森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.07.09
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発明王のエジソンは、 「複数の仕事を同時並行させる」という信念を持っていた。
6つから7つの構想を同時に練っているというのだ。
同時に複数のテーマを考えると、思考が分散されて、効率が落ちるように思える。
しかしエジソンは、あえて複数のテーマを同時並行させることで、アイデアの相乗効果を狙っているという。
あるテーマで、常識的に考えられる原理や材料を使って実験を続けたものの、結果が出なかったとしよう。ひとつのテーマしか追っていないと、普通はそこで行き詰まる。
常識以外の発想をしようと思っても、ヒントになるものがないからだ。
しかし、別のテーマを同時並行で進めていれば、 「こちらで使った原理はあちらに応用できるのではないか」という発想が浮かんでくる。こうした視点は、多ければ多いほどいい。
エジソンはそれを狙って、複数のテーマを同時に抱えるというルールを意図的に実践していた。
そもそも発想というものは、既存のモノや考え方の組み合わせに過ぎない。

ただし、視野の狭い人に、異質なものを組み合わせる発想は浮かばない。
そこで重要になるのが仕事の複線化だ。
例えば、新商品の企画を練りながら、既存商品のテコ入れ策を考えるのもいい。
さらに異業種のレポートを作ったり、全く関係のない社内のイベントを企画するうちに、なにかのヒントが得られるかもしれない。
ビジネスの現場では、実際に数多くの案件を抱えて忙殺されている人も多いだろう。
そこで、上司から新たな案件を割り当てられると、 「勘弁してくれ」と考えるのが普通の感覚だ。
しかし、アイディアを深めるという意味で、複数案件を同時に抱えるのは大きなアドバンテージになる。
新たな案件が発生したら、それはむしろ喜ぶべきことである。
アイディアと仕事の数はイメージとしては、y=x2乗の二次曲線の関係にあると考えていいい。
ひとつの仕事しかしていないと、アイデアもひとつ。しかし、仕事が10に増えれば、アイデアは一気に10の2乗で100に増える。仕事が20ならアイディアは400だ。
仕事が1つ増えるたびに、アイデアは雪だるま式に増えていく。そう考えれば、目の前に積み重なった多くの仕事にも前向きに取り組めると思うが、いかがだろうか。


森田先生は、 「休息は仕事の中止ではなく、仕事の転換にある」と言われた。
ひとつの仕事を長時間続けていると、身体的疲労が溜まってくる。
また刺激が少なくなり、飽きがきて、マンネリ化が起こると言われている。
これを解消するためには、一定の時間が過ぎると、仕事の内容を変えるとよいといわれているのだ。
勉強をしていると、急に睡魔が襲ってきて眠たくて仕方がない時がある。

そういう時は、風呂に入ったり、犬を連れて散歩に行くなど別のことをする。
するといつの間にか眠気が取れて、新たな気持ちで勉強に取り組むことができるようになる。

エジソンの考え方は、森田理論の「無所住心」の考え方に近い。
森田先生は、我々の心は最も働くときは、 「無所住心」と言って注意が一点に固着、集中することなく、しかも全神経があらゆる方面に常に活動して、注意の緊張があまねく行き渡っている状態であろう。この状態にあって、私たちは初めてことに触れ、ものに接して、臨機応変に最も適切な行動でこれに対応することができる。
昆虫のように、触覚がピリピリしてハラハラしている状態である。
電車に乗っていて、つり革を持たずに立っていても、少しの揺れにも倒れずに本が読める。
スリにも会わず、降りる駅も間違わない。
また、自動車の運転をしていても、音楽を聴いたり、景色を眺めたり、ナビを見ていても、車線変更もでき、赤信号では止まれる。交差点では歩行者や自転車にぶつかるようなこともない。

森田理論では、 1つのことに神経が集中している状態はよくないといっている。
例えば森田先生が学生達に講義をしている時のことを考えてみよう。
決して講義内容にばかり神経を集中している訳ではない。
躓いたり、コップをひっくり返したりしないように注意している。
学生達の様子や周囲の変化などにも注意を向けている。
その上で、自分の話の筋道を工夫している。
この四方八方に心が散った有様の事を「無所住心」といい、周囲のすべてのことに気がついて、しかも何事にも心が固着しないで、水の流れるが如くに心が自由自在に。適用していく有様である。
あたかも明鏡に物の映るが如く、来るものは明らかに映り、さればただちに影を止めないと言う風である。この時は、精神が緊張して張り切っているのだ。
アイデアはそういう精神状態の時にこそ、泉のように湧き上がってくるのである。





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Last updated  2024.06.03 08:03:01
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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