森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.06.01
XML
オランダは、 1970年には合計特殊出生率が2.5を超えていた。
ところがその後、日本と同様に、急速に少子化が起き、 1985年には1.5まで低下した。
しかし、そこから徐々に回復を遂げ、 2000年には1.7まで上昇し、 2010年もその水準を維持している。
オランダは自殺死亡率も非常に低く、日本の3分の1程度であり、生活満足度も世界トップ水準である。

オランダは、愛着障害についての研究が、世界的に最も盛んな国の1つである。
オランダは、その成果を踏まえて、パートタイム革命を行った。
パートタイム労働者は、賃金などの差別なしに正規雇用されるようになった。
これにより、特に働く女性は出産や子育てと仕事のバランスをとることが可能になった。
オランダの出産休暇は産後16週間で、ヨーロッパでは特別長いわけではないが、出勤日数や出勤時間を調整することが権利として認められているので、無理のない範囲で働くことができる。


労働時間自体は世界で最も短く、オランダの労働者の年間労働時間は、アメリカと比べると500時間以上少なく、日本との差はさらに大きい。
残業は原則禁止である。夏には3 ~4週間の夏休みを取るのが普通である。
その分、プライベートや子育てにゆっくりと時間をかけることができる。
午後6時には、家族揃って夕食をとるというのが一般的である。

オランダは小さい頃はとても子供かわいがることで知られている。
他の先進国に比べて保育所を利用する人の割合が低く、 1980年代初めまでは1割程度であった。
その後もその傾向は続いている。

デンマークでは1984年から20週間、さらに翌年からは24週間の有給の出産休暇がとれるようになった。
出産後の2週間は、父親と母親の2人でとることができる。
また、 8歳までに、両親は1人の子供に対して合計1年間までの育児休暇をとることができる。
これを出産休暇と抱き合わせてとれば、子供が1歳半になるまで育児に専念することが可能となる。

残業は原則としてない。

オランダとデンマークは自分たちが物質的に豊かな生活を送るためよりも、子育ての視点から仕事漬けの生活のあり方を国レベルで改善していった。
子育てのための時間を、お金を稼ぐために削ることがないような仕組みが作られた。
日本は少子化と言われて久しいが、オランダやデンマークに学ぶべき点が多い。

さて、人間の欲望にはキリがない。

そのためなら、労働者であれ、経営者であれ、投資家であれ貪り尽くそうとする。
その子供たちや家族はどうなるか、社会や人類はどうなろうが意に解さないのである。
それは資本が増殖のために増殖しようとする欲望を本源的に持っているからです。

それは知らないうちに、時間を、命を、社会の絆を、地球をを貪り尽くす。
放っておけば資本はすべてのものをその奴隷に変えてしまうのだ。
自由な競争を野放図に許せば、社会は、増殖しようとする資本の猛威にさらされ、荒廃させられていく。
人間はそのことを肝に銘じるべきだ。
我々の命や絆を守るためには、その活動に一定の制限が必要である。
市場経済や競争原理は我々の幸福とは相入れないものなのである。
それが、我々の生存を支えるシステムにまで入り込み、それを都合よく変えてしまうことに、もっと厳しい目を注ぎ、聖域に入りこませないようにしなければならない。

我々は人類を滅亡に追いやろうとしている資本主義の弊害を取り除く時代に突入している。
時間はもうあまり残されてはいないと思う。でもその手がかりが見いだせないでいる。
的外れかもしれないが、そのために愛着システムの構築は外すことができない。
金儲けの都合ではなく、子育ての都合を優先しなければならないのだ。
子供達が幸せに育つことを最優先しなければならないのだ。
それが我々の社会の幸福にもつながるからである。
そのためには、まず安心して子育てに取り組み、家族との時間をゆったりと使える仕組みを整える必要がある。
(愛着崩壊 、岡田尊司 角川選書から引用)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.04.07 12:25:22
コメント(0) | コメントを書く
[子育て、しつけ、教育] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

知らぬ間に立派な大… 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: