森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.12.29
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対人恐怖症が治るということはどういうことか考えてみました。
対人恐怖症の人は他人の思惑ばかり気にしています。
他人が自分を大事に思ってくれているかどうが気になるのである。
反対に拒否されたり、無視されたり、否定されることは耐えられないのです。

では対人恐怖症が治るということは、他人の思惑が気にならないことだろうか。
答えは否である。だいたいそんなことはあり得ない。
そういう不安を問題にしてはいけない。
それを抱えながら生活がどう変化しているかが判断材料になる。
日常生活が規則正しく、きちんと送ることができているかどうか。


人と比較するのではなく、それを自分の過去と比較するのである。
過去よりも多少でも活動的になっていれば、対人恐怖が改善できているのである。
治ったかどうかというのはそこが問題である。

決して不安が無くなっているとか、軽くなっているかいう問題ではない。
気分の問題ではなく、生活が前進しているかどうか。ここが問題なのだ。
決して不安という気分を物差しとして判定してはならないのである。

例えば不安でビクビクハラハラしながら定年まで勤め上げました。
こういう人は対人関係の苦しみが強くて、自分では納得できないかもしれないが、神経症を克服したと言えるのである。
さらに趣味や目標を持って、一心不乱に打ち込むことができたという人。こういうことができている人はさらによくなっている人である。

でもうつ状態が続いて、気分が悪く、死んだ方がましだと思っていても治ったと言えるのですか。
そんなのはうそだと反発がかえってきそうです。確かにそれはきついです。


第一段階で不満足な人は、その段階を目指して行動すればよいのです。
森田先生は、感情、自分、他人、自然を自分の意のままにコントロールしてはならないと言われています。
自分の思い通りにならない事実を、そのままに認めて、受け入れるようにすれば苦しみはなくなると言われています。
つまり「かくあるべし」で物事を上から目線で見るのではなく、どんなにか理不尽で我慢できないような出来事でも、事実を事実として受け入れていくということです。
これを森田理論学習では思想の矛盾の打破といいます。

方法としては「私メッセージ」「純な心」を使ったコミュニケーションを心がける。
他人の話を傾聴し、受容と共感の態度を前面に押し出す等です。

まだまだ良くなりたいと思われる人もあるかと思います。
森田理論学習ではまだ上の段階の治り方も指導しております。
森田理論では、事実はよいとか悪いとか、正しいとか間違いだとか価値判断をしてはならないと言われています。
事実はよく観察する。細かく具体的に話す。両面観で見る。私たちに許されるのはそこまでです。
その先、先入観や決めつけ等でいい悪い等の価値判断をしてはならないということです。
価値判断をしない、事実唯真の態度です。
こういうことが過去と比べて改善できているかどうかが肝心なところです。
改善できていれば、神経症はほとんど良くなっているというわけです。
決して気分的に楽になっているかどうかで判断してはいけません。
行動や事実がどう変化してきているかが決め手となります。
行動に重きをおいていると、次々と不安にとらわれることはあっても、次から次へと流すことができるのです。

最終的にはその段階を経て、「生の欲望の発揮」に向かってものそのものになりきっている段階が理想です。





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Last updated  2015.12.29 07:00:10
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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