森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.11.03
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森田先生は夜中にパニック発作で今にも死にそうになるという人に、自分で進んで発作を起こして、その詳細を報告するように命じられたことがある。
不眠症や耳鳴りの激しい人にも同様の方法をとられている。
ところが発作を起こそうとしようとすればするほど発作は起こらないのである。
これは逆療法のように見えるが、森田療法では簡単に説明がつく。

森田先生の発作性神経症の治し方は、できるだけ発作をおこすように努力してみよということである。このからくりはどうなっているのか考えてみよう。

神経症の症状は、常に神経質患者の意識の中心にあり、これを忘れよう、意識すまいと努力している。常にはからっている。
すなわち不安、恐怖、不快感などを意識の中心より周辺に押しやろう、押し込めようとしているのである。そうすれば自分の思いとは反対に、それはますます意識の中心を占領する。
森田で言う症状を意識すればするほど、注意が症状に向き、注意が向けば向くほど不快な感覚が強くなるというからくりである。
さらに意識しまいとすればするほどますます、一点に凝集強化されるのである。これを精神の交互作用という。これが神経症の症状である。


しかし意識は、たえざる流動変化している。
神経質症状も、環境の中で力動的に変化消長する。

そして症状が意識の中心より、やや遠ざかった時に、意識的に無理にこれを中心に持ってくるように患者に努力させる。発作をおこすようにさせる。ここがポイントである。

これは平素の患者の努力とは反対の心の働きをさせるのである。
すると、ここに意外なことには、中心に持っていこうとする努力とは逆に、周辺に退くのである。
すこし逆説的で理屈ぽいかもしれないが、神経症からの回復の真実をついている。

神経症は逃げたり、やりくりをやめない限り治らない。
10年でも20年でも治ることはない。
神経症を忘れていたという生活態度になれば治ってしまうのである。
一夜にして治ってしまう。
元メンタルヘルス岡本記念財団の岡本常男さんがまさにその例にあたる。






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Last updated  2013.11.03 06:47:20
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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