森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.03.13
XML
落語に「長屋の花見」という古典落語がある。

長屋の住民はとても貧乏な人が多い。
桜の花見の時、卵焼きやかまぼこを持って行きたいけれどもない。
そこでどうするかといえば、たくあんを卵焼きだと思っている。
大根をかまぼこだと思っている。
お茶をお酒だと思っていくわけです。

そうすると面白いやり取りになる。
「このかまぼこいいね。どこの産だろうな」
「そりゃ、練馬でしょう」

「どうしておいしんだ」
「そりゃ、茶柱が立ってますからね」
面白い落語である。こちらまで楽しくなってくる。

普通の人間は、そういう貧乏の家に生まれると、運命を呪う。他人をうらやむ。
自分で自分を否定する。自己嫌悪の塊となる。
他人に対しては隠して取り繕うとする。
つまり「かくあるべし」で現実、現状、事実を否定しているのである。
否定するところから生まれてくるのは、息苦しさだけである。
思想の矛盾で葛藤や悩みを抱えるようになるのである。
つまり上から目線で現実を見ているのである。

それに対して長屋の住人は違う。現状を認めている。

自分が苦しいから、人の気持ちがよく分かる。
長屋の住民は人情豊かに助け合いながら生きている。
その中でまったくあきらめているわけではない。
お粗末だけれども創意工夫をしている。
自分の不幸な運命を隠さずに、公開している。

目線は下から上を向いているのである。
そこには「かくあるべし」はない。
どこまでも事実本位、物事本位の態度である。

私たちはこういう場合、不幸の身の上を嘆く。
そして目につかないように隠す。でも周りの人はお見通しなのだ。
隠そうとすると、周りの人はその話題に触れないように、気を配る。
そこに注意を払うからとても気疲れするのである。自然に人が離れていく。

それが自分の欠点や境遇、ミスや失敗を隠さずに公表すると安心して付き合える。
ユーモアというオブラートに包んで提供すると自然に人が集まってくるのである。
ユーモア小話にして周囲を楽しませるというのは、すごい能力の持ち主だと思う。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.04.06 23:31:59
コメントを書く
[野菜作り、花、風景、川柳、面白小話など] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

メダカを飼っています New! 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: