今日は恐怖などの感情と依存症について投稿してみたいと思います。
人間の先祖は他の肉食獣と闘って生き伸びていかなくてはなりませんでした。
絶えず周囲をうかがい、慎重に生きていたのです。
危険を素早くキャッチして戦うか逃げるかの決断をしなければなりませんでした。
そうしないと簡単に肉食獣の餌食になってしまいます。
脳ではいち早く五感、扁桃体、海馬、大脳新皮質の神経細胞のネットワークが強化されました。その結果 絶えず不安や恐怖にさらされながら生きていたのです。
神経伝達物質としては、アセチルコリン、ヒスタミン、ギャバ、ノルアドレナリン、等が多量に分泌されていました。
その後人類の進化に伴い、側坐核、腹側被蓋野から大脳新皮質につながる快楽神経というものが生まれました。いわゆる A10( エーテン神経 ) といわれるものです。
人間は葛藤や苦しみばかりでは生き延びることはできなかったのだと思われます。
人間の身体が不安や恐怖を和らげる神経回路も必要としたのです。
この神経が活性化されると神経伝達物質として、ドーパミン、セロトニン、脳内モルヒネ等が放出されます。
ギャンブル、アルコール、セックス、覚せい剤などはこの神経回路をさらに活性化させるものです。
現代人は基本的にこの二つの神経回路を備えています。
神経症やうつになると不安や恐怖に反応する神経伝達経路が強化されてしまいます。
一方快楽神経系であるエーテン神経はどうなのか。実は神経症などに陥った場合、エネルギーのある人は、この神経系も活性化されているのです。
神経症になり、不安、恐怖、不安感に押しつぶされそうになると、何とかその苦しみから逃れたくなります。
手っ取り早い手段としてエーテン神経を賦活させて苦しみを和らげようとするのです。 これは意識的ではなく無意識的に行われています。
そうして苦しみ一辺倒の精神状態を緩和してバランスを保とうとしているのです。
人間の身体は実によくできているものと感心します。
美味しいものを食べる、お酒を飲む、身体が心地よいと感じる楽しいことをする。
具体的には、趣味三昧、旅行三昧、カード利用による買い物三昧、グルメ三昧、ネットゲーム三昧、ギャンブル三昧、アルコール三昧、セックス三昧、覚せい剤などに頼るなどです。
しかしこれらは、一旦はまり込むとエーテン神経の中にしっかりとその快楽が刻み込まれてしまいます。一旦絶大なその効果を自覚すると、すぐに常習性が出てきます。
依存症の始まりです。 これらにどっぷりと漬かって、普段の生活に重大な影響を及ぼしている人を見ると、これらのどれか一つに特化しておられる人が多いようです。
多くても2つか3つまでです。
一旦依存症に陥ると、自分の健康的、経済的、精神的、社会的立場はいとも簡単に破滅的状況に追いやられる傾向があります。
さらに周囲の人に多大な迷惑をかけることになります。
一旦依存症に陥ると、それから手を切るのは大変なことです。
効き目が薄くなって使用量が増えてくると同時に、中止しようと思っても今度はイライラ感などの禁断症状が続いて抜け出すことができなくなるのです。
依存症に縁がない人でも、深刻な不安や恐怖などを抱えると、絶えず依存症の誘惑に取り囲まれているということは自覚しておく必要があります。
最初はごく小さな不安、恐怖、不快感、違和感の取り扱いを誤って、精神交互作用によって増悪させて、その苦しみから逃れるために、気が付いたらとんでもない依存症に陥っていたという事態に陥りやすいということです。
神経症に陥りやすい人は、そのことに十分に注意を払っておく必要があるのです。
依存症に陥らないためには、普段から森田理論学習によって、精神交互作用、不安と欲望の関係、不安の役割、欲望の制御、不安と欲望の調和などの学習をして、不安や恐怖の取り扱いを誤らないようにすることが大切になるのです。
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