森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.05.05
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怒りの感情が湧いてきた時は、その感情を押さえつけてはいけないと森田理論では学習します。

腹が立つという感情をそのままにして、腹をたてておくしか方法はない。それがいちばん安楽な道である。でも腹をたてると、その感情が暴れ馬のように暴走して、暴言を吐いたり、暴力をふるったりすると困るので、怒りの感情が発生するのをイヤがるのである。

しかしもともと怒りがでてくるという事は、人間が生き延びていく上に無くてはならなかったものである。太古の昔、自分に危険が及びそうになった時は、ノルアドレナリンという怒りのホルモンを分泌させて血管を収縮させて戦闘態勢に入っていた。闘うか逃げるか瞬時に判断して素早い行動に駆り立てていたのである。もしそうした対応がとれなかったとしたら、人間の生存は極めて危ういものになっていただろう。

つまり怒りという感情はときによっては必要なものであって、これを無視したり、ごまかそうとしてはいけない。むしろ上手に活用し、有効に利用する態度が大切だという事です。森田理論では怒りという感情は自然現象であり、やりくりしてはいけないと言っています。

この基本を押さえてさらに話を進めてみましょう。人間は進化の過程で、前頭葉皮質を発達させてきた。つまり理性を発達させて、怒りという感情を制御できるようになりました。理性が働かないと大変です。それはわがままし放題の幼児を見ればすぐ分かります。幼児はまだ脳が発達していません。だから葬式の真最中に大暴れすることができるのです。また酔っ払いがやりたい放題の暴言を吐いたりするのは、アルコールによって理性の働きが麻痺しているからです。
つまり怒りに対して暴走や暴発が気になるという人は、理性の制御、調整がうまく機能していないということになります。ここでも感情と理性の調和はとても大切になります。ポイントはいつも感情を優先させて、後で理性でもってバランスを整えていくというのが森田理論の考え方です。理性の調整はノウハウがあります。これを次の投稿でご紹介しましょう。(続く)





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Last updated  2013.05.05 07:05:29
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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