ネズミを2つのグループに分けて3週間実験を行った。
1つのグループは、毎日餌を好きなだけ食べさせて、温泉に入れた。
もう一つグループは、餌を少ししか与えなかった。さらに毎日水泳をさせた。
その後、両方のグループを寒さにさらした。
風邪をひいたのは、餌を腹いっぱい食べさせて温泉に入れたグループであった。
空腹と水泳をさせたストレスいっぱいのように思えるグループは風邪を引かなかった。
しかもキラー細胞(ガンを攻撃する細胞)という免疫機能の働きを調べると、空腹と水泳をさせたグループのほうか強かった。
この結果から、適度の運動を実行して、適度のストレスを受ける方が免疫力を高めることがわかった。
一般的にストレスや悩みを抱える事はよくないことであると受けとめられている。
しかし、実際にはストレスや悩みがまったくない順風満帆な生活を送っている方が、心身の健康にとってはよくないということである。
適度なストレスや悩みを抱えながら、日々の生活に立ち向かっているほうがより健康的な生き方をしているということである。
適度なストレスや悩みは我々の心身の健康にとても役に立っているということである。
さらにアメリカで次のような実験をした。
ボランティアの方を2つのグループに分け、それぞれ別の部屋に入れて、大音響の騒音に耐えてもらいました。
片方グループの部屋にだけは、騒音に耐えられなくなったらスイッチを切って止められるような仕掛けがしてあります。
その部屋の人がスイッチを切ると、両方の部屋で騒音が止まる仕組みになっています。
この実験の後、 2つのグループのキラー細胞を測定してみると、自分たちの意思でスイッチを切ることができる部屋にいた人のキラー細胞は減少していなかった。
もう一方のグループの人はキラー細胞が明らかに減少していた。
このことから、ストレスに対して受け身になって対応することはよくないことがわかった。
ストレスに対して、自力で解決する姿勢があればキラー細胞は減ることはない。免疫力が持続する。
これに対して、ストレスに無防備で受け身になってしまうとキラー細胞が減少し、ガンや難病に侵されやすくなる。(笑いの健康学 伊丹仁朗 三省堂 51頁より要旨引用)
神経症の人は、不安、恐怖、違和感、不快感などが湧き起こってくると、あってはならないものと認識して、取り除こうとする。思い通りにならないと逃げてしまう。この対応は1番まずい対応である。
それらに対してどのように対応していけばよいのかは、森田理論学習が明確に教えてくれている。
対応するための理論を知っているか知っていないかは、精神や身体の健康に大きく影響するのである。
森田理論では、それらは欲望があるからこそ発生しているものであるという。
不安などに関わり続けるのではなく、欲望のほうに目を向けて日常茶飯事や仕事に取り組んでいくことを教えてくれた。
また不安があるからこそ、無制限に欲望を追い求めるということがなくなる。
欲望の暴走を食い止めることができるのだ。
それは丁度自動車のアクセルとブレーキのような関係にあたることを学んだ。
車はアクセルを踏み込まないと絶対に前に進む事はない。アクセルを踏み込むことが1番大事だ。
しかし、その時ブレーキが壊れていては、追突事故や大惨事を引き起こす。
アクセルを踏み込むことに重点を置きつつも、ブレーキの果たしている役割を十分に認識することが大切である。
適宜アクセルとブレーキを使いこなしていけば、安全に目的地に到達することができる。
これはサーカスの綱渡りの芸にも似ている。
綱渡りでは、長い物干し竿のようなものを持って常にバランスを取っている。
バランスを取りながら、慎重に一歩一歩目的地に向かって移動している。
神経症に陥っている人は、不安などに取り付かれてバランスが崩れている状態である。
神経症が治るということは、不安と欲望のバランスを回復させることだと言っても過言ではない。
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