森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.06.01
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プロ野球観戦に「かくあるべし」を持ち込むとどうなるのか。
自分の贔屓のチームを応援している人も多いと思います。
そういう人の中には贔屓のチームが勝てばうれしい。
球場やテレビで観戦していたのに、スポーツ番組が始まるとすぐにチャンネルをあわせる。
それもいろんなチャンネルをみる。あくる日になると新聞でスポーツ欄から見る。
なかには駅でスポーツ新聞を買い求めて見る人もいる。野球三昧とはこのことか。

ところが反対に負けると大変なことになる。しかも連敗すると目も当てられない。
まずすぐに機嫌が悪くなる。家族や仕事仲間にあたり散らす。
その日のスポーツ番組は一切見ない。スポーツ番組が始まるとすぐにチャンネルを変える。

あくる日の新聞のスポーツ欄は見ないようにしている。なかには新聞自体見ないという人もいる。
そしてにわか解説者になって監督の采配、打たれたピッチャーや打てなかったバッターの批判を繰り返す。
それでもこのイライラ感や不快感はとれない。

そしてしばらくは贔屓のチームの試合は見ないようにする。
すると入れ込んでいない分、勝っても負けて不快感やストレスが少なくて済むのである。
でも心の中ではいつも気にかかっている。
野球依存症にかかっているようなものだから、一生抜け出すことはできない。

こうゆう現象はなぜ起こるだろう。私は「かくあるべし」が関係していると思う。
贔屓のチームがあるということは仕方のないことです。
好き嫌いは自然現象ですからどうすることもできません。
でも贔屓のチームが絶対に勝たなければならない。

セットアッパーや抑えのピッチャーは抑えるのが当然だ。
ホームランバッターは全打席ホームランを打ってほしい。
ホームランが打てない選手はチャンスでヒットを打たなければ承知しない。
こう考えているとその期待は半分以上はつねに裏切られる。
現実と理想のギャップでイライラしたり腹が立って仕方ないのである。


だいたいレギュラー選手で年間450以上打席に立つが、ホームランはよく打っても40本ぐらいのものだ。
15打席で1本のホームランが打てればホームラン王になれる可能性がある。
4試合に1本も打てればよいのだ。ホームランの確率としては1割以下である。
それでもホームラン王になれる可能性のあるスポーツなのだ。
逆に言うと、いくらホームランバッターであっても冷静に考えれば9割はホームランは打てないのだ。
そこで打つ確率は非常に少ないという前提であわよくばホームランを打ってほしいと期待するのか。
あるいは当然ホームランを打ってもらわないと自分の気がすまないと考えるのか。その違いは大きい。

チャンスで2割そこそこのキャッチャーに打席が回ってきた。
確率から言えば10回に8回は凡打に倒れている選手である。
その選手に絶対タイムリーを打たないと私が許さない。と入れあげてしまうのか。
確率は極めて少ない。でもピッチャーがピンチに動揺して暴投することもある。
あるいは手元が狂って打ち頃の球を投げることだってある。
さてこの場面そんな状況にならないかなと期待してみる。

ここで仮にタイムリーを打てばこの上ない喜びになる。
でも打てなくても、悔しいけれども想定の範囲と納得できるのではないだろうか。
つまりデーターを見ると野球はそもそも成功確率の少ないスポーツなのである。
その成功確率は3割以下である。
それを前提にして、失敗してももともと、成功すればラッキーという気持ちで観戦すればそれほど私生活に大きな影響を及ぼすとは考えにくいのである。





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Last updated  2015.06.01 06:32:08
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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