森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.11.28
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カテゴリ: 最新の脳科学
プロ野球でコーチがフォアボールを連発するピッチャーのところにいって、「なにを恐れているんだ。ストライクを投げないと試合にならないじゃないか」ということがある。

伝説の高畠コーチは、「そんな助言は効果がない。ますますそこに注意が向けられるからだ。そんなときは例えば、思い切って腕をふって投げてみろ、といって注意をはずしてあげることが必要なのです」といわれています。

私たちは、注意を集中し、注意と感覚が相互に影響を与えて症状に陥っていくことを「精神交互作用」の更新と学習しました。
注意は内向化して意識すればするほど、自分の願っている事とは反対の結果になるのです。
反対に意識の無意識化が自然にスムーズにおこなわれていれば全く問題は起きないのです。

これを脳の機能から説明している人がいます。高田明和医師です。
私たちが体を動かそうとしている時に、脳では一体どんなことが起きているのか。
頭に電極をあてて、脳の働きを示す電気活動を調べられました。

すると不思議なことに、自分が手を動かそうとする0.3秒前には、すでに脳内に電気活動、つまり神経の活動が起きているのです。

これは私たちが自分で何かしようと思っている時は、その思いが意識に上る前に、脳は無意識の活動を始めているということです。

野球でいえばまず体を鍛え、練習を積み重ねてストライクの球を投げられるように努力します。
すると脳の方は、マウンドに立てば、0.3秒前には無意識的な活動をすでに開始しているのです。
気がついたときはもうすでに球を投げていたということです。

この無意識の脳の活動の時に、意識してストライクを投げようという考えを入れると、投球に悪影響を与えます。
無意識の前に意識がちょっかいを出すのです。

無意識の行動に任せておけば万事うまくいくのに、意識することによってとらわれが生まれます。
注意を引きつけます。注意は不安を誘発して、スムーズな行動の流れを断ち切ってしまうのです。

普段の練習では100%うまくいくのに、本番ではたびたび失敗をしてしまうという人は、無意識の心境になりきっていないのです。
無意識を信頼していないといっても過言ではありません。

森田理論はとらわれて意識化した状態を、いつの間にか無意識的状態に転化して、自然の流れの中に身を置いて生きていくことを目指しているのです。





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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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