森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.02.08
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カテゴリ: 神経質の性格特徴

元巨人のピッチャーの江川卓さんの話です。
1番バッターの役割は非常に重要です。
まず、トップバッターはチームで最初に打席に立つ選手ですから、そのチームの「触覚」にならなければいけません。
相手のピッチャーの調子はいつもと比べてどうなのか、変化球は切れているか、ストレートの伸びはどうかと、いろいろな点を分析しなければチームの作戦は立てられませんし、狙い球も絞ることができません。
そのためにも、トップバッターはなるべく相手ピッチャーに球数を投げさせなくてはいけません。
もう一つ重要なのは、ヒットでも四球でもデッドボールでも、とにかく塁に出て相手バッテリーにプレッシャーを与えることです。例えば、トップバッターがボテボテの内野安打で出塁。
次の打者はショートが盗塁のベースカバーに入ったところを見計らったように三遊間に運び・ ・ ・といった展開になると、ピッチャーはだんだんと頭に血が上ってきて、冷静な判断がつきにくくなるものです。

反対に、最初の打席からホームランを狙ってくる1番打者は気が楽でした。
年間ホームランするが5本であろうと、 20本であろうと、貢献度はそれほど変わらないと思います。
なぜなら、先頭打者ホームランは、ピッチャーにはほとんどダメージを与えないからです。
15年位前、ある球団ではホームランを打った方が年俸が上がるという査定システムになっていました。
そのために1番バッターでも最初からホームランを狙ってくる選手がいました。
(マウンドの心理学 江川卓 廣済堂文庫 163ページより引用)

この話を聞いて私の感想を述べてみます。
野球の選手は、選手ごとに持ち味が大きく違います。
例えば、ボールを遠くに飛ばす力を持っている人。ミートする能力が優れているひと。ピッチャーの癖を盗み、盗塁の上手な人。守備の上手な人。地肩が強く球を遠くまで投げることができる人。ブルペンで仲間を鼓舞できる人。
プロ野球の選手で、それらのすべてが超一流という選手はなかなかいない。また、その必要もない。
それらのどれか1つでも超一流という選手はプロ野球の世界で生き残っていける。
どうにも使いどころのない選手は、どれもが平均的で、そうかといって、他の優れた選手と比べるとちょっと見劣りがする選手だそうだ。そういう平均的レベルの選手は山のように存在する。
プロ野球の球団にスカウトされるような選手は、もともと平均的な野球センスを持っている人以外は、ドラフトで指名されることはない。
入団してから、他の選手より優れた部分を見つけ出して、鍛えて超一流に高めていかなければならない。
そうすることで、プロ野球という熾烈な競争社会の中で生き残っていけるのである。

それでは神経質性格を持っている人の場合はどうだろうか。
森田先生は人間の性格を7種類に分類されている。
その中の1つに神経質性格というものがある。神経質性格は他の性格者にはない優れた特徴があると言われている。
・細かいことによく気がつく。感受性が豊かである。
・真面目で責任感が強い。
・ 1度夢や目標を持った場合、粘り強くコツコツと頑張ることができる。
・好奇心が広く、しかも強い。様々なことに興味や関心を抱く。
・ミスや失敗があると、その原因を分析して、次の成功に結びつけることができる。

その半面、性格が裏目に出ると、次のような傾向がある。
・小さいことにこだわると、神経症に発展する。
・人の思惑が気になり、対人接触を避けるようになる。
・不可能なことにいつまでもとらわれて無毛なエネルギーを投入する。
・その時の気分によって行動してしまう。
・理想主義、観念主義に陥って、現実が見えなくなってしまう。
・その結果、現実否定、自己否定、他人否定に落ち込みやすい。

これらは森田理論学習の中の「神経質の性格特徴」で学習したことである。
私たちは神経質性格の優れた面と見劣りがする面を過不足なく認識しなければならない。
次には、優れた面に焦点を当てて、そこにみがきをかけて、さらに高めていかなければならない。
神経質性格を活かしていくだけで、社会の中で存在感を示すことができる。
そうすれば、神経質性格こそ神様から自分に与えられた最高の宝物であると認識できるようになる。
神経質性格の活かし方については、これまでも度々投稿してきた。

神経質性格で、今現在アリ地獄の底にいる人はどうすればよいのか。
普段の生活の中で、「こうしたらいいな」と気づいたことを忘れないようにメモしていくことである。
それが実行できるかどうかはこの際放っておく。
とにかくストックを増やすということに取り組んでみてほしい。
ストックがあれば、自然に手が出てくるようになる。
できるようになったからといって、完璧にこなすようにしようと思ってはならない。
常に60%くらいを意識して取り組んでみたらいよい。
余裕がある人ならば、俳句や川柳、ユーモア小話などのネタもメモするようにしたらどうだろうか。
これらに取り組むことによって、神経症の症状は急速に力を失ってくる。
そして、自己内省一辺倒だった自分の頭の中に余裕が出てきて、自分以外の事にも興味や関心が生まれてくるのである。






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Last updated  2018.02.08 06:30:05
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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