森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.02.22
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カテゴリ: 神経質の性格特徴
北野武さんの話です。

芸人の資質として、舞台に立っている自分がいて、もう一人の自分が客席にいないような芸人は駄目なんだよね。
よくあるのは客がノってくると、自分も一緒になって興奮しちゃう芸人がいるんだけど、それは違うんだよね。客がノってきたのが分かって、客席に自分がいてノった自分を見ている。
ノっているんだけど、それは冷静にのったふりをしている。

役者でも、カメラの横に自分を置いて演技するっていうのがない奴は全然駄目。
自分の演技を客観的に見られないから、自分が形だけで演技しているから分からないんだ。
例えば、一番難しいのは普通に歩くことなんだけど、役者を歩かせて「手の振りがちょっと小さいんですけど」というと歩けなくなったりする。
ヤクザ役の人に、ポケットから手を出して演ってというともうできなくなる。

北野武さんはおもしろいことをいう。

これは森田では自己内省性という。
森田では我々神経質者は、自己内省力が強すぎて本来外へ向かうべき注意が自分の身体や心に向かい、精神交互作用で神経症へと陥ると学んでいます。
つまり我々の場合は自己内省性がマイナスに出ているのである。

でも北野武さんは、芸人は客観視、自己内省性のない人は大成しないと言っている。
自分の演技を冷静に見つめて、さらに高めていこうとする人でないと伸びてゆかないと言っているのです。
漫才をしていて客が大笑いをしてくれると、客と一緒になって一喜一憂しているとそれだけのものだ。
さらにギャグを飛ばして、大きな笑いの渦を巻き起こすことはできない。
自分の演技に自己陶酔するだけのキレを持つことはよいのだが、同時に自己内省がないと反省することがないので芸はそこで止まってしまう。つまりその芸人は伸びてはこない。

この考え方は森田理論の欲望と不安の関係についても言えることだ。
森田ではどこまでも生の欲望の発揮に邁進しなさいと教えてくれています。
でも欲望に任せてどこまでも物欲を追い求めること、食べ物を世界中から買いあさることは極めて深刻な問題を表面化させる。

常にバランスを取りながら前進してゆかないといけない。
欲望はほどほどに抑制していかなければ、我々の生命の存在が危ぶまれるということである。
欲望の発揮は自己内省力で制御する。
そしてバランスや調和のとれた生き方を目指すということが基本である。
人間はともすると欲望が暴走しやすい。

森田理論をよく学んで調和のある生き方を目指してゆきたいものである。





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Last updated  2015.02.22 07:22:56
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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