森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.03.02
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川崎市で中学1年の上村君が遊び仲間に首の頸動脈を切られて殺された。
大変残忍な事件であった。主犯格は18歳の少年であると報道されている。
事件の詳細は徐々に明らかにされていくであろう。
18歳は少年法から外れて死刑判決になる可能性がある。
そうして解決することを願っている人もいる。

でも、仮にそうなって幕引きを図ったとしても、今後抑止力が働いて再発防止につながることは考えにくい。
これは構造的な問題だからである。対症療法では再発防止はできない。
私はこの問題は、事件の当事者が、命をかけて社会に問題提起をしているのだととらえている。
子どもをどう育てるのか。子どもと社会の関わり方をどうとらえるのか。


さて18歳と言えば1997年の生まれである。
1990年代というのは社会が大きく変わった時代である。
かつて経験しなかった時代の始まりだった。
インターネットが急速に始まったのである。

これは子どもの成長に多くの問題を投げかけている。
子どもたちは外で友達と遊ぶよりは家でゲームをすることが多くなった。
いわゆるひとり遊びである。
外出するのは塾へ行く時、野球やサッカー、水泳などの習い事をするときである。
人間関係を学ぶ機会はとても少なくなった。自然との触れ合いは見るべくもない。

友達とのコミュニケーションは携帯やメール、LINE、ツィッター、フェイスブックのようなのに変わっています。
人間関係は顔を突き合わせなくても、世界の人とつながるようになっています。

そんな時代はまともとはいえません。

テレビを見ていると現代の戦争は、ゲーム感覚だそうです。
家の中でゲームで敵を倒すという遊びを続けてきた子供が大人になり、軍隊に入る。
そして一旦戦争が始まると、今や主力は最前線に行くのではない。主力は空爆である。
近くの自国の軍隊の基地に行き、ステルス戦闘機のような無人の攻撃機をGPS機能を利用して操作する。

ゲームの延長として任務を遂行しているだけのことである。
あるいは戦場からは遠く離れた航空母艦や潜水艦の中にいる。
中東のイラクだろうとイラン、シリア、リビアだろうと遠隔操作できるのだという。
まさに子供時代の遊びの延長である。

恐ろしいことに、これでは爆破されて人が死ぬというリアルな実感が持てない。
心が痛まないのである。
これを拡大解釈すると、管理の甘いどこかの国で核ミサイルのボタンだって押すかもしれない。
一旦ボタンを押すと後戻りはできない。反対攻撃を受けて双方とも全滅だ。

ここで最も大きな問題は、子供時代にバーチャル世界の体験を積み重ねていると、人の痛みが分かるという健全な感情が育たないということである。
そして一旦人の痛みのわからない人間が出来上がると、大人になって取り戻すことはできない。
そういう人間として一生を生きていくしかないということである。

そういう時代背景のもとで、さらに過干渉、過保護、言う事を聞かなくなると自由放任で無視するという育て方をされた子供たちを、我々大人が責める資格があるのだろうか。

この事件は、こういう世の中だともっともっと凄惨な事件は多発しますよと訴えている。
森田を学習している人の中には、将来大変な時代が来ると予測している人もいます。
症状からある程度解放された人は、子どもたちをどう育てていったらよいのか。
社会と子どもたちのあり方はどうすればよいのか議論する必要があるのではないでしょうか。
これは実際に子育てをしていない人たちにとっても切実な問題であると思う。





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Last updated  2024.04.06 11:39:33
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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