森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.05.15
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「武士の家計簿」という本がある。映画にもなりました。これには加賀100万石の武士の生活ぶりが紹介されている。
ほとんどの武士の家計は借金だらけで、多額の借金を抱えた日本国のような状態であった。それでも体裁を保ち、面子を重んじる生活から脱出することはできなかった。

さらに明治6年12月、明治新政府は「家禄奉還」の制度を布告した。これはいままで藩に属していた武士は給料をもらっていたわけであるが、一時金を払って以後従前の給料は支払わないというお達しであった。つまり今でいうリストラである。
これにより多くの武士は職を失うことになる。このリストラは日本全国の武士に及び大変な社会問題となった。

これによって急速に武士は二極分解していったという。最も多かったのは、かつて家柄を誇った士族の多くは、栄光の過去を懐かしみ、現状に不満をいい、そして将来を不安がった。当然ながら、そうした彼らには明るい未来はやってこなかった。よい仕事はなく、その日の飢えをいやすのが精一杯という生活に甘んじる人が多かったのである。家族を道連れにして、栄光の加賀藩とともに美しく沈んでいったのである。

その一方で少数ではあったがその変化を認めて受け入れた人がいた。受け入れがたい現実を発奮材料として、社会に役立つ技術を身につけようと過去の栄光を捨て去ったのである。そういう士族には未来がきた。ごく一部の人たちだが、時代の変化を読んで、今までの生活を捨てて、仕事を転換して変化に対応したものが、明治新政府の仕事にありついたのである。カメレオンのように素早く変化に対応してゆく。状況は変化させることは難しいのだから、自分を状況に合わせて変えていく。

変化に対応する生き方を岩田真理さんは、サーフィンにたとえて説明されています。
サーフィンでは、サーファーは「波」という、動いているものにのっているのです。常に波の様子を読まなくてはいけません。波はその日の天候によって変化し、動き、下手をするとサーファーを飲み込みます。サーファーにとっては一瞬一瞬が緊張です。波を読み、波の上でバランスをとり、波に乗れれば素晴らしいスピード感が体験できます。自分の力だけではなく、勢いよく打ち寄せる波の力を自分のものにして、岸まで疾走することができるのです。

人生の波に乗るとは、一瞬一瞬、緊張感を持ち、周囲をよく観察して、その時その時で適切な判断がとれるように努め、自分の生を前に進めていくことです。






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Last updated  2013.05.15 06:39:41
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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