森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.03.14
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心療内科医の黒丸医師の話です。
慢性の腹痛に苦しむ中年の女性。ここ10年ばかりはしばしばはげしい痛みに襲われるため、
働くこともままならず、いくつもの病院で入退院を繰り返してきました。

入院した病院では、原因追及のためあらゆる検査が行われました。ところが不思議なことに、
そんな激しい症状にもかかわらず、胆嚢内に小さな石が1つある以外異常は発見されなかった。

原因を発見するためには、もはや実際に腹を開けてみるしかないという医師の判断と、
手術をしてでも治したいという患者さんの希望が一致して開腹手術が行われた。

ところが異常が見つからない。仕方なく胆石症による腹痛の可能性もあるということで
胆嚢摘出手術が行われた。ところがその後も相変わらず激しい腹痛が続いた。


これは腹が痛いということは何らかの原因があるから起こることだ。
その原因を探りあてて、その原因を無くすれば腹が痛いのは治ると考えているのです。
器質的な原因があれば当然そうなります。ところが何回検査をしても原因が見つからない。

こういう場合が問題です。どうしても原因を追究して特定したがるのです。
患者も医師も納得できないということではないでしょうか。
特に患者さんの場合はその傾向が強いです。
徹底して原因追及しているうちにどんどん事態は深刻になってゆきます。

神経症の場合もよくそんなことがあります。
神経症になったのは親の育て方にあったとして、親を恨んだりしてしまいます。
親の神経質性格を受け継ぎ、子育ての能力もない人が子供をもうけたので、
今の自分が神経症で苦しんでいると考えているのです。

原因は理解しているつもりなのですが、どうすることもできない状態です。

これは2つの問題点があります。まず認識の誤りがあります。一方的な見方をしていることです。
神経質性格はマイナス面ばかりではありません。コインの裏表のようにプラス面も隠れています。
また子育てというものは100%完全というものはありません。実際には試行錯誤の連続です。

つぎに原因探しばかりしていると、精神交互作用によって神経症は悪化してゆきます。

こなしてゆく、自分のやりたいことに手を付けていく態度が大切です。
そういうことができるようになると、一つの能力の獲得したことになります。
素晴らしい能力を獲得するのだという意志を持つことが大切です。






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Last updated  2014.03.14 07:07:49
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森田生涯 @ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) 通りすがりさんへ コメントありがとうご…
通りすがり@ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) この曲の歌詞の意味がわからなくて検索し…
森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…

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