森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.01.08
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心理学では「ピグマリオン効果」が知られています。
これはある実験で、先生に「クラスの生徒の中でこの子は、本人が気がついていないかもしれないが、IQが非常に高い子なのです」と知らせます。
実はそれはウソで、普通の子なのです。
ウソの情報を先生に教えて、そうして、1学期、2学期の間過ごします。そうすると不思議なことにIQが高いとされた子どもの学力が本当に上がるのです。

なぜかというと、先生が「IQが高い子なんだ」ということを思いこんでいるからです。
もちろん先生としてはIQが高いかどうかにかかわらず、すべての生徒を公平に扱っているつもりです。
しかし、「IQが高い子だ」という先入観を持っているので、気がつかないうちに、他の子よりも少しだけ手をかけるのです。
そうするとその子は、「先生が手をかけてくれたので、ちょっとがんばろうかな」と思って頑張るわけです。
そのことによって、先生は「ああ、この子は本当に頭がいいのだ」と思い込みを強くするわけです。

先生が持っている先入観、思い込みによって、先生の行動が変わり、その影響を受けて相手が変わり、それで自分の思いがさらに強くなるのです。

マイナスの思いこみ、否定的でネガティブな思い込みを持っていると、人間関係が悪化してくることがあります。
例えば、新しく赴任してきた管理職が前管理職から引き継ぎを受けます。
部下についての人事評価もあります。
自分に何かにつけて反発して、営業成績もノルマ以下の営業マンについて、「彼はやる気が全くない。仕事に対する熱意のない最低ランクの営業マンです」といったとします。
新管理者が前管理者は彼のことをそう思っていたのか。
でも事実を確かめてみないといけないなと思ってくれると救いがあります。
逆に新管理職がそれをまともにとってしまうと、彼は浮かばれません。
昇進の道は断たれて、相互に悪影響を与えあって対立関係に陥ってしまいます。

神経質者は事実をよく見ないで、先入観や思い込みで悲観的、否定的に考えることが多いように思います。
そう考えたときには、その根拠となる事実はあるのか。

(アドラー実践講義幸せに生きる 向後千春 技術評論社 82ページより引用)





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Last updated  2016.01.08 06:56:50
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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