているものだということも
なぜかわかっていた。何が起こるのかわからないけれど、
神様、信頼します、私はそう祈った。
普通はそんなこと、感じるものではないのだけれど、
きっと神様は弱い私を助けるために、そのことを
あらかじめ知らされたのだろう。
だから、急にかりんが発熱した時も、きっとこのことだと
思ったのだった。

依頼した。

さて、一日通して38ー40度あった熱が
夜になって、急に37.5度まで下がった。
きっと胃から吸収されはじめたのだろうと思って
安心して、主人とテレビのニュースを見て

部屋に戻った私達をかりんがびっくりしたように、
じっと見る。まるで、この人たちは誰だろう、というように
見つめるので、「どうしたの?何か怖いの?」
と聞くと、娘が怒ったように、「お腹なんか空いてない!」と答えた。
私と主人は顔を見合わせた。
「どう思う?脳炎おこしかけてるんじゃないかしら。」
私は電話で義妹と連絡を取った。
その間、主人がかりんと話をしていたのだが、かりんには
たくさんの知らない人が、自分の周りにいたように見えたのだそうだ。
義妹が小児科の神経の専門の先生を紹介してくれたの
で、私たちは夜中に病院へ車を走らせた。

病院への道のり、いろいろなことを思った。
もし脳炎か髄膜炎を起こしていたら・・・もう、かりんは元には戻らないのでは
ないかしら。もう学校へも行けなくなるのかもしれない。
神様、これが信仰の試練だということは知っていたけれど、
これがそうだったのですか?
ヨハネの21章でイエス様がペテロに問われたように
「あなたは私を愛しますか」とイエス様に問われたような気がした。
はい、それでも私は主を愛します。信頼します・・
かりんを助けてください・・・脳炎ではありませんように・・・
祈りながら病院に向かった。

病院の緊急治療室で、待っている間、かりんは体は弱っていて
立ったり歩いたりすることはできなかったけれど、
意識ははっきりとしていて、医師の指示にもきちんと応えることができた。
幸い、脳炎はおこしていなかった。かりんの言動がおかしくなったのは、
たぶん熱のせいだったのか、ねぼけたためだったのだろう。
でも脱水症状が改善するまで、点滴を受けるために入院することになった。

火曜日の朝から、自宅に残してきたゆっぴーの方も発熱、嘔吐と下痢が始まった。
二人の病状が、アメーバ赤痢だったとわかったのは、
この日、かりんの検便の結果が出てからのことだ。
ゆっぴーの方は、入院するほど酷くならなければ良いのだけれど・・・。
私が病院にいて、ゆっぴーの世話をしてやれない分、余計に心配だった。
お手伝いさんが家にいるとは言っても、ちゃんと世話をしてくれているだろうか?
主人はオフィスにも行かなければ行けないし、
病院にも毎日来る必要があるし、ずっとゆっぴーについているわけにはいかないからだ。

自分でも祈りつつ、教会の友人たちに携帯電話で祈りの依頼のメッセージを送った。
そのおかげか、幸い、ゆっぴーの方は、一日で熱が下がり、下痢もすぐに止まった。
けれど、かりんの担当の医師によると、アメーバ赤痢は軽症で済むことが多いけれどきちんと治療をしないと軽快したり悪くなったりを繰り返してキャリアーになり、
余後が悪いということで、かりんと同じ薬の処方箋を出してもらった。

つまり、よく考えてみると、かりんが病院で検査を受けて、
適切な診断をしてもらえたのは、感謝するべきことだったのだ。
もしも、子供達二人とも症状が軽く、普通の胃腸風邪だと思っていたとしたら、そっちの方がよっぽどこわいことだったと思う。

看護士さんにたくさんお水を飲んで、たくさんおしっこを出せるようにならないと家に帰れないよと言われて、かりんは一生懸命水を飲んだ。
病院からの指示で書き留めておいた記録を見ると、
入院二日目の水曜日には午後の6時間の間に2リットル近く水を飲んでいる。
かりんは律義でまじめすぎるところがあるんだなぁ、私に似たのかしら・・
と思った。普段、落ち着きがなくて、一つのことが終わらないうちに
あっちへふらふら、こっちへふらふらしているかりんだけれど、
それでも、きっと彼女なりに、精いっぱいやっているんだろうなぁ、と思った。
この日の夕方にはもう随分元気になっていたので、
まだ下痢をしていても木曜日には帰宅して、自宅療養して良いとの許可が
もらえた。

さて、かりんが病気になっている間、実はもう一つの試練があった。
主人が先週、登山の前に私に預けていった財布の中の銀行のカードが
無くなったのだ。私は先週、一度そのカードを使ってお金をおろしたが
その時は確かに財布にいれたはずだった。
ところが、火曜日の朝、病院への支払いのため、お金を引き落とそうとして、
主人が財布をあけると、カードが入っていなかったというのだ。

もしかすると、私が引き落とした時に、カードを機械に忘れてきてしまったのだろう
か・
・でも、お金より先にカードが出てくるから、そんなこと、ありえない。
主人はその店まで行って問い合わせたが、
拾ったという届けは出てないということだった。
結局主人がまる1日そのカードを探したが、どこにも見つからなかった。

火曜日の夜、私は病院から携帯電話でメッセージを送った。
「実は、この日曜日、何か試練に会うことを神様が許されたという気がしたの。
だから、このことも含めて神様に信頼しましょう。」
カードが見つかったのは、その翌日の朝だった。
カードは、主人の乗っている車の運転席に床に落ちていた。
たぶん、主人が財布を持って車に乗った時、何かのはずみに財布から
落ちたのだろう。
落ちたのが、車の中で本当に良かった。これが外だったら・・・
誰かに使われていたかもしれないし、そうでなくても
紛失届など、なかなか大変だっただろう。
それにきっと主人も私も、ずっと私が無くしたと思い続けたことだろうし。
いくら私がそそっかしいとは言っても、
少なくともカードは私が主人から預かった物だったから、
管理ミスで信頼を失いたくはなかった。

そんなわけで、大変な4日間だったけれど、やっと自宅に帰ってくることができた。
そんな中で、結局神様は、ご自分が信頼に価する方だということを示して下さった。

これらの一連のことを通して、とても感謝だったことは、
教会の友人、知人たちが祈りによって支えてくれたことだった。
かりんのため・・・と言っても、帰ってくるメッセージを見て
励まされるのは実は私だった。
たくさんの人が、かりんのために祈ってくれた。
他の人に祈りの依頼を転送してくれる人もあった。
かりんの病気のためだけだったら、私たち家族で祈っているだけでも
良かったのかもしれないが、実は本当に祈られる必要があったのは、
私の方だったのだ。
神様の前に、祈るのは私だけで充分です、と言うのは、
きっと思い上がりでしかないのだろう。
だから、神様は「互いに祈り合いなさい」と言われるのだろう。
教会は、神の家族とも言われるように、お互い支え合う存在なのだと思う。
私は、親、兄弟から離れて異国に住んでいるけれど、
神の家族の中にいれば、決して一人ぼっちではないのだ、
そう思った。





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Last updated  2003年11月07日 22時36分17秒


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