2024/11/26
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テーマ: 社交ダンス(8729)
カテゴリ: アートのはなし
<ルネッサンス様式>

イタリアのルネサンスは、14世紀から15世紀にかけての『初期ルネサンス』と、15世紀末から16世紀初頭にかけての『盛期ルネサンス』と2種類に分けて考えるのが一般的のようです。

目を引いた盛期ルネサンス作品をいくつかご紹介します。


ティツィアーノ・ヴェチェッリオ『鏡の前の少女』(1515年以降)


盛期ルネサンスのヴェネツィア派で最も重要な画家の一人です。

ヴェネツィアの聖堂に描いた祭壇画 が評判となり、多くの教会から引っ張り凧になりました。

この絵はティツィアーノ自身あるいは工房によるいくつかの複製があり、そのうちの1点はパリの ルーブル美術館 に、もう1点がチェコのプラハ城王宮美術館に所蔵されています。

3つを比べてみると全然タッチが違うんですよ。ルーブルのが一番クオリティが高いです。





ロベルト・カンピン(1375-1444) は、初期フランドル派の巨匠で『フレマールの画家』という異名があります。

フランドルは現在のベルギーとオランダを含むあたりを指し、この後バロック芸術が花開いてオランダ絵画の黄金期を迎えることになります。

この絵はロベルト・カンピンの描いた『聖母子』を模して顔の部分だけ切り取って描かれた作者不明の作品です。



ロベルト・カンピンの描いた絵だと断言できる作品が実は一枚も現存しないらしく、これも工房の弟子が複製したもののようです。


ヤコポ・バッサーノ『東方三博士の礼拝』(1575-1580)


バッサーノ・デル・グラッパ の生まれで、本名はJacopo dal Ponte、ルネッサンス期ヴェネツィア派の画家です。

この時代は、出身地を名前につけて呼ぶのが主流だったみたいですね。ダビンチ村のレオナルドみたいに。

新約聖書に記されているイエスの誕生時に東方から祝福にやって来た三人の賢者の絵ですが、犬がいることですごく現実味が増している気がしました。


パオロ・ヴェロネーゼ『受胎告知』(1580-1582)


ティツィアーノとティントレットと並んで盛期ルネサンスの ヴェネツィアを代表する画家 で、本名はPaolo Cagliariです。



パオロ・ヴェロネーゼの『受胎告知』をテーマとした作品は、 ヴェネツィアのアカデミア美術館 フィレンツェのウフィツィ美術館 、アメリカのワシントン・ナショナル・ギャラリーほか多く現存しています。

背景とか表情は違うんですが、全部左上にお告げをもたらした大天使、右下にマリア様と言う構図です。

イタリアではお告げは左上からと決まってるんでしょうかね。









クレタ等で生まれ、イタリアからスペインに渡って活躍した画家です。マドリードの プラド美術館 には多くの作品がありました。

本名はドミニコス・テオトコプロスですが、 エル・グレコ(ギリシャ人) と呼ばれていました。

マニエリスムと呼ばれるルネサンスとバロックの合間の美術に属していて、首や手足が極端に長かったり、遠近法がない背景などが特徴です。


エル・グレコ『十字架を担うキリスト』(1590-1595)


同じくエル・グレコの作品です。イエスの指が長すぎでしょう。でもなんか感動的ですね。

この作品は大変人気があったようで、真作と言われるものだけでも11作品以上あり、ニューヨークのメトロポリタン美術館や マドリードのプラド美術館 などでも所蔵されています。

エル・グレコ『十字架を担うキリスト』には2タイプあるようで、一つはこれと同じタイプ、もう一つはお告げの来る左上を向いているタイプ。

ティッセン=ボルネミッサ美術館 にその左上を向いているタイプの一枚がありました。

ルネッサンス・バロック様式芸術をもっと見たい方は こちらから どうぞ。

(つづく)






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Last updated  2024/11/26 06:05:08 PM
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