森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.03.03
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カテゴリ: 行動のポイント
症状の真っ只中の人が学習会に来られた時、自分の体験から「なすべきをなす」ことを
アドバイスすることは多いと思います。
しかし、それをストレートにアドバイスすることは「かくあるべし」の押し付けになること
があります。また相手にはどの程度伝わっているのかは疑問です。

対応の仕方について、心療内科医の黒丸尊治氏の「人は自分を癒す力を持っている」から
ヒントを得ました。紹介します。

68歳の男性。2年前に奥さんが胃がんで亡くなっている。半年前から背中の痛みが始まった。
黒丸先生のところに来る前は整形外科や神経内科、麻酔科で治療を受け、
薬も飲んできたが一向に治らない。症状はますますひどくなり、食欲もほとんどなくなってしまった。


心の問題かもしれないと黒丸先生のところを受診された。
初診では患者さんの話をひとまずじっくりと聞いた。そして次のような話をした。
「奥さんを亡くされて、2年たったとしても、忘れられるものではないでしょう。
奥さんへの思いが強ければ、余計に忘れられるものではありません。
だから今は、悲しんだり、くよくよしていても全くかまいません。
いや、むしろそうしていないといけない時期なのかもしれません。そうすることで、
たまっているものを吐き出し、それでうまくバランスをとっているのでしょうね。
だから、今のような状態をしばらく続けておいてください。」

次に直接症状を治すことにはかかわらないで治療を進めていった。
「背中の痛みは、随分いろいろと治療されたけれどもよくならなかったんですね。
こんなつらい症状を持ちながらどうやって毎日を過ごしてこられたんですか。」

「しかし、こんなにしんどい症状を持ちながら、今までやってこれたというのは紛れもない
事実ですよね。ということは、そこには何か症状をうまくコントロールするコツみたいなもの
があるはずなんですが、それをぜひ教えていただきたいんですが」
「そんなこといわれてもねえ」
「たとえば、こんなことをすると症状が楽になるとか」

「ほかには」
「まあ、散歩しているときも、多少はましですかね。気がまぎれるせいかもしれません。」
「それだけ痛みがあって、自分から銭湯に行ったり、散歩したりするというのは、かなりの
もんですね。それができるだけでも十分です。これからもそれはぜひ続けてください。」





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Last updated  2014.03.03 06:54:25
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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