森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.04.06
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昔のやさしい人とは、相手の話をよく聞いてあげて、相手の気持ちになりきって、受容し共感してあげて、何らかの解決策を一緒になって考えてあげることでした。
今の若い人のやさしさとは、そのように相手の内面にずけずけと土足で踏み込んでゆくことではない。相手を傷つけないように配慮できる人のことを言う。また相手も自分を傷つけることのないような表面的には和やかな人間関係のことを言う。

心が傷つくという言葉があります。不用意な相手の一言によって立ち直れないほどの、心の痛みを相手が感じるのである。これが現代の人間関係を考えるときには一番考慮すべき課題となっている。つまりお互いを傷つけないというやさしさが現代では求められているということである。

そうやさしさを持った人は、人の悲しみや悔しさに動揺してしまう。やさしい人は感受性のするどい人です。他人の痛みが容易に伝染し易いのです。
そのような人は熱い人間関係は苦手です。「熱い思い」を伝えたり、伝えられたりするのが嫌いです。反・熱血主義なのです。淡白であたり障りのない人間関係を望んでいます。

そうゆう人はペットの代わりにどちらかというとぬいぐるみを好みます。自分がぬいぐるみを傷つけることもなければ、ぬいぐるみによって自分が傷つけられることもないからです。ぬいぐるみは物を言わぬこと、そこが重要なのです。

やさしい人は優柔不断です。自分が決めたことが、うまくゆかなくなって後で後悔するようなことになっては大変だと考えるのです。自分で決められないときはどうするかというと、結論を先延ばしにするわけです。結婚なども先延ばしにするわけです。

やさしい人は失敗を恐れます。「いちおう」「とりあえず」という言葉をよく使います。失敗したときにこれは急場しのぎだから失敗してもしようがないという、自分のいいわけ、慰めになるのです。ここでも失敗しても自分が傷つかないようにガードを張っているのです。

また心底熱中できるものがない。何かをする場合、はたしてこれは自分に合っているのだろうかと、絶えず自問自答している。だから何かに熱中しているようでも何か冷めている。他に興味のあるものがあれば容易に移行する。だからいつまでも自分探しの旅と称して、一人旅に出たり、外国へ留学したり、フリーターのような仕事を転々としている。



これは森田でいうと、生の欲望の発揮を忘れてしまって、自分や他人が傷ついて、不安なり、恐怖、不快感に直面することを逃げたりやりくりした結果、自ら蟻地獄に陥っているのと一緒に見えます。神経症の「手段の自己目的化」が生き方となって凝り固まってしまっているのです。
これは順序良く森田理論を学習すれば、そのメカニズムが分かるとともに、脱出方法も見出し、人生観が変わる可能性があると思います。





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Last updated  2023.05.22 10:32:42
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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