森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.07.24
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カテゴリ: 行動のポイント
スポーツ選手でよく「ゾーン」に入ったということを聞く。

「ゾーン」に入ると、あとで考えると雑念や邪念が消えて無心の境地になっていた。
無我夢中の境地になって、普段練習でできていたことがそのまま発揮できる。
目の前の競技に集中している。
プレッシャーを感じることなく最高のパフォーマンスが出せる。
それ以上に目に見えない何かが味方してくれて思っていた以上の成果が出せる。
その時は、自分自身なんともいえない満足感、達成感、充実感、幸福感を感じる。
天真爛漫で至福のひとときを味わっているのである。
「ゾーン」に入った世界は、争うこともなく、気分は高揚していて、しかもリラッススして精神的に迷いがなく満ち足りた気持ちになる。

またこれはユングの「普遍的無意識」あるいは「集合的無意識」と言っていることに合致しているように思える。
意識世界でしがらみでがんじがらめになっている状態から抜け出して、本来持っていた人間の奥底にある無意識が目覚めている瞬間であるともいえる。

「ゾーン」を体験した人は、また勝負を度外視してもその時の心境になりたいと思うという。
それぐらい心地よい満ち足りた状況なのである。
「ゾーン」にはいった選手や芸術家のパフォーマンスは、それを見ている人にも感動を与える。
つまり無意識の奥深くのところで共鳴現象を起こしているものと推察される。

その時の状況を、水泳の高飛び込み競技の寺内健選手は次のように言う。
(高飛込とは、5m、7.5m、10mの高さに固定された台からプールに飛び込みその美しさを競う競技です。寺内選手は4度のオリンピックに出場している)

「飛び板の先端に降りる軌道を自分で作りだすことは本当に難しいです。
そこさえうまくいけば、もう後は自分の空間をつくれるんです。
試合で不安なときは飛び板が短く見えます。

試合で調子がいい時は板が長く見えるので、かなり大きく使えます。
その差は50センチぐらいに感じられます。

板に乗ったあとは自分が演技するパフォーマンスが、コマ送りの写真みたいな形で、静止画でポンポン出てきて、その通りはまるという感じです。
シドニーオリンピックの時には自分の足跡が先に見えました。
調子の悪い時は、身体の周りになんか、ねちょねちょしたものがとりついているような感じですね。

飛び込みの演技は入水するまでにかかる時間は約1.6秒なんです。
調子のいい時は3秒ぐらいに感じられます。
調子の悪い時は0.5秒か、長くても0.9秒ぐらいにしか感じないです。
1.6秒に感じる時は、多分空間を大いに使えているということではないですかね。
1.6秒をみっちり使っているということだと思います」

飛び板が長く見えたり、入水時間が長くなったように感じたりするというのは不思議です。
そう言えばプロ野球の川上哲治氏は140キロのボールが止まって見えたといっていました。
長島茂雄氏はボールがソフトボールぐらいに大きく見えたといっていました。
「ゾーン」に入ると自分の有利なように状況が変化したように錯覚するのだと思います。
この「ゾーン」入ることを森田理論ではなんといっているのか。
これはずばり「ものそのものになりきる」ということだと思う。
これについては明日以降さらに投稿してみたい。
(「ゾーン」の法則 志岐幸子 祥伝社参照)





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Last updated  2016.07.24 06:30:02
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
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