森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.10.10
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作家の故遠藤周作さんは、次のように書いています。
「小学校も中学も不成績で、周囲の者や親戚の人たちから馬鹿にされるばかりか、学校の先生からも馬鹿あつかいを受けて、自分でも俺は本当に馬鹿ではないかという劣等感に悩まされた。
そうしたときに、母は、 「お前には1つだけいいところがある。それは、文章を書いたり、話をするのが上手だから、小説家になったらいい」と、言ってくれた。
とにかく、算術はからっきし出来ないし、他の教科も散々だったが、小説というのか童話と言うのか、そんなものを書いて母に見せると褒めてくれるので、それを真に受けて、大きくなったら小説家になろうという気持ちを、その頃から持つようになったのだが、 (略)もし、その当時、母が他の人たちと一緒になって、私を叱ったり馬鹿にしていたら、私と言う人間はきっとグレてしまって、現在どうなっていたか分からないという気がする。
母は私の1点だけを認めて褒め、今は他の人たちはお前のこと馬鹿にしているけれど、やがては自分の好きなことで、人生に立ち向かえるだろうと言ってくれたことが、私にとっては強い頼りとなったといえる。実際、小説家となった今日、あの母はいなかったら、小説家にならなかったに違いないと思う」 (本当の私を求めて 遠藤周作 海竜社)

遠藤周作さんは、勉強ができなかったようです。
普通の教育ママなら勉強ができない子供を叱責するのではないでしょうか。
そして最後には、あきらめて子供を放り投げてしまうのではないでしょうか。
遠藤周作さんのお母さんは素晴らしい対応をされたと思います。

そこを評価し、褒めて意識付けをする。様々な経験を積ませる。
遠藤周作さんは母親の励ましによって、自暴自棄にならず、小説家として自立することができたのです。

私たちも、上から下目線で子供を価値評価するのではなく、子どもの現状に常に寄り添って、もともと備わっているものを見極めながら、子ども自身が人生を切り開くために協力したいものです。
考えてみれば、これが森田の事実本位を子育てに活かすということだと思います。
 「かくあるべし」を前面に押し出す人は、とてもこのような子育ては出来ないと思われます。





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Last updated  2024.04.07 13:18:11
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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