森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.05.01
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子供がよちよち歩きを始めて、屋外で遊ぶようになると、母親は近所の児童公園に子供を連れていく。
公園には、それより前から遊んでいる母子たちのコミュニティが存在するので、上手に「デビュー」してその一員として認められなければならない。
デビューに失敗し、ママ友から仲間はずれにされれば、公園はもちろんのこと、近所でも居場所がなくなってしまう。
公園で親子で遊ぶということは戦場にいるようなものなのだ。

自分がうまく「ママ友の輪」に入ることができても、まだ安心はできない。
自分たちが仲よくするのは当然のことで、同様に子どもたちも「子供たちの輪」にうまく溶け込み、喧嘩することなく、仲良く遊ぶ義務がある。
母親は、いざ公園に来て、ママ友とそつなく会話しながらも、横目で「ウチの子はちゃんと仲間に入れてもらえているか」「よその子を叩いたりしていないか」と、ずっと目をひからせていなければならない。神経を酷使するばかりで、休まる瞬間はない。

実際、ちょっと子供がじゃれあった程度で、母親たちは、すごい剣幕で飛んで来る。
だから、子供たちも、母親の顔色をうかがいながら遊んでいる。

問題がこじれば、その親子は公園に「出入り禁止」となってしまう。

そこでそれを回避するために、自宅のすぐ近所に設備の整った公園があるのに、わざわざ車や電車に乗ってまで、遠くの公園に出張する親子がいる。
また公園で遊ぶこと自体を子供に禁止する親もいると言う。
(なぜ若者はトイレで「ひとりランチ」をするのか 和田秀樹 祥伝社 49ページから引用)

これは、母親自身が仲間から無視される、排除されてはならないという価値観が強いのだと思います。
仲間に受け入れられないと生きている心地がしない。
だから相手の気に触るようなことは正当な理由があっても決して言動に出してはならない。
言いたいことがあっても我慢する、耐えるという姿勢を貫いているのだと思います。
人間関係という荒波を無難になんとか切り抜けてゆかないと自分の人生はまっ暗闇だ。

そういった考え方が染みついているのだと思います。
そしてそうした価値観を小さいときから自分の子供たちに教え込んでいるのです。

そして子どもたちもみんなと仲よくすることが一番大切なことなのだ。
人を傷つけても、自分が傷つくこともどちらも許せないのです。
集団から排除されるということは、自分に問題があるのだ。そんな大人になってはいけない。
そういう価値観を絶対的で唯一のものとして刷り込まれてしまったのです。それは実に不幸なことです。

人間関係の全くない仕事はありません。仙人のように一人で生きていくことはできません。

反対にチームを組んでする仕事。上下関係のある仕事。対人折衝のある仕事。
営業の仕事。人とかかわるような仕事は敬遠されるようになります。

そういう人間関係のみの価値観に凝り固まり、翻弄されることとてもつらいことです。
せっかく人間に生れて来たのです。なんとか打開策を見つけたいものです。
そのために、まずはそういう状態にあることを自覚すること。そして多様な価値観を知ること。
さらに森田理論を学習して、「生の欲望の発揮」について理解していくこと。
自分の生活を少しずつ森田的な生活に転換していくこと等が大切なのではないかと考えています。






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Last updated  2015.05.01 06:45:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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