森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.12.15
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(学習テーマ) 感じを発生させる、感じを高める

(学習のねらい)感じを発生させて感じを高めることの意義とその方法について考えてみましょう。
この部分の内容は森田理論全体像の1、「生の欲望の発揮」に含まれています。

(内容説明)
森田先生曰く。
ここでの修養の出発点は、物事に対する「感じ」を高めてゆくことである。
我々は、見るもの・聞くものなにかにつけて、ちょっと心をとめていれば、必ずなにかの「感じ」がおこる。
かりそめにも、これにちょっと手を出しさえすれば、そこに感じが高まり、疑問や工夫が起こって、興味がわく。
これを推し進めてゆけば、そこにいくらでも進歩がある。

目の前のことに手をだしてみる。部屋の掃除、風呂の掃除、靴磨きなど。
そこに何かの感情が生まれる。しばらく経つとどんな感情も流れてゆく。
我々はすでに起きてしまった感情はやりくりすることはできませんが、手をつけることによって新しい感情を作り出すことができます。
新しい感情が次から次へと生まれてくるようになれば、一つのことにだけこだわってはおられなくなります。

感じの発生はやる気、意欲、モチュベーションの高まりのきっかけとなります。
本来人間の行動は、まずそのきっかけとなる外部の出来事があり、次にそれに対して感情が湧いてきて、最終的に自主的、積極的な行動へとつながります。
たとえば、1「火事になった」、2「身の危険を感じた」、3「急いで逃げる」という流れになります。

また、1「腹が減った」という出来ごとに対して、2「ご飯をたべたい」という欲求が湧いてきます。
それから3「食事を作るか食べに行く」という行動が発生します。
つまり「食べる」という行動には「腹が減った」という動機が関わっています。
でも動機が直接的に行動へと結びついているわけではありません。

人間が生きていく上において、「動機の発生」、「感情の高まり」はとても大切なのです。
自主的、積極的、創造的行動においては、必要不可欠なものといえます。

「かくあるべし」でこうしなさい、ああしなさいと他人からの指示を受けて行動するということは、「動機の発生」もない、「感情や意志の力もない状態」で、いきなり「行動を押し付けられる」ということになります。

本来は感情を介在させることで自主性や積極性が生みだされるのです。
それが抜け落ちてしまうのです。



その時森田先生は「ものそのものになりきる」と言います。この態度が大切です。
わしは風呂を焚くときには風呂焚きになりきり、診察する時は医者になりきり、将棋をさすときには将棋さしになりきる。
つまりなにをやっても全力をつくすのだ。この心構えが大切です。

さらに感じを高める方法について考えてみましょう。
四字熟語に「少欲知足」「吾唯足知」という言葉があります。
あまりにも欲をかき過ぎてはいけないということです。
食べ物も腹いっぱい食べてはいけない。欲しいものも多少我慢する方がよい。
お金も多少不足するくらいがよい。仕事も不満がある方がよい。
住むところも冷暖房完備の至れり尽くせりの家でなくてもよい。
容姿も二枚目でなくてもよい。少し心配事がある。少し不安がある。少し腹が立つ。
もう少し眠たい。少し病気がある。テストでもっとよい点数をとりたい。
もう少し楽しみたい。もう少し飲みたい。もう少しゲームをしたい。

そういう気持ちを持っていてもよいが、ほどほどのところで我慢することである。
すると元々持っている感性や感受性が強まります。
満ち足りた人が感じないような微妙なことを鋭くキャッチできるようになります。
さらに意欲、気力がでてきます。そして困っている人のことを思いやる気持ちも自然に湧いてきます。
このほどほど道という考え方は感性を鋭くさせる効果があります。

(話し合うテーマ、課題)
・感じを発生させ、感じを高めるとどんな効果があると思われましたか。
・自分の生活の中に活かすとすると、どんなことに取り組んでみたいと思われましたか。





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Last updated  2024.06.02 23:12:54
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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