森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.06.20
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羽生善治さんの話です。
イチロー選手は、目で判断するストライクと体が判断するストライクが違うことがあると言っていたという。
つまり選球眼は「ボールだ、打つな」と判断しているのに、体は「打てる、ストライクだ」と反応しているような状態ですね。どちらを優先したらよいのでしょう。

そういう時イチロー選手は、より直観的な反応である体の判断の方を優先するらしいんです。
イチロー選手がワンバウンドするような低いボールをヒットにする場面が時々あるのは、その結果ではないでしょうか。
つまり目よりも範囲の広い全身で選球している。

イチロー選手は動物にもある大脳辺縁系の感覚をとても大事にしているということです。
大脳辺縁系は本能的な欲望、直観、不安や不快などを感じるところです。
それを、何はさておいても大切に取り扱っているということです。


大脳新皮質で想起される理知、記憶、判断を常に重要視しているのです。
本能的な欲望、直観、不安や不快などは暴れ馬のようなものだから、常に抑圧していかないとダメなのだと決めつけているのです。
本能的な欲望等は扱いにくく困ったものとみなしているのです。

この状態は、車は前に進みたがっているのにサイドブレーキをかけているようなものです。
全然進まないことはないが、大きな力が要ります。
無理をしているのでブレーキシューが摩擦熱で焼け切れてしまいます。
人間でいえば欲望を無理やり押さえつけているのでストレスが蓄積されます。
森田でいう思想の矛盾が引き起こされます。

森田ではよく「感じから出発して理知で調整する」と言われます。
つまりここでいう大脳辺縁系の本能的な欲望、直観、不安や不快などをまずは優先的に考えなさいということです。
自分の感情、気持ち、気分、思い、体の感覚、欲求、意志、希望、快か不快か、好きか嫌いかを優先していいのです。


理知で調整するというのはそのあとのことです。
普通の人は精神拮抗作用が働いて、行き過ぎる欲望に対しては自然に制御がかかるようになっているのです。
この点は依存症の人以外は安心していいのです。
むしろバランスが崩れて抑圧、制御過多になってしまうことに要警戒する必要があるのです。
(勝負哲学 岡田武史&羽生善治 サンマーク出版 76ページより一部引用)






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Last updated  2015.06.20 06:11:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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