森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.11.13
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過去の投稿の再録です。
シャロン伴野さんは「子供を伸ばす魔法の言葉」(文園社)でおもろいことを言われています。
この中で「かくあるべし」を少なくするために役に立つ話があります。

例えば、大切なお客さんが来ているのに、子供がぐずって泣き出したとします。
シャロン伴野さんは子どもにこう言います。
「お母さんは今、お客様と大事なお話をしているの。もし、泣きたいのなら、玄関のところにいって泣きなさい。もし、お母さんたちと一緒にいたいのだったら、泣き止みなさい。どっちがいいですか?」

子どもはしばらく考えて、どちらかを選びます。
泣きたいと思えば玄関のところに行きます。
玄関のところにいって泣いても誰も相手にしてくれませんから、つまらなくてすぐに泣き止みます。


子供は自分でどちらがいいかを判断して選び、そして自分が下した決定を守る能力と自尊心が育ちます。
選択肢は2つにすることです。
何でもかんでも自由にしなさいというと、子どもたちは右往左往します。
また3つや4つでは多すぎます。集中できないのでダメです。

また選択肢の中に脅しを入れてはいけません。
こうしないと、ぶちますよとか、なにかをしてあげない、買ってあげない、という形の選択だと、それは強制になって子供の自由意志を尊重することにならない。このメリットは次のようなものです。

1、 親が子供に一方的に押し付けずに、自分の行動について子供自身に選ばせることによって、子供の自立心が育ちます。
つまり森田でいう「かくあるべし」を子供に押し付けることを回避できる。
2つの選択肢を与えることで、目の前の出来事に集中できる。
比較検討することによって感じが高まります。

2、 どちらを選ぶかについては、当然、子供自身の頭で考えなければなりませんから、思考力も養われます。



4、 親にとって、子供がぐずったり、すねたりしなくなるので、子育てからくるストレスがなくなります。
「ダメです」「早くしなさい」「親の言うことが聞けないの」などという言葉は、子供が反発しやすく、親子げんかの原因になります。

5、 子供は自分に選択肢を与えてくれる親を尊敬し、親は子供が自分で選んだ行動に責任を持つのを見て頼もしく思いますので「信頼関係」が深まります。

親子の間でよくありがちなのは、大人が自分のイライラした感情をなんとか早く取り除いてすっきりしたいというということです。しかし、その手の行動は親子関係が悪化してゆきます。
そして最後には、自分の思うようにならなくて「お前の好きなようにしろ」と放任して突き放してしまいます。

親の後ろ盾を得られずに育った子供は、他人との信頼関係を築くことがとても困難になります。
子供は他人が自分をどう扱ってくれたかにばかり神経を使うようになります。
これが対人恐怖症の大きな原因に発展してゆくことがあります。
暖かい人間関係の枠外に出されることは身体的および社会的な「死の恐怖」と直結するからです。

そうならないために、シャロン伴野さんの「どっちがいい」「どっちにする」という接し方は応用してみる価値があると思うのです。こういう考え方ができる人は、人間としての懐の深さを感じさせます。
森田理論学習ではすでに「純な心」「私メッセージ」の人間関係への応用はすでにされている方も多いと思います。
それにこの考え方を取り入れて、自分の「かくあるべし」を自分にも他人にも押し付けないという態度の養成はできないものでしょうか。





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Last updated  2017.11.13 17:41:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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