森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.09.03
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生活の発見会の集談会では「傾聴、共感、受容」ということがよく言われる。

特にネットを使った学習会では、相手と1回も顔を合わせないで文章だけでやりとりをする。
面と向かっては自己開示ができないという人には、たしかに取り組みやすいという面がある。
しかし大きな落とし穴もある。
1回でも顔を合わせていれば、気に障ることを言われてもすぐに反発をしないケースもある。
ところが、面識が全くないと、少し気に入らない書き込みをされると、ものすごい剣幕で反発される人もでてくる。
言いたい放題で逆に相手を誹謗中傷することにもなる。
だから、よほど注意して、当たり障りのない、自分の感情を少し抑えた書き込みをしないとすぐに対立関係になる。

しこりとなり、トラウマとなって、相手を憎み続けることになる。
ネットを使って学習する場合は、事前に1回は会っておく。
あるいは顔写真は公開しておく。
あるいはスカイプなどを一部取り入れてみる等の工夫をする必要があると考えています。

その上で、今日は「共感的受容」について考えてみたい。
たとえば、ある人が集談会でこんな相談を持ちかけた。
私の会社の上司は、いつも私のもう一人の同僚ばかりと親しく雑談をしている。
私には冗談を言うことはなく、話をするときは注意や叱責されるときです。
私はその対応に大変憤りを感じています。

こんな相談を受けたとき、あなたならどう対応されますか。
「かわいそうにね。気持ちはよく分かるわ。上司がエコひいきしているのね。

私も以前そんな経験があった。
イライラして、いつか上司をぶん殴ってやりたいと思っていた。
そのためにうつになったら責任をとらせてやると思っていたよ」

こんな対応をしてもらうと、話を受け止めてもらって、同情してもらい気が楽になるかもしれません。
でもそれだけの事です。解決への糸口は見つかりません。

こういうのは「同情」といいます。
「同情」中心の対応をしていると、集談会への参加者は減少してくると思います。

「同情」と「共感」は似ていて非なるものです。
それでは「同情」を一歩超えた、「共感」というのはどういう対応を言うのでしょうか。

「その上司はあなたの同僚と和気あいあいと冗談を言い合いながら楽しそうに仕事をしているのですね。
あなたにはめったに冗談をいって親しく話しかけてくることは全然ないのですね。
話しかけてくるときは仕事のミスや仕事の遅れを指摘したりする時だけなんですね。
そんな状況がずっと続いているようですね。
そんな対応に対して、あなたはものすごく腹が立ったり、イライラしたりされているのですね。
あるいは嫉妬したり、一人のけものにされて、不安になっているのでしょうか。
そしてますます上司との対話がうまくいかなくなって、どう接していいのか分からなくなってしまっておられる感じでしょうか。
今ではその上司や同僚に嫉妬したり、腹立たしさばかりがどんどん膨れ上がってきている」

これは相手に同情しているのではありません。
まず相手に寄り添って話をよく聞いてあげています。
そして相手のイライラの状況や不安な感情について繰返して相手に確認しています。
そしてそこから相手がもっと悩みや感情についてより深く話してくれるように発展しているのです。
次に今のあなたの状況と感情を「私はこういうふうに理解しましたが間違いありませんか」と確認しているのです。
すぐに自分の意見や対処法を話すこととは大きく違います。

たとえば相談者がこんな話をします。
「そうなんです。私も同僚みたいに上司と会話がしてみたいとは思っているんです。
でも私はそんな機転のきいた話はできないからどうにもならないんですよ。
だから毎日職場では疎外されていてつらいんですよ」・・・・。

このように「共感」というのは、まず相手の今抱えている悩みに寄り添うことが大切です。
次にその時の状況や湧き起っている感情をお互いに確認し合う。共通認識を深めていく。
相手はそこで感じたことや思いついたことをさらに話して、会話が深まっていく。

そういう会話を続けているうちに、次第にもつれた糸がほぐれるように、解決の糸口を相談者自らが見つけ出せるようになれば集談会に参加された意味が大いに出てくるのです。
そういう意味で、今の体験交流をふり返ってみると、そういう会話が少ない。
あまり相手のことを分かっていない段階で、性急にアドバイスなどをしすぎることがあると思います。





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Last updated  2016.09.03 06:34:51
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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