森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.03.27
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熊の母子は、小熊が自立して生きていけるようになると、母熊は小熊と一緒に木に上って、そのまま置き去りにするという。取り残された小熊はそれ以降自力で生きていくことになる。

キタキツネでも、子供が一人で獲物をとれるようになると子供を巣から追い出してしまう。
牙をむいて威嚇し、傷口に血がにじむほどの激しさで噛むのである。子は何度も巣に戻ろうとするが、そのたびごとに手荒い仕打ちを受ける。そして最後には、仕方なくあきらめ、住み慣れた巣をあとにして、自力で生きていく生活が始まるのである。

人間場合はそうしたことは考えられない。大学を卒業するまではほぼ親がかりである。それ以上に親にいつまでも依存して、親が亡くなったあとも遺産を受け継いで依存している。国にも生活できなければ生活保護、年をとれば年金、病気になれば医療費のサポートなど至れり尽くせりである。

しかしその反面自力で生きていく力がどんどん衰えてきているのである。生命力、生存欲そのものが極めて希薄になってしまったのである。人間が生きていくためには人と協力しあったり、あるいは競争しあったりすることもあります。そうした力がなくなりつつあるのである。森田先生がもし今生きておられたら、「生の欲望」の減退をどう見られたであろうか。「生の欲望」の発揮は森田理論の土台部分であるので、かなり手厳しいのではあるまいか。

それにつけても本来の教育とは何であろうか。人類が今までに築きあげてきた知識、文化、知恵を学んでいくことも必要であろう。しかし一番大なのは、人間が困難に出会った時それを乗り越えていく能力を身につけて自立して生きていく力を身につけさせることではなかろうか。現代社会ではこの困難や問題点は誰かが先回りしてことごとく摘み取ってくれている。その結果、現在無気力、無関心、無感動な子どもたちが増えているという。その意味でも森田理論学習を広く学習する意味があると思う。





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Last updated  2013.03.27 07:37:39
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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