森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.10.17
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
田舎の寺の住職さんが、ある働きざかりの男性がネットに投稿した話を紹介してくれました。

その男性は小学校5年生の時、すぐ近所に住む女の子と同じクラスだったそうです。
しかし、彼女は病気で学校を欠席しがちで、たまたま学校へ登校してもすぐに早退してしまったそうです。勉強が嫌いな彼は、彼女が羨ましかったそうです。
「あの子だけは特別扱いされている。いいな」
彼はその子と家が近くなので、彼女が欠席したときは、連絡帳を彼女の家に持っていき、そして朝は彼女の家に立ち寄って連絡帳を受け取り、担任の先生に渡す役割がありました。
そんなある日、彼は連絡帳に何が書いてあるのか、興味本位でこっそり開いて読んだそうです。
そこには女の子の華奢な子で、こう書いてありました。
「今日もずっと家で寝ていました。早く学校行きたいです。今日は窓際から女の子たちの笑い声が聞こえてきました。学校行けば私も輪に入れるのかな・ ・ ・ ・ ・ 」
彼はショックを受けたそうです。学校へ行かないのは楽なことだと思っていたからです。

そこで彼はその連絡帳に自分も書き込んだそうです。
「いつまでも待っているからな。体が良くなったら遊ぼうな」

そして次の日の朝、女の子の家に連絡帳を取りに行ったら、お母さんに言われたそうです。
「もう連絡帳は必要なくなったの」
小学校5年生なので、その意味することが彼にも分かりました。
女の子の突然の死に、彼の目からポロポロと涙が止まらなくなりました。
すると、お母さんは、 「せめてあなただけでも、娘のことを覚えていてね」と言って、その連絡帳を彼にくれたそうです。

それから時が流れ、今彼は30代の働き盛りですが、その連絡帳は宝物だそうです。
人生行き詰まって絶望の時も、死んでしまおうと投げやりになったときにも、その連絡帳を読んだそうです。そこには亡くなる直前に書かれた彼女の返事が書いてあります。
「ありがとう、いつかきっと、遊ぼうね」

考えてみれば、小さい時に不治の病に襲われた人。大きな障害をもって生まれた人。戦争の真っ只中で命を落とした人、地震などの自然災害で亡くなった人もいます。

そんな時、 「こんな人生なら死んだ方がマシだ」と、生き続けることに、早々と見切りをつけてしまう人もいます。
そんなときには、無念の死を迎えざるを得なかった人、この女の子のように、病気を治して再起したかったという人のことに思いを馳せる事は大切だと思います。
理不尽な仕打ちによって、自分の願いは無残にふみにじられてしまったのです。
私達はいろいろと不安や恐怖はありますが、そういう人の願いを踏まえて、生き尽くすことが大切なのではないでしょうか。
幸いなことに、神経症的な不安や恐怖は、森田正馬先生が森田療法理論によって、その乗り越え方を明確に残してくださいました。これに頼ることがいい結果をもたらしてくれるはずです。





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Last updated  2024.05.31 20:38:18
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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