森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.03.07
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
2008年6月青森県弘前市のリンゴ園に「ひょう」が降った。
リンゴはピンポン玉ぐらいの大きさだった。
大きくなって出荷すれば、表面の傷は小さくなり、中身の味はまったく変わらないのだという。
だが、表面に少しでも傷のあるリンゴを都会の消費者は買わない。
そうなるとジュースにしかならない。ジュースにするリンゴは二束三文となる。
それによって得られる収入は、冬の暖房費にしかならない。
生活できない。農協への借金が返せない。

工藤貴久さんもそんなリンゴ農家だ。
工藤さんの農園では328本の木すべてに「ひょう」が降った。


この困難な状況に、工藤さんはどう立ち向かっていったのか。
工藤さんはこれまで土作りをしておいしいリンゴを作って、それを消費者に直接販売していた。
その消費者に向けて宣伝用チラシを作った。
工藤農園は周囲の農家の中でも被害が大きかった。
つまり「ひょう」の的中率が高かった。
それを逆手にとって「予想的中リンゴ」と名づけて、年末ジャンボ宝くじを一枚入れて販売したのである。
「予想的中リンゴ」はすべて完売したそうである。

正直なところお客さんに泣きついて「助けてください」とすがりつきたいくらいだったという。
しかし相手はお客さんだ。泣きつくわけにはいかない。
売り手と買い手という距離を保ちつつ、自分の窮状を訴える方法はないものかと考えた。
そんな中で「予想的中リンゴ」は縁起がよさそうだとひらめいたのだという。


ピンチの隣にはチャンスが眠っている。そのいい例である。
普通は悲観的になり、自暴自棄になるのではなかろうか。
事実自殺者が何人もでたそうである。

神様は自分が乗り越えられないような困難や問題、運命は与えないという。
そんな厳しい状況の中でも常に前を向いて打開策を見つめていく生き方。

何回失敗しても、くじけそうになってもよい。
悲観して人生を嘆く期間があってもよい。
でもいつかここに戻ってくることが分かっていればよい。

森田を学習するとそのことが分かってくると思う。
森田が目指している「生の欲望の発揮」を放棄すると、すぐに「かくあるべし」人間に陥ってしまう。
「かくあるべし」人間は自分を苦しみの人生へと引きずりこんでしまう。
森田理論学習で理解してほしいところである。
(こころが折れそうになったとき 上原隆 NHK出版参照)





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Last updated  2015.03.07 07:27:54
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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