森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.02.14
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本日の投稿で「是非善悪の価値判断の弊害は森田理論の常識である」と書いた。
ある方から連絡をいただき、そんな森田理論学習は聞いたことがない。
いい加減なことを書かないでほしいとの意見をいただきました。
さらに、それが事実ならもっと丁寧に説明すべきではないのかとのご意見でした。

そう言われてみれば、確かに森田理論のスタンダードな見解とは言い難い。
舌足らずなことを書いて申し訳ありませんでした。深く反省しております。
そこで弁解がましいのですが、もう少し説明させてください。

森田先生は、治るということの説明をされています。
その中に中学卒業程度の治り方について次のように書かれています。

このように「事実唯真」の動かすべからざることを知れば、いまさらいやなものを朗らかにしたり、無常を恒常のものに見替えたり、相対を絶対にしたりする不可能な精神葛藤が無くなるから、ただそれだけで非常に安楽である。」
つまり自然な感情の事実に対して、その事実を受け入れて、自然に服従していく生き方の重要性を説かれています。

ところが治るという意味では、中学の上に大学卒業程度の治り方もあると言われています。
「善し悪しとか苦楽とかいう事は、事実と言葉との間に非常な相違がある。
この苦楽の評価の拘泥を超越して、ただ現実における、我々の「生命の躍動」そのものになりきって行く事が大学卒業程度のものであろうか。」
私はこれこそが是非善悪の価値判断をしない生き方のことを言われていると思います。

つまり思想の矛盾を打ち破ることの大切さは中学卒業程度の学習でよく理解できているのです。
ところが普段の生活では、問題が発生するとすぐにまた「かくあるべし」に翻弄されてしまうのが現実です。
つまり生活の中にしっかりと根付いて、あるがままの生活態度が実践できているわけではないのです。
理論はよく分かっているが、生活に応用することは難しいという段階です。
ここまでの学習を積み重ねている人は数多くおられます。


これはなぜそうなるのかというと、是非善悪の価値判断をしているからなのです。
この部分は森田理論の中でも核心部分にあたると考えています。
是非善悪の価値判断は、他と比較することから始まります。比較の対象は3点あります。

まず頭の中で考えた理想や完璧な状態と現実のふがいない事実を比較して価値判断しています。

次に、他人のよいところと自分の悪いところを比較して価値判断に持ち込んでいます。



価値判断するに当たっては、よいと判定した考え方を支持しています。
悪いと判定した考え方を排除しようとします。
さらに悪い方をよい方に変化させようとする傾向にあります。
どうにも変化させることができないと、悪い方を批判したり、無視したり、否定してしまいます。

私は比較してもよいと思っています。
比較して両者の違いをはっきりと認識するだけなら比較することはよいと思うのです。
ところが普通は比較だけではすみません。いい悪いと価値判断をするのです。

比較だけにとどめて価値判断には持ちこまないというのはとても難しいところです。
強い意志が必要です。
でもこれを続けていたら、いつまでたっても思想の矛盾の打破は不可能ではないかと思うのです。

これは森田理論の核心部分ですが、集談会のなかで、みんなで学習したり議論することはありませんでした。
もしよかったらこれを機会に各地の集談会の学習項目として取り上げてみてください。
ぜひお願いします。






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Last updated  2015.02.14 23:46:07
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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