森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.03.15
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カテゴリ: 行動のポイント
神経症の悩みを抱えた人の対処方法は2つに分かれます。
1つは、その悩みをなくするためにどんな努力も惜しまない人です。
神経科にかかる。様々な精神l療法を受ける。カウンセリングを受ける。心身を鍛える。やたらに動き回る。宗教に救いを求める。などなど様々あります。
2つ目は、神経症の葛藤や悩みからすぐに逃げてしまう人です。
金縛りに遭ったように固まってしまうのです。
私の場合は、予期不安や予期恐怖が発生すると、すぐに逃げてしまうということが習慣化していました。
今日の投稿では、葛藤や悩みから逃避してしまう場合について考えてみたいと思います。

逃げてしまうと、一時的には楽になります。
しかし、やるべきことや仕事や勉強などに手をつけないので、暇を持て余すようになります。

次に逃避してしまうばかりの自分を否定するようになります。
自分という1人の人間の中に、逃避することが習慣化している現実の自分とそれを雲の上から眺めて否定している自分がいるのです。
本来は一体化して、外に向かうべき注意や意識が内輪もめを繰り返しているのです。
完全に悪循環のスパイラルにはまり込んでしまって、自分の力ではもはやどうすることもできなくなっているのです。

逃げてばかりの人は、森田理論では気分本位の人といいます。
気分本位が継続してしまうと情けない人生で終わってしまいます。
森田先生は、気分本位の人は生の欲望が弱く、神経質性格者ではなく、意志薄弱性の気質に分類されています。しかし、少しでも生の欲望がある人は、森田適応だと私は考えています。
なお、森田先生は、意志薄弱性気質の人は、神経症治療の対象外されています。

アメリカ精神医学会の人格障害の分類に、回避性人格障害があります。
気分本位の人はこれに該当します。
・他人からの批判、拒否、拒絶をあまりにも恐れるために、仕事上大切な人と会わなければならないような状況を避ける

・恥をかかされること、馬鹿にされることを恐れるために、親密な間柄でも遠慮がちである。
・社会的状況の中では批判されはしないだろうか、拒絶されはしないだろうかと心を奪われる。
・自分は人と上手く付き合えないと感じるため、新しい人間関係を築けない。
・自分は社会的に不適切な人間で、長所はなく、人より劣っていると思っている。
・恥ずかしいことになるかもしれないという理由で、何かにチャレンジしたり、新しいことを始めたりすることに異常なほど消極的である。


嫌なこと、不快なことが予想されるとすぐに目を背けるという面があります。
例えば、テレビの画面に蛇が出てくると、すぐに目をそらすなどです。
プロ野球などでも贔屓のチームが負けるとすぐにチャンネルを変えてしまいます。
もう一つは、自分の身体を使って動かなければならない時に、 「しんどそうだ」 「体が動かない」などと理由をつけて、何もしないで楽な方向を選択してしまうということです。
なかには、自分は何もしないで、他人に依存してしまう人もいます。

このうち、 2番目の方ですが、目の前のやるべきことに対して、何とか手を出す習慣を作りたいものです。誰でも最初は腰は重くて動くことが困難な場合でも、手をつけると弾みがついて、行動してよかったという経験には持っていると思います。
そういう経験に思いを馳せると、最初は億劫だと思った事でも手を出したほうがよいのです。
身近なところから、小さな欲求が起これば、積極的に手を出していくことです。
これはいくら気分本位の人でも、比較的取り組みやすいことです。
そのためには、普段から気のついたことを書き留めておくことが必要です。
それを眺めていると、ついすっと身体が動いていくようになります。
そういう習慣は誰でも身につけることができます。
習慣が身についてくると気分本位の態度を修正することができるのです。

嫌な事、不快なことが、過度の取越苦労、予期不安・予期恐怖となって手も足も出ない人もいます。
こういうことが習慣化している人は、自分1人の力ではどうすることもできないと思います。
そういう人は、集談会などに参加して、 人からの刺激を受けることが必要です。
他人から、助言してもらい、素直に従うことです。
森田を日常生活に応用している人の話を聞いていると自然に刺激を受けます。
神経症から回復した人がやっていることを見てまねてみることも有効です。
訪問営業などの仕事の場合でいえば、そういう人は 1人で仕事をするとどうしても逃げてしまいます。
それを防ぐためには、同行営業をすることです。
それも、相手が気分本位でない人を選ぶことが必要です。
人の力を借りて気分本位の態度を払しょくすることがよいと思います。

気分本位な態度を放置しておく事は、決して自分の為にはなりません。
森田先生は、チャンスの神様はすぐにつかまらないと、すぐに逃げてしまうと言われています。
皆さんもいろいろと工夫をしてみてください。

以上述べたことは、うつ病の人には適応できません。
うつ病の人は、エネルギーが枯渇している状態ですから、まずは医師の診断に従うことが必要です。
うつから解放された後で森田に取り組みましょう。





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Last updated  2018.03.15 06:30:17
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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