森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.11.05
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カテゴリ: 感情の法則
赤ちゃんを抱きしめたりおんぶすることはとても大切なことだそうだ。
おんぶは身体が不安定になりますから、子どもは自分の腕を使ってしっかりとしがみつく。
その時前庭感覚(重力・平衡感覚)や固有感覚(筋肉・関節など)が刺激され、大人の身体からの振動・呼吸が伝わり、親子が皮膚を接触させリズムを共有した。
あるいは顎を肩において、親と同じ視線で見た。物を一緒に見ることで言葉を覚える訓練もできたのです。
一つ一つは小さいことですが、こうした子供の身体の基本的な発達を促してきた育児の形が、今、どんどん失われているのです。

現代の子どもたちは、見る、聞く、臭う、味わう、触れる等の五感を使った感覚体験もどんどんと少なくなっています。
これは昔と違って遊びそのものが変化してきた影響が大きいようです。
今の遊びは家の中でテレビを見たり、ゲームをして過ごす。
バーチャル世界での遊びが中心だ。

自然の中で身体を鍛えたり、五感を育てたりする機会はどんどんと失われている。

五感を軽視しているとどうなるのか。神経症でいえば強迫行為と関係がある。
強迫行為は、ガスの元栓、玄関戸のカギ、手を何回も洗うなどが気になり生活に支障を起こしている状態です。この方たちは五感の感覚をほとんど信用できない人たちです。
目や耳等で確認したにもかかわらず不安に取りつかれてしまうのです。
これは小さいころから五感を鍛えることが少なかったことが関係しているのではないだろうか。
記憶としてしっかりと定着していない。
五感を信頼するという体験が希薄であるために、信用できないのだ。

小さいころから実際に現地に足を運んでよく観察する。
実際に鳥の声や小川のせせらぎを聴く。スポーツ会場で実際の試合を見る。
実際のコンサートを聴きに行く。
花の匂い、食べ物の匂いを嗅いでみる。実際に釣り上げた魚をさばいて料理してみる。

あっても普通の人と比べると圧倒的にその体験が少なかったことが考えられる。

実際に自分の五感で感じた感覚は、人から聞いただけ、テレビで見た感じ、ゲーム等で体感することとは質も量も大きく異なる。
それらが膨大な感覚記憶として蓄積されていくのである。
そして大脳の中で、その人の好き嫌いや、価値観、信念などと統合されていく。
統合されることでその人のアイデンティティを形作っていく。

もし五感がとても貧弱なものでしかないとすると、知覚統合ということから見ると、とても心もとない。

森田理論では、感じ、五感というものをとても重視します。
感じの発生。感じを高める。すると気づきや発見がある。
すると意欲ややる気が出てくる。それに基づいて行動すればいくらでも成長できる。
その出発点は五感を鍛えるということなのである。
それは今からでも遅くはない。実体験を基本とする生活を送ることである。
(五感の故郷をさぐる 山下柚実 東京書籍参照)






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Last updated  2015.11.05 07:11:44
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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