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書籍の感想です。今回は「博物館のファントム 箕作博士のミステリ標本室」です。博物館のファントム 箕作博士の事件簿 (集英社文庫(日本)) [ 伊与原 新 ]私が読んだのは古い装丁のもので、サブタイトルもアフィのものとは若干異なります。国立自然史博物館に職を得た環は本職はエンジニアです。DNA解析などが専門で動物にも植物にも昆虫にもそこまで深い思い入れがあるわけではありません。そんな環ですが、ファントムと呼ばれる旧館に寝泊まりする箕作博士とちょっとした事件に遭遇し、問題を解き明かしていきます。ファントムは博物学者を自称するほど、動物、植物問わず、愛好し、旧館はゴミかもしれないもので溢れています。ロジカルで整頓好きな環は旧館を掃除しようとしますが、「博物館にあるもので不要なものはない。草一本に至るまで捨ててはならない」と言われてしまいます。散乱する状況の言い訳かと思っていたのですが、1話では一見ゴミであるかのようなものが実は重要なヒントになっていることが明らかになるのです。そして箕作は言います。「分かるか。ここではどんなものも絶対に捨ててはならない」なかなか面白いですねー2話以降も箕作の知識がフルに発揮されるわけですが謎や事件が標本に関わる話なのは良いですね。食堂やカフェの店長が謎解きする話はありますがお店とは関係ない謎の場合もあり、その知識、どこから仕入れたの?というものもありますが、この話は謎自体は些細なものが多いですが、その分標本にしっかり根付いていて、箕作博士だからこそ解ける謎という感じです。個人的には「ベラドンナの沈黙」というお話が好きです。学名がバンバン出てきて、辟易するのですが、その学名がある意趣返しの一つになっているというのは面白かったです。「誰も傷つかない仕返し」良いカモ。
2025.02.28
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書籍の感想です。今回は「箱庭クロニクル」です。箱庭クロニクル [ 坂崎 かおる ]うーん、「明日への願いと祈りに満ちた」という紹介文だったのですが、ちょっと良く分からず。面白くない、とまでは言いませんが、終わり方も少し難しいです。私にはあんまり合わなかった。本質ではないけど、邦文タイプライターというものを知ることができたのは良かったです。
2025.02.24
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書籍の感想です。今回は「レトロ喫茶おおどけい」です。レトロ喫茶おおどけい (双葉文庫) [ 内山 純 ]名前の通り昭和を彷彿させるレトロな喫茶店、その名もおおどけいでの不思議なお話です。その喫茶店には名前にもなっているように大きな時計があります。戦時中から生き延びてきた古いけど、とても立派な時計みたいです。その時計は必要な人に過去を見せるようです。変わらないと思っていた友だちが急に結婚してしまい、戸惑う女性、完璧主義者で育児ノイローゼになりかけている母親、習い事が義務のようになり楽しくない男の子、認知症の母親に悩まされる女性、ある悪い事に加担させられそうになっている男性。外側から見たら、ちょっと力を抜いたら大丈夫なことでも本人にとってはにっちもさっちもいかない事態だと感じるものです。アドバイスもすんなりとは受け入れ難いところですが、過去の映画か夢でも見ていると思えば耳を傾けることができるのでしょう。おおどけいが見せてくれる過去から大きな気付きを得ることで前を向く力が湧いてくるのです。美味しいスイーツの力も大きいとは思いますけどね。
2025.02.19
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書籍の感想です。今回は「天国からの宅配便 時を越える約束」です。天国からの宅配便 時を越える約束 [ 柊 サナカ ]七星さんが頑張る(?)天国宅配便シリーズの第3巻です。実際には七星さんは荷物を届けるまででそこから物語は動き出すわけですが。今回は4つのお話が乗っているのですが、どれも素敵なお話でした。自分が死んだ時、誰かに渡したいものはありますか?天国宅配便はそんな希望を叶えるサービスを提供しています。死ぬ前に渡せば良いようにも思いますが、本人が死んでおり、それでも伝えたかったこと、というのは、頑なだった心を解きほぐす力があるのだと思います。1話は目立たないように慎ましく生きる弓月。その女性のもとに姉からという宅配便が届きます。しかし、弓月にとって姉はトラウマそのもの。なぜなら、姉は美人で運動神経も良く、ものすごく華やかな存在でした。しかし、空想癖というか嘘つきというか、学校でもどこでも大小様々な嘘をついている困り者でもありました。そんな姉は結婚式の当日、別の男が現れて、その男と失踪するという事件を起こします。それ以来30年、姉とは音信不通だったのです。姉の行動の穴埋めに奔走した両親も死に、姉のことは忘れたいけど忘れられないトラウマとなったのです。そんな姉からのお届け物です。恐怖しか感じません。しかも姉は韓国にいたらしくそこで結婚し、2人の子どももいました。にも関わらずそこからも失踪していたのです。今回の件で、顔を合わせる3人。親族とはいえ、最初は不信感しかありません。3人に共通する思いは「なぜ?」です。行動の理由は理解し、納得したい。なぜ姉は結婚式当日に出ていったのか、なぜ母は孤児だなど嘘を言ったのか、なぜ母は子ども二人を置いて出ていったのか・・・姉からの届け物は何の意味も価値もないように感じられるものでした。まさにパンドラの箱から出てきた絶望です。しかしその絶望の先に3人は新たな希望を見つけるのでした。結局、姉が何を考えていたのかは分からずじまいです。それなのに良い終わり方だと感じるとてもよいお話でした。2話は常連だった食堂に迷惑をかけたと思っていた女子高生とその店主の話。その店主が亡くなり届けられた贈り物は女子高生の心を救うものであり、そして・・・3話は小学生のころある漫画に対して送っていたファンレター。作者はそのファンレターに救われたとのことで、感謝の気持ちが送られてきます。その気持ちは状況に流されつつある自分にある選択をすることを決心させるのでした・・・4話は数学者になりたくてなれなくて、ある令嬢と結婚したいとおもっていたのにできず、いろいろできないと思っている男が長年連れ添った妻からの届け物。届け物の意味は理解できないのですが、何とか理解しようと努力する中で、妻、そして娘の気持ちに気付くのでした・・・どれもこれもとても良いお話です。
2025.02.16
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書籍の感想です。今回は「我が友、スミス」です。我が友、スミス [ 石田 夏穂 ]ボディービルダーのお話です。主人公のU野はジム通いをする女性です。痩せたいわけでもなく、ただ筋肉をつけたいと思っていたU野にO島が話しかけてきます。O島は男性だとばかり思っていたのですが、O島も女性なのかな。O島が立ち上げるジムへの勧誘なのですが、そのジムに入って下さい大会に出ることに誘われるのです。「あなたならできる」という言葉に誘われ、U野は初めて大会出場を目的に体を鍛えるのでした。鍛えに鍛えた先にU野が見たものは・・・?U野が鍛える過程が丹念に描かれていてとても興味深かったです。自分が鍛えたい部位をピンポイントで鍛えることが難しかったり、関節や筋に負担をかけるトレーニングはNGとか、面白かったです。また大会に向けて、体を鍛える以外の部分にも気を配る様子もなるほどねーと思いました。ムダ毛、肌艶、日焼け具合など緻密な作業ですね。ちなみに体鍛える人って自分の筋肉に見惚れるような印象があって好きじゃなかったのですが、芸術家が自分の作品に見惚れるのは普通ですよね。しかも筋肉はただ強い力で刺激を与え続ければ良いわけではないそうで、少しずつしか育っていかないのです。その集大成にうっとりするのも仕方ないのかなと思いました。さて、U野はボディービル大会がとても窮屈であると感じてしまいます。女性のビルダーは体を鍛えること以外のこともしないといけないこと。自分の居場所を見つけようとU野はあがくのでした。面白かったです。
2025.02.13
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書籍の感想です。今回は「カフェどんぐりで幸せ朝ごはん」です。カフェどんぐりで幸せ朝ごはん (角川文庫) [ 栗栖 ひよ子 ]いやー、とても癒やされる良いお話でした。どんぐりというカフェで美味しい朝食を食べて元気になるというお話なのですが、朝食が体も労ってくれるのですが、心も労ってくれるのが良いところ。1話は仲良し4人組で起きたケンカでどちらにも加担したくない高校生遥が偶然カフェどんぐりで朝食を食べることになります。そこで遥は美味しい朝食を食べ、さらに店長から孤食は寂しいわけではない、自立した大人だからこそ一人で食べられると言われ、自分の視野の狭さに気付きます。そして学校で遥が取った行動は・・・2話はブラックな企業に勤める男性。会社に粗末に扱われていても、自分で自分を粗末に扱ってはいけないと言われます。お腹にたまれば良いという考えを捨て、食事を楽しむようにしたことで、心に余裕ができ、ついに彼はある決断をします。紹介される朝食はどれも美味しそうなものばかりで店長のアサヒは偉ぶることもなく、相手のことを気遣った料理を提供するだけ。そんな朝食を食べた人が幸せになっていく様は読んでいて、とても幸せになります。私は一応朝食は抜かない人ですが、「朝食を食べないことが問題なのではなくて、食べないことで体調が悪くなることが問題」というアサヒの言葉には納得です。美味しいもの食べて、元気になって、「よし、今日一日頑張ろう」と思えるような朝食食べたいですねーカフェどんぐり、行ってみたいなー
2025.02.11
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書籍の感想です。今回は「追放された聖女が聖獣と共に荒野を開拓して建国!」です。追放された聖女が聖獣と共に荒野を開拓して建国! 各国から王子が訪問してきます。なお追放した国はその後…… (レジーナブックス) [ 如月 ぐるぐる ]何も悪い事もしていないのに王太子から追放を言い渡された聖女のロザリー。しかし、ロザリーといつも一緒にいた聖獣のコンティオールもついてきました。コンティオールの力で未開の荒野に住む場所を作ることができました。そうなると相乗効果で人が増え、守る存在ができると聖女の力が増し、その力で聖獣に力を与え、さらに国が豊かになる。このまま平穏に過ごせれば良かったのですが、周囲の国々が黙っていません。今まで不毛の荒野だったのでどこの国も領有権を主張しませんでしたが、メリットがあるとなれば群がって来るのは必然です。有効的な関係を築こうとする国もあれば、従えようとする国もあります。ロザリーは聖女の力で聖獣以外にも精霊や天使と契約を結び、圧倒的な力を有します。ただし専守防衛でちょっかい出してこなければ何もしないつもりなのですが、欲をかく輩は多くて、手酷くやられちゃうのでした。そしてそんな中、当初から有効的な態度で対応してくれていた国の王太子から・・・めでたしめでたし、と。気軽に読めるけど、しっかり内容もあって良いですね。
2025.02.09
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ゲームの感想です。今回は「ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション」です。【中古】 ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション/NintendoSwitch買ったのは発売された直後くらいで結構やりこんだのですが、感想を書かずじまいだったので、今回、改めてプレイし直し、感想を書くことにしました。いやー、やっぱ面白いですね。ボリュームも満点でやりごたえ抜群です。以下、気に入っている点。【フルボイスのイベント】私はゲームシステムが面白ければ絵がしょぼくても面白いものは面白いと思っていて、ボイスもそれほど重視していなかったのですが、このゲームはシナリオがしっかりしており、そこで各キャラクターがガンガンしゃべるイベントシーンは非常に見ごたえあります。【やりこみ要素】やりこみ要素がたくさんあります。・コレペディア フィールドに落ちているアイテムを図鑑に登録することで図鑑埋めをしていきます。 これは1回目の時は仕組みを理解していなくて、アイテムを拾うだけ自動的に登録される ものと勘違いしていました。なので、仲間との親密度を上げるためにアイテムを使い 切ってしまいました。 終盤になると入れないフィールドがあり、そこに落ちているアイテムを再度集めのは 非常に苦労することになるので、今回は拾う都度しっかり図鑑に登録していき、着実に コンプリートすることができました。・キズナグラム これが非常に難しく、けど、進むと楽しいものなのですが、街にいる住民はそれぞれの 住民と何らかの関係を持つ場合があります。その関係性を作るために住民に話しかける 必要があるのですが、これが非常に大変で、クエストを進行してからでないとダメ だったり、Bさんに話してから、Aさんに話すとか順番があったりと、単純に一人ずつ 話せば終わりとかではないのです。 その分、ちょくちょくセリフが変わり、関係性も良くなったり、悪くなったりするので 非常に楽しいです。・装備の選択 どの装備を選ぶかというのもありますが、装備にジェムという追加オプションも つけられるので、どのような装備にするかいろいろ悩むことになります。 ジェムは素材から生成もできるので、素材集めも頑張る必要があります。・クエスト サブクエストがそれこそ数え切れなくくらいあり、はまりだすとメインシナリオが なかなか進まなくなりますw 敵を倒すという単純なものもあれば、アイテムを集めたり、悩みを解決するみたい なものもあり、色々あって楽しいです。・強敵を倒す 倒さなくても良い強敵(ネームドモンスター)が多数存在しています。 そういう敵は出会った時点ではとても敵わないレベルだったりすることもあるのですが、 後で再挑戦して倒すのも楽しいものです。などなど楽しい要素が満載です。あと、メインシナリオは一本道ですが、サブクエストは選択によって結果が変わるところも面白いところですね。例えば旅に出たい兄と一緒に暮らしたい弟。どちらに協力するかはプレイヤー次第です。協力した結果によって、兄は旅に出たり、とどまってりすることになります。この結果はキズナグラムにも反映されていきます。ちなみにキャラは主人公のシュルク、ヒロインのフィオルン、タンクのライン、回復役のカルナ、属性攻撃メインのメリア、物理攻撃メインのダンバン、特殊な技をもつリキの7人です。その中から3人でバトルパーティを作るのですが、回復役ががっつりできるのはカルナしかいません。一応シュルクとリキも回復スキルを持っているのですが、単体回復ないので強い敵と戦うときはそれでは追い付かないです。メリアは全体回復を持っているのですが、時間回復なので、瞬間的な回復力が小さく、これも強敵の場合不安です。私としては、カルナを入れるしかないのかなと思います。シュルクが強いので、そうなるとあと一人誰を入れるかという話になり、少々選択の幅が小さいんですよね・・・とはいえそれではつまらないので、リキ+メリア+フィオルンとかそんなパーティで良く戦っていました。
2025.02.09
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書籍の感想です。今回は「コレクターズ・ハイ」です。コレクターズ・ハイ [ 村雲 菜月 ]うーん、何かよく分からない終わり方でした。何かをこよなく愛する人々の話です。主人公の三川はなにゅなにゅというキャラクターをこよなく愛する女性です。彼女はなにゅなにゅのグッズが出ると聞くと買い集め、家がなにゅなにゅで満たされていくことに幸せを感じます。一方、仕事はカプセルトイの企画を考える仕事なのですが、毎回企画はボツになり、焦燥感が募ります。ただ、企画に向けて頑張ろうではなく、ますますなにゅなにゅにのめり込んでいきます。そんな三川ですが、UFOキャッチャーが苦手です。なにゅなにゅのグッズが欲しいのですが、取れず困っていた時に出会ったのが森本という男です。森本はUFOキャッチャーで取ることが好きですが、取れたものには興味はなく、三川になにゅなにゅグッズをあげることにしました。森本は対価は要らないと言ったのですが、二人の間で決めたルールが「三川の頭を撫でる」というものでした。三川は特にこだわりがあるわけではないのですが、並々ならぬ愛情を髪に持つ美容師、品田の手により綺麗な髪をしていました。そんな不思議な関係の三川、品田、森本ですが、あることをきっかけにギクシャクしていきます。そして・・・今どきの言葉で言えば推しということかと思いますが、私もポムポムプリンが大好きだし、ガンダムも好きなのですが、この終わり方はなに?という感じです。最終ページの最後の文章を読み、ページめくってあ、これで終わりだったんだ〜とびっくりしました。究極的には推しは各自の基準しかないので、他の人が理解することは難しいです。あるものに1万円出すことに善悪はないのです。その人には1万円の価値があるわけですから。なので、この小説に出てくる推しが強い人々が変な人に見えてしまう面はあると思います。でもこんな場面で突き放して終わりというのはイマイチ好きになれません。オタク気質が仕事に役立ったとか、仕事はダメだけど推しがあれば毎日ハッピーとかそんな話が良かったな〜
2025.02.08
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書籍の感想です。今回は「偶然屋2 闇に揺れるツインテール」です。偶然屋(2) 闇に揺れるツインテール [ 七尾 与史 ]偶然屋の2巻です。前巻で悪い偶然屋とでもいうべき、仏に逃げられてしまいました。なので、内容もその話に収束していきます。最初は偶然屋としても話ですが、これは仏とは関係ないのかな。ちょこちょこと挟まれてくるクロエの過去。クロエは誘拐されて、アサシンとして訓練された過去を持っていたのでした。そうであればクロエの超人的な戦闘能力も納得というところです。そんなクロエも巻き込んで事件は起きます。身体能力、頭脳など優れた才能を持つ子どもたちを集めたキャンプで凄惨な事件が起きます。そこに見え隠れする仏。そして見え隠れするクロエの過去との因縁。そりゃ、組織を武力行使で抜けてきたわけだから仕返しに来るに決まってますよねーみたいな感じで終了。
2025.02.05
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