森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.01.06
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森田先生は、言葉は符牒であると言われています。
つまり人間同士がコミュニケーションをとったり、思索するために作りだしたものである。

現在頭が痛い。これは事実である。
しかし頭痛が去ったあとに、この感じを思い出して頭痛と名づける。
この時にはかつて経験した印象を外界に投影して、客観的に思い浮かべたものである。
あたかも自分の顔を鏡に投影したような関係である。
鏡の後ろの影はすでに自分自身ではないのである。
この外界に投影した模型を事実と思いちがえる時に思想の矛盾が起きる、といわれています。
ここが大事なところです。言葉は事実そのものとは相当乖離しているということです。


難しいことを言われているようですが、少し整理してみたいと思います。
これは要するに、言葉は事実とはぴたりと一致しないということをいわれているのです。

リンゴを思い浮かべてみてください。
真っ赤なリンゴを思い浮かべる人もいます。
青いリンゴを思い浮かべる人もいます。
スカスカの感触を思い出す人もいます。
酸っぱい味を思い出す人もいます。
ハウスバーモントカレーを思い出す人もいます。
蜜の入った甘い味を思い浮かべる人もいます。
岩木山のふもとの、真っ白い綿みたいなリンゴの花びらを思い浮かべる人もいます。
フラン病にかかった痛々しいリンゴの木を思いうかべる人もいます。

でもよく考えると、人によってそれぞれ連想することは違うという面もあるのです。

つまり言葉とその時、その場で感じる事実そのものは違うということです。
言葉は符牒であり、概念であるから100%信用してはいけない。
それはあたかも地図を見て概略を理解する程度にとどめる。
詳しいことは現地に赴いて自分の目や感覚で確かめることが大切です。

百聞は一見にしかずということです。

悩んだり、とらわれるということは、この信頼できない言葉を100%信用して使っているのです。
そして苦悩に陥ったり、自己否定したりしているのです。
信用できない言葉を使って、精神交互作用を起こして神経症に陥っているのは少しおかしくはありませんか、ということを森田先生は言われているのだと思います。

言葉があるからこそ嫌な感情や不快な感情を増悪させてしまう面があるのです。
始末に悪い面があるのです。
過去を思い出してイライラしたり、腹が立ったり、人を憎んだりしてしまう。
人と比べて劣等感に苦しむ。すべて言葉を使っています。
だから不安、恐怖、不快な感情に襲われた時は、それらと向きになって付き合わない方がよいという面があります。

これを逆手にとって利用するとよいのではないか。
腹が立ったときには、それとは全く関係のないリズム感のある言葉を発するとよいのです。
例えば、お寺の住職さんの読経です。これは意味や内容は全く分かりません。
でも読経にはリズム感があります。
これを口ずさむことによって、精神交互作用が遮断されるという面があります。

ある人が、法事で読経を何度も聞いているうちに、読経のリズムに合わせて、こんなものを作りました。
読経のパロディ版です。不謹慎だと思わずに読経に合わせて口ずさんでみてください。

ニンジンゴボウ筑前煮
ガンモや卵はおでんにせい
寒い冬にはブリ大根
暑い夏には生ビール
飲み過ぎ食べ過ぎ即キャべジン
精力減退養命酒
疲労困憊アリナミン
法事はたびたび開け
お布施はたくさん包め
寺への寄付を忘れるな

チーン

夫婦円満
家内安全
交通安全
往生安楽国

チーン 一同合掌

腹がたったり、イライラする時は、トイレに行って一人この読経もどきを口ずさむのです。
彼は宴会の席でもやっていました。その時は大きな玉のついた数珠のようなものを持っていました。
意外に効果があるので、お試しあれというのです。
うけるというより、あっけにとられてしまいましたが、後で考えると意外と「いいかも」と思ってしまいました。
森田の理にかなっていたのです。





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Last updated  2015.01.06 06:43:18
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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