森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.08.16
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カテゴリ: 行動のポイント
集中というのは2つの意味がある。2つが整って初めて集中と言うのである。

一つは自分のこうしたいという目標に向かって、一心不乱に立ち向かっていく態度のことである。
野球でいえば、打者はヒットを打ちたいと思って打席に立つ。ピッチャーの配球を予測し、ヒットやホームランを打つために投げた球に集中しないといけない。

その時、バットを持っている手の方に注意が向いたりしてはいけない。ましてや自軍の監督やコーチの思惑を気にしているようでは、ヒットは打てないだろう。常に注意は相手ピッチャーに向いていなければならない。

「森田正馬全集5巻」で次のように説明されている。
人間の自然な心は、常に目的物に向かってのみ注意が集中するのが普通である。
薪を割ろうとすれば、薪の中心に向かって注意が集中してくるのである。
ところが神経症の患者は、打とうとする斧に添えた手の動かし方や、自分の姿勢のことばかりに注意が向いて、さらにそんな姿を人はどう思うだろうかというふうに発展して、益々注意の向けどころが間違ってくるのである。

球を受ける時は、受けるキャッチャーのミットに注意が移って、しっかりと前を見据えておればよいけれども、ボールの状態やグローブの動かし方、自分の手元や身体の方にばかり気が向いていけば、うまく投げることはできなくなってしまう。

これが一つ目の集中である。実際は勝ちたいという気持ちが強ければ強いほど、一点に集中は難しい。しかし森田を学習すればそうした態度を身につけることができる。

さてもう一つの集中は、野球でいえば、風の向きや、守備体系、ピッチャーの癖、キャッチャーの傾向、いままでの対戦結果、ランナーがいるかどうかなどに神経を使わないといけない。それらを無視して、ただ来た球を打つだけというのは、失敗する可能性が高い。森田先生は集中するというのは「無所住心」のことだといわれている。

森田先生の弟子である井上常七さんは次のように説明されている。
森田先生曰く、「僕は今君の診察をしているんだけれど、(庭で作業をしている患者が見えるんですね)あの作業は間違っていないか、どうしているかなと見たり、それも気になる。外来の患者が気になったり、いろいろ気にしながら、君の事を診ているんだ。少なくとも3つ4つのことに心が流れてるんだ。これが雑念でなくてなんなんだ。」
またお釈迦様は雑念の親方だっていうんですね。絶えず自分の生活ばかりでなしに、人類全体の苦労、悩みまでが気になって、絶えずそれを考えてああいうことになった。雑念というのはあるほどいいんだよ。

以上、集中とは2つの意味があることを説明しました。
これが連携をとれていないとスムーズな行動とはなりません。
例えばゴルフで一点に集中して打つことができても、向かい風を頭にインプットして力を加減したり、強風がやむまで少し待つなどしないと、球ははるか手前に落ちる。
このことを頭に入れておいてください。






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Last updated  2013.08.16 06:47:58
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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