森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.09.29
XML
カテゴリ: 行動のポイント
横浜高校の渡辺前監督は守備練習の時、守備の上手な選手にはやさしいゴロを打ってやるという。
それは基本を忘れないようにさせるためだ。うまい選手は何をやらせてもうまい。
でもうまい選手は基本を忘れて、手を抜いたりすると元に戻すことが難しい。
簡単なゴロをなめてかかる。すると大事な試合でまさかということが起きる。
足の運びやグラブのさばきを一つ一つ確認できる平凡なゴロをさばかせて基本動作の徹底に努めさせる。球際に強い選手は、基本がしっかりしている。
ちなみにこの言葉は、努力によって大成した広島カープの新井貴浩選手の座右の銘だという。

これは森田理論学習を続けている私たちにも参考になります。
集談会では森田理論に詳しくて、理路整然とみんなに説明できる人がおられます。
でもよく聞いてみると、例えばパチンコなどのギャンブルにはまった生活をしておられるという。

そうなりますと、森田理論でいう「物の性を尽くす」という実践はどうなっているのでしょうか。
また規則正しい生活を送るという日常実践はどうなっているのでしょうか。
森田的生活からはかなり乖離があるように思えてなりません。

森田理論の基本は、そのものの持っている価値をできるだけ工夫して活かしきっていくということです。また、規則正しい生活。衣食住にまつわる日常茶飯事を丁寧に物そのものになりきって行うということです。これらがすっぽり抜け落ちていることは、自分が思想の矛盾に陥ることになります。
森田理論を知らなかった、以前のほうがまだ良かったといえるかもしれません。

これはマラソンに例えて考えると分かりやすいと思います。
マラソン選手は短距離の選手と違って瞬発力はありません。その代り持久力はあります。
スピードはゆっくりなので、42.195キロは誰でも完走できそうです。
しかし実際には誰でもができることではありません。
誰でもできることを、継続し続けるということは、簡単なようでとても難しい。
それができる人は、100メートルを10秒台で走れる能力を持っている人と同様の別な能力を持っているということです。

普段の失敗を一挙に取り戻すことができるからです。普段はのらりくらり遊んでいて、肝心なところで一発試合を決めるような仕事をするだけで済むのならば、そちらのほうがよほど魅力的に感じます。

しかし、私たち神経質者はどうもそんなタイプではないように思います。
細かいことによく気が付くわけですから、その特徴を活かして、コツコツと地道に日々努力していくのが性に合っているのではないでしょうか。
水谷啓二先生は、我々神経質者は風雲に乗じて大きな成果を上げるタイプではありませんといわれています。平凡な雑事を10年ぐらい続けるといったタイプです。
そのような実践を積み重ねていけば、平凡な人から非凡な人へと変わってゆきますといわれています。


我々は普段そんな小さなことは意味がない。価値がない。もっと意味のあること。クリエイティブな創作活動。人から注目を浴びるようなことをしたいと思いがちです。
するとザルで水を掬い上げるのと一緒で、求めるものがすべてこぼれ落ちてしまうのです。

これを一言で表現すれば「凡事徹底」ということです。
その方向で努力する以外に、我を活かす道なし。私はそう思いながら日々生活しているところです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2017.09.29 06:30:08
コメント(0) | コメントを書く
[行動のポイント] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

知らぬ間に立派な大… 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: