森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.07.21
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早川さんの提起した問題を私はこう考える。
3つの視点から考えて見た。これはすでに投稿したものの再考である。

一つ目は精神拮抗作用である。
○○しなさいといわれるとそれに対して反対したい気持ちがでてくる。
森田ではこれは元々人間に備わった自然現象であるという。
確かに大酒飲みの夫に対して、奥さんが、「二日酔いになるぐらい好きなだけ飲んでいいのよ」などといわれると、いわれた本人はおいそれと飲むことはできなくなる。
そういう反応が我々には元々備わっている。
まず一つ目の理由によって、本人のやる気はそがれる。

二つ目。

たとえば、1「火事になった」、2「身の危険を感じた」、3「急いで逃げる」という流れになります。
また、1「腹が減った」という出来ごとに対して、2「ご飯をたべたい」という欲求が湧いてきます。それから3「食事を作るか食べに行く」という行動が発生します。
つまり「食べる」という行動には「腹が減った」という動機が関わっています。
でも動機が直接的に行動へと結びついているわけではありません。
あくまでも「ご飯を食べたい」という「自分の感情の発生や意志の力」が介在しているのです。
ここで注目していただきたいのは、人間が生きていく上において、「動機の発生」、「感情の高まり」はとても大切なのです。森田理論で学んでいるとおりです。
自主的、積極的、創造的行動においては、必要不可欠なものといえます。
ところが「かくあるべし」でこうしなさい、ああしなさいと他人からの指示を受けて行動するということは、「動機の発生」もない、「感情や意志の力もない状態」で、いきなり「行動を押し付けられる」ということになります。
本来は感情を介在させることで自主性や積極性が生みだされるのです。
それが抜け落ちてしまうのです。
これが早川さんの言う、人から言われてやる気がうせてしまう第2の理由です。


これが一番大きな原因だと思う。
相手が自分で課題を見つけて、自然に動き出す前に、安易に指示、命令、批判、説教、非難、叱責をするということは、相手を自分の家来のようにして扱っているということです。私は相手のためを思って忠告しているのだといっても、客観的にみるとそうなっているのです。
つまり主従関係にあるということです。
主従関係は力の強いものが一方的に相手をコントロールしようとしている事です。
このような人間関係は普通ではありません。いつかは破綻します。それはコントローされているほうにひずみがたまり続けるからです。地震のひずみの蓄積を思い出してください。いつか一気にそのひずみが解放されて、大惨事になることがあります。


「かくあるべし」は自分自身にとって神経症の原因を作りだし、自由で活き活きとした生活を奪ってしまいました。
そういう人は他方で、「かくあるべし」を自分の縁のある人に押し付けて、多大なご迷惑をおかけしているのです。
森田理論でそのからくりに早く気づいてほしいと願っております。





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Last updated  2013.07.21 10:19:12
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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