森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.05.29
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親鸞聖人の歎異抄に、「善人なほもつて往生をとぐ。いはんや悪人をや」という有名な言葉があります。普通に考えるとこれは反対ではないのかと思います。これを私なりに森田理論で考えてみました。

ここでいう悪人とは殺人犯人のような人のことではありません。浄土真宗でいう悪人とは、自分の力で仏になるべき能力や資質が備わっていない人のことを指しています。つまり浄土真宗はどんな教えかよく分からない人、あるいは理解できるような能力がないような人のことを言っています。

これを森田の言葉で翻訳してみると、強力な「かくあるべし」を身につけて、なかなか事実を受け入れて、事実に服従することができない人のことではないでしょうか。そうゆう葛藤を抱え、現実の生活の中で苦しみ、のたうちまわっている人の方が救いようがあると言っているのです。言われてみればそうです。そういう自分を自覚することができれば一番に救われるといっているのです。

自分や人に「かくあるべし」を押し付けて、感情を自分の思うままにコントロールすることに対して少しも心が痛まない人は、救う事はできません。救いようがありません。そうした自覚がないからです。森田の学習をしていない神経質者は、いつまでもこの自覚が育ちません。つまり救いようがないということです。

森田理論を学習すると、自分は強力な「かくあるべし」を身にまとっている。それが我々の動きをがんじがらめにして、自由な動きをとめている。その自覚が芽生えてきます。

もしはっきりとした自覚がないようでしたら、自覚を持てるように森田理論学習を深めてゆきましょう。必ず生きづらさの裏には強力な「かくあるべし」を持っていることに気づくと思います。

「かくあるべし」はどのようなことをいうのか。「かくあるべし」はどのようにして発生してきたのか。「かくあるべし」にとりつかれた人間の特徴。「かくあるべし」と苦悩の始まりなどです。事実を受け入れる生き方などです。

自覚したからといって、すぐに「自然に服従する」という態度が身につくわけではありません。しかしその自覚をはっきりと認識できるかどうかが、神経症から解放されて、事実本位の生活態度を身につけるための出発点となります。





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Last updated  2013.05.29 17:44:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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