森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.08.08
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カテゴリ: 行動のポイント
森田理論で「ものそのものになりきる」ということを、スポーツの世界では「ゾーン」に入るというようだ。

うまくいくだろうかという不安が退き、今の演技に集中でき、一心不乱の心境にある。
「ゾーン」に入らないと、予期不安などに圧倒されてよい結果が出ないため、アスリートたちは、「ゾーン」に入ることを願い、その手立てを見つけて、実践しようと躍起になるものです。

ところが実際に、「ゾーン」に入り、想像以上の結果を出した選手達は、一様に、「ゾーン」の中では「結果なんてどうでもいい」と感じ、その直後には「結果はどうでもよかったんですが、最終的には素晴らしいパフォーマンスができて、評価も満点だった」と話します。
これは非常に興味深いことです。
ベストの結果を出すために「ゾーン」入るべく鍛錬をしてきたアスリートたちが、「ゾーン」に入った途端、結果はどうでもよくなり、それにこだわらなくなっているというのです。

「ゾーン」の扉の前に立つまでは、勝利への執着心は、たしかに必要なものでしょう。
しかし、「ゾーン」体験では、「こだわりがない」「とらわれない」「結果に固執しない」という特徴がありました。

つまり、パフォーマンスをする直前まではベストの結果にこだわり、「ゾーン」を目指してはいても、「ゾーン」に入った瞬間には結果へのこだわりを捨て去り「ゾーン」入れるかどうかにはとらわれないレベルにまで、その意識は変容したということなのです。


物質レベルから意識を離すことが、「ゾーン」の扉をあける鍵なのです。

アスリートたちは、「ゾーン」という幸福な瞬間を一度体験すると、再びそれを体験したいと願うものです。
彼らは、記録や勝利よりも、その瞬間こそを求めてスポーツをしているのです。
このことは、偉大な芸術家も科学者も同じであり、そこに人類共通の幸福感があります。

競い合う場での「ゾーン」は、確かに一種の戦いの場です。
しかし「ゾーン」に入った人々が実際に手にするのは、調和と満ち足りた気持ちです。
ですから、「ゾーン」に入った人にとって、戦いそのものは、二の次になってしまうのです。
それよりも、物質と精神の世界が一つになった「ゾーン」というもう一つの世界に出会ったこと、その世界を知ったことの方が重要だと分かるのです。

「ゾーン」に入ったアスリートたちの姿を目にした人々もまた、感動し、癒され、元気になれるのは、「ゾーン」という世界が、平和で幸福に満ちた世界だからに違いありません。

森田理論の「ものそのものになる」というのは、目の前の課題に対して、お使い根性ではなく、もう一歩踏み込んで一心不乱に取り組んでみることと言われています。
すると、感じが発生して、興味が湧き、気づきや発見が生まれてくると言われています。


「ゾーン」の世界へは、「ものそのものになること」で、そのうち自然に入っていけるようになるのではないでしょうか。
その世界は結果がすべてではなく、プロセス重視の森田理論にもつながってゆきます。
(「ゾーン」の法則 志岐幸子 祥伝社 231ページより引用)





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Last updated  2016.08.08 06:25:30
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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