森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.06.23
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サボテンというのは、熱い砂漠のような、水分の非常に少ないところに生えています。
ですから、極力外に水分を発散しないようになっています。
サボテンの原木というものには、やはり葉やトゲが生えていますが、それがだんだん進化して、砂漠のような所に適応するようになっています。
つまり、表面積をできるだけ少なくして水分の発散を防ぐために、あのような球体、あるいは棒状のようなものになったのです。
そういう水をたくさん貯えている体は外敵にやられやすいから、そのためにトゲをたくさん生やしているのです。
自分では意識しないけれども、適者生存でそういうふうに進化してしまったのでしょう。

ラクダは砂漠で生活するためにコブがあります。
そのコブの中には脂肪がたくさん入っており、エネルギー源ともなるし、分解して水分にもなります。
また砂嵐のとき、鼻に砂が入らないように皮や肉が垂れ下がっていて、足は広がって砂にうずまらないようになっています。


そこのところを間違う人間をよく見かけます。
高良興生院には植木鉢がたくさんあります。
患者がそれに水をやりますが、雨上がりの充分に水を含んでいる鉢に、ジョロでざあざあと水をやっている患者がいます。
「雨上がりに水をやるのはどういうわけだ」と聞くと、「いや、先生、私は、毎月一回水をやるように決めておりますから」という答えが返ってきました。

自分の主義で外界を律しようとする。
そういう弾力のない、いわゆる教条主義といいますか、頑固に自分の主義を守って、少しも変化することができない人が神経質にとらわれている人に多いのです。
外界の変化に応じて、我々がどんどん変化しなければ、順応していくことはできないのです。

神経質の陶冶というものは、自分が「こうあるべきだ」ということではなく、自然は「こうである」という現実に従って、自分が変化して順応していくものです。
もちろん、自分の「こうでありたい」という理想というものは、あってもさし支えないが、誤った理想主義、いわゆる完全主義、あるいは「こうであるべきだ」ということにいつもとらわれて、「こうである」現実に順応できないという態度では、神経質の陶冶はできないわけです。
私たちはカメレオンのように周囲の状況に合わせて、素早く変身できるように心掛けるべきなのです。
(どう生きるか 高良武久 白揚社 139、185ページより引用)





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Last updated  2016.06.23 08:01:21
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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