森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.01.03
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
私の田舎のお寺の住職さんは、毎月その時々の思いを手書きの文章にして檀家や近所の人に配布されている。


中国で、あるお金持ちの夫婦に一人の男の子がいました。
父親は自分の子どもに、この生活がどんなに有り難いことかを知らせるために、3日間貧しい田舎の家に預けることにしました。
都会の快適な生活が当たり前になっているこの子には、田舎の生活は3日間が限度だろうから、3日間いれば、今の生活がどんなに幸せか思い知るだろうと思ったからです。

3日間、田舎の生活を体験した息子が帰ってきました。
お父さんは息子にいいました。「ここでの生活とは随分違っただろう」
すると息子は答えました。「パパ、その通り全く違っていたよ。パパ、家にはプールがあるけど、田舎にはもっと大きな池があったよ。
水がとてもきれいでそこには魚がいっぱいいるんだ。


それも首輪をなんか付けてないで自由にどこでも走り回っているんだよ。

パパ、うちの家は塀に囲まれているけど、田舎の家には塀なんてないんだ。
どこまでも田畑や野山が見渡せるんだよ。

パパ、家では音楽はCDで聞くけど、田舎は鳥のさえずりや風の音が生できこえてくるんだ。
パパ、家ではパソコンや携帯電話で連絡しあうけど、田舎では人と人が直接話し合うんだ。身振り手振りでね。

パパ、家ではパパが忙しいから、いつもママと二人で食事するけど、田舎の家は違ったよ。
食事の時は近所の人まで来て、わいわい楽しく食事するんだ。

パパ、僕はとても貧しいところにいたんだということを思い知ったよ。
でもパパ、最高の3日間ありがとう。」

人間だれしも便利で裕福で快適な都会の暮らしにあこがれます。
自分では何もしないで楽をしたがるのです。

でも、豊かで快適で便利な生活なのに、精神を病んでうつになったり、自殺者が多いというのはどういうことでしょう。
反対に、アフリカのその日の食べ物にありつけるかどうかという子どもたちの方が活き活きとしています。
目の輝きが違います。飢餓や病気で亡くなる子どもは多いですが、精神を病んで自殺する子どもはいません。
神経症になる子どももいないでしょう。これは一体どういうことでしょうか。

それは日々の命をつないでいくために懸命に生きているからではないでしょうか。

そのため考える時間が多すぎるのでしょうか。

我々は考え方を改めないといけないのではないでしょうか。
物質的生活の豊かさを追い求めることは、少しセーブする必要があるのではないでしょうか。
そして、自分の身の回りの日常茶飯事は人に依存しないで、自分で賄っていくことが大切なのではないでしょうか。
お金を払って人任せにしていると、自分の精神状態はしだいに病んでいくのではないでしょうか。
森田ではこのことを「凡事徹底」といいます。
これは人間の生きる原点なのかもしれません。
田舎の住職さんは、このあたりのことがよく分かっておられる人だと思いました。






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Last updated  2015.01.03 16:11:33
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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